第13話
「んっ...。」
「麗愛那?」
「優斗...。」
「よかった、ほんまに心配したんだよ。」
「ごめんね。」
「1週間も起きへんかったんやで?」
「1週間も?」
「だいぶ落ち着いたからこっちに戻ってきたんやで。」
「私ね、あるとこを彷徨ってたの。
真っ暗で何もない所。」
「え?」
「そして明るい場所を見つけたの。
そこがこの部屋だった。」
「よく見つけたな。」
「戻ってきたかったんだもん。」
「ちょっと飲み物買いに行くわ。」
「うん、もう少し休んでるから。」
「わかった。」
少し眠ることにした。
-1時間後
「麗愛那。」
「んっ、何?」
「りりちゃん、病院の玄関まで来たって。」
「そっか。」
「体調大丈夫か?」
「まだ怠さはあるけど大丈夫。」
「ベッドはそのままでいい?」
「うん。」
「わかった。」
-10分後
「麗愛那。」
「りり。」
「よかった、心配したんだよ?」
「ごめんね。」
「大丈夫ならいいのよ。」
「ありがと。」
「あ、もうすぐ担任来るわ。」
「え?」
「失礼します。」
「先生。」
「久しぶりやな。」
「先生、タイミング良かったですね。」
「どういうこと?」
「麗愛那、1週間前に術後感染症を発症したんです。
だいぶ落ち着いたのは落ち着いたんですけど。」
「大丈夫?」
「まだ怠さはあるんですけど、大丈夫です。」
「悪いタイミングに来てごめんな。」
「全然大丈夫です。」
「学校のことは心配しないで。
学校側も考慮はしてくれてるから。」
「よかった。」
「私らはずっと待ってるから。」
「治療頑張ります。」
「クラス全員、応援してるから。」
「はい。」
「じゃあ、また来るね。」
「ありがとうございました。」
「よし、早く元気になるように頑張るぞー。」
「ファイト!」
「明日にはうるさいくらい元気になってるわ(笑)」
「うわぁ、それは面倒(笑)」
「えー(笑)」
私は色々な経験でわかったことがある。
生きることがどれだけ幸せで大切なことか。
病気で生きられない人だっている。
なのに簡単に死にたいとかは1番嫌だ。
生きられない人の分まで生きることが私たちの使命だと思う。
-午後7時
「じゃあ、今日は帰るね。」
「うん、ありがとう。
明日は元気だから心配しないでよねー。」
「期待してまーす(笑)」
「何を喋ってたの?」
「話聞いてたの?」
「聞いてないよー(笑)」
「ウソだ(笑)」
「そうそう、明日有紀ちゃんが会いたいって言ってたけど?」
「ほんとに!?
じゃあ、有紀さんに伝えといて。」
「了解。
じゃあ、もう寝なさい。
ちょっとは疲れてるでしょ?」
「はーい。
おやすみー。」
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