第11話
-火曜日
ついに手術の日が来た。
もう信頼して望まなきゃ。
「麗愛那、大丈夫だからね。
麻酔で寝て、起きたら終わってるから。」
「うん。」
「じゃあ、麻酔始めるね。」
麻酔薬を入れ始めた瞬間、眠たくなった。
そして次に起きたのは夜の20時45分だった。
イメージしていたことと違うことに気がついた。
何故か左向きに寝て、人工呼吸器が挿入されていたこと。
徐々に麻酔がきれてきたのか呼吸しにくくなる。
「起きたー?
呼吸器取るねー。」
ただ取るだけなのに余計に苦しい。
「はい、取ったよ。
今のとこは問題ないみたいやね。
定期的に様子見に来るから何かあったら言ってね。」
喉がかすれて声が出ない。
もう夜なら寝なきゃいけないけど、寝れない。
オールとかしたことないし...。
頑張って寝ようとはするけど、そうするうちに朝になった。
-朝
「おはよう、やっぱり寝れなかったね。」
「はい。」
「今日はね、11時くらいに病棟移動するからね。」
「はい。」
「その前に体拭こうか。」
何もすることが出来ないってこのことなんだね。
-午前11時
「麗愛那ちゃん、今から移動するからね。」
「はい。」
-HCU
「麗愛那ちゃん、何かあったらここにボタン置いてるから押してね?
ベッド起こす?」
「起こしてください。」
「はい、これくらいで大丈夫?」
「ありがとうございます。」
今になって眠たくなってきた(笑)
-午後3時
「おはよ(笑)」
「寝ちゃってた(笑)」
「外で友達が待ってるみたいだけど、入ってもらう?」
「お願いします。」
「麗愛那。」
「りり、優斗。」
「お疲れ様。」
「ありがとう。」
「昨日、手術が終わった頃に来たけど特別に集中治療室入れさせてもらったんよ。」
「それ、何時頃?」
「15時くらい。」
「めっちゃ恥ずかしい顔しとったよなー。
だって起きたの21時前やったし。」
「寝顔見たで(笑)」
「めっちゃ恥ずかしい...。」
「そうや、いるやろなって思って携帯とテレビカード持ってきたで。」
「ありがとー。」
「ご飯食べた?」
「そういや、昨日から何も食べてない。」
「え!!」
「昨日、麻酔から覚めてもお腹空かなかった。」
「麻酔ってすげーな。」
「私も思った。」
「今は?」
「全くお腹すいてない(笑)」
「ほんと、麻酔は凄いわ。」
「そうだ、テレビカード挿しといて。」
「OK。」
「これからはリハビリでしょ?」
「そう、これからが大変なんよねー。」
「一緒に頑張ろな。」
「うん。」
「どっかしんどいとこない?」
「腰が本当に痛い(笑)
動かしたいけど、力入れたら痛い。」
「ゆっくりしな。」
「なんかさぁ、やらないと落ち着かない...。」
「麗愛那の性格だからね(笑)」
「もぉー、痛い!」
「ビックリしたぁ(笑)」
「あ、ごめん(笑)」
「どうしたの?」
「腰が痛くて。」
「ゆっくり向きたい方向に向いて?」
「いつになったら下の病棟に戻れる?」
「それは先生が言ってくれるわ。
もうすぐ先生が来るし。」
「呼んだ?」
「先生。」
「いつ下に戻れるかって?」
「聞いてたんだ...。」
「明日には下に移動出来るよ。」
「そうなの?」
「でも戻ったらリハビリがあるよ。」
「わかってる。」
「もう今日はゆっくりしときなさい。
あと、首の点滴は外すわ。」
「首に刺さってたの!?」
「今気づいたの?」
「全然感覚なかった(笑)」
「そうなの(笑)
取ったわよ。」
「ありがと。」
そしてこの日は早めに休むことにした。
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