十.思惑の夕餉と間諜の目的
ティエンが農民として振る舞うことは、彼の言う通り、間諜の兵士達に戸惑いを与えているようであった。
それが顕著に出たのは夕餉である。
王族のティエンの食事は大層、豪華なものであった。野菜に彩られた魚の蒸し煮。漬物と肉の炒め物。豆の団子に、盛られた美しい果実。
米の粥が出るだけでも、ユンジェは生唾を呑んでしまうというのに、その品々の数に圧倒されてしまう。到底、怪我人が食べられるような量ではないのだが、これが普通だそうだ。寧ろ、お粗末な部類に入るらしい。
(うそだろ。これだけで三日分はあるのに、お粗末なのかよ)
ユンジェは王族の食事の贅沢さに目をひん剥いてしまった。
勿論、これはティエンのための食事であって、ユンジェの分はない。
王族と農民の区別をきっちりと付けているようで、カグムから「お前の分は後で持ってくるから」と、言われた。
けれども、農民を名乗っているティエンは、当たり前のように、これらの食事を拒んだ。
なんて勿体無いことを、顔色を変えるユンジェだが、彼の主張は一貫している。
「私はユンジェと同じ食事を口にします。これらはどうぞ、あなた方でお召し上がり下さい」
ティエンなりの抵抗なのだろう。
王族の利用を目論む輩達に、冷たく微笑んだ。説得されても、まったく応じようとしなかった。
その結果、ユンジェは初めて王族の食事を口にする。彼が自分と同じ食事しか食べないと言い切ったので、兵士達がこのような策に打ってきたのである。
ユンジェは大喜びしたが、お付きの兵士達の顔はやや疲労していた。よほど、身分を重んじているらしい。大変だな、とユンジェは内心で同情した。
「ティエン。何が食べたい? 取ってやるよ」
「私は米粥だけでいい。ユンジェの好きな物を食べなさい」
しかし、彼は米粥も進んでいなかった。食欲が戻っていないのだろう。
また、天幕の内に兵士が待機している。
あれの存在がティエンの食欲を削いでいるようだ。近衛兵達に襲われた過去がある彼は、兵を見る度に顔色を悪くしている。
そこでユンジェは果実から
「一口に切ってやるから、これを食べなよ。白梨なら食えるだろ? しっかり食えとは言わないけど、もう少し口しておかないとお前、ぶっ倒れちまうぞ」
取り皿に切った実を差し出すと、ティエンは米粥を置いて、それを食べ始めた。
あっという間に平らげてしまう彼は、おかわりをねだってくる。意外と食欲はあるのかもしれない。
兵士達からあまり良い顔はされなかったが、ユンジェは気にせず、二個目の白梨の皮を剥き始める。
おおよそ、農民がしゃしゃり出るな、とでも思われているのだろう。知った話ではなかった。
「失礼します。新しい
新たな兵士が天幕の内に入ってくる。それが此方に向かって、引きつった声を出したため、ユンジェは顔を上げた。
そこには藍色の髪をした男が、御盆を持ったまま、片頬をひくりと痙攣させている。後ろ一つに結っている三つ編みまで、ぴくぴくと動いているように見えた。首には包帯が何重にも巻かれている。
ユンジェの顔を見るや、怒りを見せる彼はハオというらしい。首に巻いた包帯と、その様子からして、まず間違いないだろう。
