第15話

-翌朝


「麗愛那ちゃんおはよー。」

「おはよー。」

「昨日言い忘れてたけど今日はリハビリないからね。

毎日やってたら余計にしんどいからねって先生が言ってたし。」

「そうなんだ、じゃあ今日は自由なんだね。」

「どこか行く時は呼んでね。」

「はーい。」


今日は土曜日。

朝ご飯も済ませ、やることがなくなった私。

面会時間は13時からだからひま。


「携帯で動画でも見よっかなー。」


良いのか悪いのか、気がつけば12時になっていた。


「麗愛那ちゃん、お昼持ってきたわよー。」

「はーい。」

「またあとで取りに来るわね。」

「はーい。」


大食いと言われる私だけど、入院してから食事が病院食になったことで体重がすでに5kgも減りました(笑)

事実上のダイエット(笑)


-30分後


「食べたー?」

「食べたよー。」

「じゃあ持っていくね。」

「はーい。」


この時間がやっぱり暇(笑)


-1時間後


「麗愛那、おる?」

「りり、おるよ(笑)」

「今日、優斗くん遅くなるんだって。」

「何かあったの?」

「わかんないけど、ちょっと遅くなるって。」

「そうなんだ。」

「今日は何もない日?」

「そう、今日はリハビリない日って言ってたしめちゃくちゃ暇でさぁ。」

「どうする?中庭でも行く?」

「行きたい!」

「じゃあ、言ってくるね。」

「ありがと。」


「OKだって。」

「よかった。」

「どうしたらいい?」

「車いすと棚から羽織るもの取ってもらっていい?」

「はい、どうぞ。」

「ありがと。」

「1日のリハビリでも立ててるじゃん。」

「それは思った。

やっぱりちょっとは違うね。」

「じゃあ押すね。」

「ありがと。」


-中庭


「やっぱり外はいいわー。」

「今日は暑くもないし寒くもないね。」

「コンビニで飲み物買いたいんだけどいい?」

「OK、じゃあ行こ。」


-10分後


「あ、優斗。」

「ごめん、遅くなって。」

「よくここにいることわかったね。」

「病棟の人が教えてくれたし。」

「そうなんだ。」

「それにしても何で中庭に来たん?」

「私が中庭行く?って誘ったの。」

「そうなんや。」

「今日ね、リハビリがないから少しでも動きたかったし。」

「今日、ないん?」

「そうやねんて。」

「へぇー。」

「そういや、りり。」

「ん?」

「告白された件、どうなったん?」

「あ、言ってなかったね。

付き合うことにしたんよ!」

「マジ!?」

「今度改めて紹介するわ(笑)」

「はーい(笑)」

「あのさ、あとで麗愛那の部屋で勉強していい?」

「いいよ。

じゃあ戻る?」

「うん。」


-病室


「今、何の勉強してんの?」

「今度さぁ、英語のテストがあるねん。

麗愛那、英語教えてー。」

「得意ちゃうって(笑)」

「そうやった(笑)」

「点数悪かったら居残りとかあんの?」

「ないけど...。」

「なら、大丈夫やって。

私なんか今の授業わからんのに。」

「先生に教えてもらってなかったっけ?」

「教えてもらってるけど、わかんない(笑)」

「なんじゃそりゃ(笑)」

「あれ?優斗は?」

「ちょっと買いたい物あるから出かけた。」

「そう。」

「麗愛那、おやつにさぁケーキ食べよ?」

「いいの?」

「ちゃんと聞いたから大丈夫。」

「やったー!」

「優斗くん、いいよー。」

「えっ?」

「麗愛那、誕生日おめでとう。」

「2人とも...、ありがとう。」

「ちょっとでも辛い気持ちが消えてほしいから。

これ。」

「俺からはお揃いのネックレス。」

「私からは麗愛那が好きな色のアクセサリー。」

「ありがとう。

それにしてもよく覚えてたね。」

「大事な日を忘れる人がいますー?」

「ごめん(笑)」

「でもね、プレゼントはこれだけじゃないんよ。」

「まだあるの?」

「麗愛那が退院したら、好きなとこ連れて行ってあげる。」

「ほんとに?」

「もちろん。」

「じゃあ、東京行きたい!」

「よし、わかった。」

「ありがとう!」


今までの誕生日の中で1番忘れられない日になりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る