第24話

-翌日


「麗愛那ちゃん、おはよう。」

「あれ?もう朝?」

「昨日は疲れちゃったのか寝ちゃってたし。」

「そういえば、夜ご飯食べんと寝ちゃってた。」

「今日は色々と話することがあるから大変だけどよろしくね。」

「はい。」

「お腹空いてるだろうし、朝ごはん。

お昼前には先生がいらっしゃるから。」

「わかりました。」


入院に必要な物はお母さんと優斗が持って来てくれていた。

ほとんど今は足が動かないから近い物しか取れない。

出来ることも少なくなったし。


-昼


「麗愛那ちゃん、今大丈夫かな?」

「はい。」

「お昼ご飯、食べた?」

「はい。」

「これからのことなんだけど、明日の午後から歩く為のリハビリが始まるからね。

リハビリは日によってする時間が違うから、前日には連絡することになってます。」

「わかりました。」

「今日までは自由にしていいからね。」

「はい。」


-20分後


「麗愛那、入るよ。」

「優斗。」

「調子は?」

「大丈夫。」

「先生に言われた。

今日は病院内で自分の好きなようにさせてあげてって。」

「先生が言ってたの?」

「うん。」

「そうなんだ。」

「今日はどうする?」

「有紀さんのとこに行きたい。」

「わかった。」


-11階の病棟


「麗愛那ちゃん!どうしたの?」

「有紀さん、部屋にいてる?」

「いてるわよ。」

「ありがとう。」


-病室


「姉ちゃん。」

「優斗、麗愛那ちゃん。」

「有紀さん。」

「麗愛那ちゃん、調子は大丈夫?」

「大丈夫です。」

「ごめんね、来てもらって。

今からリハビリなの。

よかったら来る?」

「大丈夫なんですか?」

「全然、いいわよ。」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」


-リハビリテーション室


「ここ、久しぶりに来た。」

「麗愛那ちゃん、じゃあ頑張ってくるね。」

「頑張ってください。」


「なぁ、優斗。」

「ん?」

「私、全てを受け入れる。」

「全てを受け入れるって?」

「有紀さんを見て、思ったの。

何も弱音を吐かずに頑張ってるのを見て、私も頑張らなきゃなって。」

「そっか。

前もなんだかんだで頑張ったし、出来るよ。」

「うん、頑張る。」


-1時間後


「有紀さん、お疲れ様です。」

「今日は1番頑張れたよ。

ありがと。」

「私も頑張ります。」

「頑張るって言ってほしかったからリハビリ室に来てもらったの。」

「え?」

「理由は秘密。

私も出来る範囲でサポートするから、頑張ろ?」

「はい。」

「じゃあ、戻ろっか。」


-病室


「最初、倒れた時に何が起こったのか全然わかんなくてただ誰かを呼ぶことしか出来なかったの。

あとから脳梗塞って聞いて、あの薬を飲んでいてもなりやすい可能性は高いんだって。」

「私も退院する時に聞いて気をつけて生活しなきゃって思ってたけど、こんな早くになっちゃうとは思わなかった。」

「でもまだ病院で倒れたことが不幸中の幸いというかね。」

「藤川先生も奇跡だって言ってたし。」

「姉ちゃん、麗愛那は大丈夫だって。

前も色々あったけど頑張ってたし。」

「そうだね。」

「優斗、そういや学校には言ったの?」

「あぁ、お前のお母さんが言ったって。」

「りりは?」

「りりちゃんには俺から風邪ひいて休んでるって言った。

お前に聞かんと本当のこと言ったら怒るやろうから。」

「明日、月曜日でしょ?

学校終わりに連れてきて。」

「わかった。」

「麗愛那ちゃん、もうすぐ18時だし戻ったほうがいいんじゃない?」

「もう18時なんだ。

じゃあ今日は帰ります。」

「また明日ね。」

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