「お前はあの時のクソガキっ。よくも、俺を煙たい家に閉じ込めやがったな!」
やはりそうか。
このハオこそ、ユンジェが
ハオが忌々しげにユンジェを睨んでくる。あれの恨みは強いらしい。痛い思いをさせてしまったのは申し訳なく思うが、ユンジェにも言い分がある。
「普通、ティエンに柳葉刀を突きつけていた奴が、味方だとは思わないじゃんか」
小声で文句を零す。
それが彼の耳に届いたのか、ハオは御盆を落とすと、大股でユンジェに歩み寄り、胸倉を掴んで持ち上げた。せっかく剥いた白梨が床に落ちてしまう。足が浮いた。
「ばか! 何をしているんだハオっ、王子の御前だぞ!」
カグムの怒声すら、頭に血がのぼっているハオには聞こえていない。
ユンジェの胸倉をぎりぎり握り締め、「小癪な真似しやがって!」と、前後に激しく揺すってくる。
「貴様のせいで、こっちの計画は滅茶苦茶になったんだ。くそ、ピンイン王子を密かに保護するはずがっ……お前のせいで、タオシュンに間諜をばらす事態になった。クソガキ、どうしてくれるんだっ!」
「ティエンの顔を殴ったくせに、何が密かに保護だよっ」
息が苦しくなってきた。この男、絞め殺すつもりか。
「あれは俺がしたんじゃねーよ! 農民のくせに、王族の天幕で飯なんか食いやがって。身分を弁えろっ!」
そんなことを言われても、これはユンジェの意思ではなく、周りが勝手に与えてくれたものなのだが。
許可はちゃんと取っているのに、どうしてこんな扱いをされなければいけないのだろう。
ハオがユンジェを連れて、天幕の入り口へ向かう。
農民をさっさと王族の天幕から放り出すつもりなのだろうが、それを見逃すティエンではない。
彼の目を見たユンジェが顔色を変え、落ち着くよう必死に両手を出して訴えるが、彼はハオ以上に頭に血をのぼらせていた。
「てぃっ、ティエン! 大丈夫、俺は大丈夫だから!」
ゆらりと立ち上がる彼は、ハオの帯に差している双剣に目をつけ、相手に体をぶつける。
そして、それを素早く抜くと、ぎょっと驚くハオに向かって双剣を投げた。
忘れないでほしい。ハオのすぐ傍には、ユンジェもいることを。
(お、お前は俺を殺すつもりかっ!)
危うく刺さりそうになった双剣は、それぞれユンジェとハオの足元に転がる。二人は千行の汗を流し、ぎこちなく床を見つめた。
「ユンジェを放せ、今すぐに。その子は私の命の恩人、大切な繋がりだ」
なんとか追い出されずに済んだユンジェだが、正直平民の天幕に戻りたい気持ちでいっぱいとなった。
身分をとやかく言われたためではない。ここの空気が、最悪に入り乱れているせいだ。
片や地の底まで機嫌を落としたティエン。片や青い顔で、王子に頭を下げ続けるハオ。共に詫びる兵達。無言で白梨を剥く自分。
様々な思いが交差しているせいで、天幕の内の空気は荒れに荒れていた。ここは贅沢で寝心地良いが、なぜであろう、地獄であった。平和な天幕に戻りたい。
(参ったな。今の騒動でティエンのやつ、すっかり人間不信に陥っている。兵士不信って言うべきか?)
ユンジェは薄々と彼の異変に気づいていた。
農民として気丈に振る舞っているティエンだが、内心は兵士に強い不信感を抱いている。それこそ兵士達が用意した食事を、無意識に拒絶してしまうほど。
近衛兵達に襲われた恐怖の杭が、心に深く突き刺さっているのだろう。
米粥が喉を通らなかったのも、そういった理由があるに違いない。
思えば、ティエンはユンジェと暮らす一年の間、殆ど周囲に顔を隠していた。誰とも親しくなろうともせず、心を開く素振りも見せなかった。
敢えて言うなら、農家のトーリャくらいだろうか。
気さくな彼女には、少しだけ笑みを向けることもあったが、積極的に交友を深めようとはしなかった。
今まで仕事に追われ、気づけなかったが、彼は強く人間不信に陥っているのだろう。周りから死を願われ続け、本当に殺されかけたのだから、そうなっても仕方があるまい。
(畑仕事をしている時は、食っていかなきゃって思ってたから、不信になる余裕もなかったんだろうけど)
白梨を剥き終わると、ユンジェは
「ティエン。ほら」
半分を口に入れて、もう半分を蒸籠ごと彼に差し出した。きょとんとする彼に、「美味いぞ」と、笑顔を作り、一緒に食べようと誘う。
すると彼は躊躇いなく、それを口に入れて、美味そうに咀嚼する。
思った通り、彼の食欲は心意的なものだ。不安を取り除けば、しっかりと食べることができる。
こんな華奢でも一年間、過酷な畑仕事をこなしてきた男だ。幾度もひもじい思いをしてきた彼は、ユンジェ同様、食べることに人三倍貪欲になっている。
ユンジェが共に食べれば、無事彼の食欲を取り戻るだろう。ホッと息をついた束の間、ハオから罵声を浴びませられる。
「クソガキ。貴様が使った箸で王子に飯を渡すとは、どういう神経をしてやがる」
頭を抱えたくなった。この男は一連の流れを見ていなかったのだろうか。
(せっかく、ティエンの機嫌が直りかけていたのに。あいつの頭は空っぽなのか?)
美しい顔が無言でハオを睨む。美人の凄みは、なんとも迫力があるものだ。片膝を立てているハオが、見事に石化してしまった。言わんこっちゃない。
(ハオって男。たぶん、後先を考えない奴なんだろうな)
抜けている、と言った方が正しいのかもしれない。他の兵士達はティエンの様子を窺い、多少のことは目を瞑っている。
また、彼らの帯に剣が差さっていない。
カグムの一件で、護身用の短剣は持っていると分かったが、見えるところに武器は持ち合わせていない。ティエンの警戒心を和らげるためなのだろう。
しかし、この男の帯には双剣が差さっている。それが先ほどの騒動を招いた。
(良くも悪くも裏表がないってとこかな。カグムの方が難癖あるな)
かつての近衛兵は、片膝をついて、ティエンの食事の様子を見守っている。
目が合うと、含みある笑みを向けてきた。食えない笑みだ。ユンジェは肩を竦める。
「間諜の首領はどなたでしょうか?」
二個目の白梨を平らげた頃、ティエンが話を切り出した。それは今後の方針を決めるための話題であった。
待ち望んでいた展開だったのか、カグムが名乗り出る。此度、将軍タオシュンの兵にまぎれていた間諜の首領は己だと。一年もの間、ピンイン王子を探していた旨も告げてくる。
ティエンにとって笑い話だろう。谷から落としておいて、探していた、など。
奥歯を噛み締める音が聞こえた。
冷静を装って、腹の内は激情がめぐっているのだろう。ティエンの眼には憎悪すら垣間見える。それに気づかないカグムではないだろうに、彼は話を続けた。
「我々は
瑞の天士は瑞獣に仕える神官のひとり。
麒麟の神託を授かり、国の未来と行く末を導く者だそうだ。それは王族ではない。貴族でもない。しかし、地位は高く、政と深く関わる存在だそうだ。
国のことになると、てんで知識が無くなるユンジェだが、重要な役割を担っていることは理解できた。
(間諜は敵になりすまして、様子を探ることだったよな)
要するにカグム達は瑞の天士に命じられ、敵兵になりすましてティエンを探していた、ということだ。それも一年を要して。
天士ホウレイのことはティエンも知っているようだ。疑心になりながらも相づちを打っている。
「呪われた王子と呼ばれる私を探し出し、何をさせたいのでしょうか?」
「第三王子ピンインさまに――麟ノ国の王座に就いて頂きたい。それが我々の目的でございます」
途端にティエンが噴き出した。
あまりにもおかしそうに笑う、その顔は人を小ばかにしており、ユンジェは正直好きではない。優しく笑ってくれるティエンの顔が、やっぱり好きだと思う。
「なるほど、目的は
王族の使う言葉とは、とても難しい。
ユンジェは必死に反芻し、忘れないよう頭に叩き込む。また使う機会が出てくるかもしれない。分からないところは、後でティエンに聞こう。
「今の王権に不満でもあるのでしょうか? 謀反は大罪。それを知らぬわけがありませんよね。なにゆえ、そのようなことを。国を亡ぼすやもしれない私に、何を期待しているのです」
「王子は、次の麒麟を誕生させるやもしれないお方なのです」
ユンジェは眉を寄せた。
ティエンが次の麒麟を誕生させる、とは?
「事の発端は、三十年前に遡ります。天士ホウレイさまは麒麟から神託を受けました」
それは麒麟が寿命を迎えるというもの。
麒麟は千年長生きする瑞獣と口伝えられている。人の身では考えられないほど、永い時を生きていく。
けれども、瑞獣にも寿命がある。
国を守る麒麟も例外ではなく、時と共に老い、千年の節目を迎えると同時に消滅するのだそうだ。
生物には必ず寿命がある。天の生き物であれと、それは例外ではない。
とはいえ、恐れる必要はない。消滅しても、新たな麒麟が生まれる。麟ノ国は守護してくれる瑞獣を失うわけではない。
「しかし、ホウレイさまはこのように神託を授かりました。このままでは、麒麟は生まれない。この国は瑞獣を失い、他国にいずれ攻め入られる国となる。弱国となると」
麒麟は殺生を嫌う、優しい性格の持ち主。なによりも他者を重んじる。ゆえに守護する麟ノ国もそうあって欲しいと切望していた。
だが願いとは裏腹に、近年の麟ノ国は
権力のある者が弱者をねじ伏せる。一方的になる貧富の差。外内では戦が勃発し、人びとは血を流すことが多くなった。
無意味な死が増え、新たな麒麟が生まれるための仁愛が薄れた。
麒麟はそのような国など要らない。守護したこところで、なんの意味を成さない。決して誕生の声は上げないだろう。
神託を授かったホウレイは国の滅亡を予想する。このままでは、麒麟の消滅と共に麟ノ国も消える。
神官として、クンル王に申し出た。どうか、仁愛溢れる国に尽力を注いでほしい、と。
一見、助言として受け取られた、それは流された。状況は何も変わらず、いや、それどころか国は今以上に荒み、時だけが経った。
「十八年前、麒麟から神託は途絶えました。同時期、王族を揺るがす出来事が起こります。ピンインさまの御誕生です」
それはほぼ同時期であった。
麒麟の加護を受けられず、国に不幸ばかり呼ぶ第三王子に、ホウレイは瑞獣と何か深い関わりがあるのではないかと思い始める。
「二年前、ホウレイさまは久方ぶりに神託を受けました。麒麟は告げたそうです。十八の節目に瑞兆と凶兆が生まれるであろう、と」
まぎれもなく第三王子の歳の数と一致した。
ホウレイはやはり、瑞獣と第三王子は深い関係があるのだと思い、クンル王に知らせた。それを聞いた王は命じた。十八となる日に第三王子を討てと。
関わりがあるだけと言っただけなのに、クンル王は瑞兆と凶兆に過剰反応した。とりわけ後者を懸念し、我が子の亡き者にするよう強く命じた。
ホウレイが止めると、謀反を疑われ、牢で
クンル王は先代に続き、
以前より不信感を抱いていたホウレイは王宮を去り、同志を募って新たな麒麟の誕生を模索する。王族が滅びようとも、国を亡ぼすわけにはいかなかった。
「ホウレイさまには星読の力がございます。それにより、貴方様の生存を確信したのです」
一年の月日を費やし、ついに天士は居所を突き止めた。
だが、それはクンル王の耳にも入り、第三王子ピンインの生存を知ってしまう。なんとしても、クンル王の兵が捕らえる前に保護しなければならない。
天士ホウレイとクンル王の攻防戦が始まった。
「ホウレイさまの動きは既に知られており、謀反人の烙印を押されております。それは我々も同じこと。罪は承知の上で、謀反の準備は整えております」
残る問題はピンイン王子だとカグム。
瑞獣と深い関わりがある王子を、天士ホウレイの下へ連れて行くことができれば、すべての準備は整う。
「麟ノ国第三王子ピンインさま。天士ホウレイさまは、貴方様を次なる国王とし、仁愛溢れた国を目指したいとお考えなのです。瑞獣と深い関わりがある、貴方様ならば新たな麒麟を誕生させることができるのではないか、と」
長ったらしい語りに耳を傾けていたティエンは、片眉をつり上げ、薄い反応を見せる。その顔は不快感で溢れていた。
それもそうだろう。
今まで陰口を叩かれ、罵声を浴びせられ、死を望まれていたのに、手の平を返したように、必要とされる。目の前には己にとどめを刺した近衛兵。あまりにも都合が良過ぎる。
辛抱強いユンジェとて、嫌味の一つでも吐きたくなる。
「何を目論んでいるかと思えば、吐き気のする話だな」
ティエンの口調が荒くなった。
王子ピンインとして悪態をついているのだろう。どうしても、我慢がならないのだろう。一年間、溜まりに溜まった怒りと鬱憤をぶつける。
「クンル王に不満があるのなら、王位継承権を持つ第一王子、第二王子の兄達に相談すればどうだ。私は王族を追われた身。王座とは無縁だ」
瑞獣と深い関わりがある、などと憶測で物申されても迷惑だとティエン。
新たな麒麟を誕生させるかもしれない、そんな薄望みを寄せられたところで、自分には何もできない。今まで麒麟の加護を与えられなかったのだから。
タオシュンの一件で、ようやく麒麟から加護を与えられ、他の王族と同じ位置に立つことができた。
その程度の身分だと突き返し、強い不信感を面に出す。
「どうせ天士ホウレイの下へ連れて行き、利用価値が無くなれば、首を
「とんでもございません。ピンインさまのことは、『最後』まで護衛させて頂きます」
最後を強調されても、それは嫌味にしかならないだろうに。ユンジェは呆れてしまう。
「誰が貴様らを信用しようか。私の命を脅かし、声を奪い、逆心した兵士達を、どう信用しろと。勝手に死を望んでおきながら、利用価値が出た途端、必要とするなど笑止。私には関係のない話だ」
彼の怒りは止まらない。ティエンはユンジェと正反対で、ここぞと心を吐き出した。我慢が苦手と自称するだけある。
ユンジェは冷め始める料理を見つめた。
彼は言っていた、王族時代の己は生かされていたと。こんなに贅沢な食い物があっても、綺麗な衣を着ることができても、温かな寝床があっても、生きる実感が湧かなかったと。
彼は常に思惑や都合に、翻弄されていたのだろう。
「お怒りはご尤もでしょう。しかしながら、ピンインさまには我々と来て頂きたい。天士ホウレイさまが貴方をお待ちしております」
「断る、といえばどうする」
「無礼を承知の上で、少々手荒なことをさせて頂きます」
ちらりとユンジェに視線を投げてくるカグムは、なんて卑怯な手を使ってくるのだろうか。彼はティエンの弱点を見抜いている。
「どうぞ、ご賢明な判断をお願い申し上げます。我々も王子を傷付けたくございません」
深く頭を下げてくるカグムに、ティエンの怒りは最高潮に達する。白い肌が見る見る紅潮した。下唇が切れてもなお、噛み締めている。
なるほど、ここには『王子』の味方はいれど、『ティエン』の味方はいないのか。不幸が起これば呪われた王子のせいとし、これからの不幸を予期すれば呪われた王子に重荷を背負わせる。それはとても悲しい話だ。
(タオシュン達から逃れても、結局ティエンは囚われの身か。俺達は生ぬるい牢に飛び込んじまったんだな)
彼は本当に孤独な立場にいると思った。
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