第10話
-午前8時
「麗愛那ちゃん、おはよ。」
「おはよー。」
「朝ご飯食べといで。」
「はーい。」
-30分後
「麗愛那、おはよ。」
「お母さん、何で今来たの?」
「先生に呼ばれたからよ。」
「え?」
「失礼します。」
「先生。」
「この前の検査結果も踏まえたことなんですが、私たちで検討した結果なんですが来週の火曜日に手術することが決まりました。」
「わかりました。」
「月曜日には手術内容等を説明したいので夜にお越しいただくことは出来ますか?」
「わかりました。」
「それでは失礼します。」
「お母さん、仕事でしょ?」
「麗愛那、でも...。」
「お願い、1人にさせて。」
「うん...。」
予想はついていたけど、やっぱり手術が決まるとなると怖い。
恐怖心からか、涙まで出てきた。
「麗愛那ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫だけど、涙が止まらないの。」
「誰だって手術は怖いわよ。
怖くないって人が珍しいわ。」
「検査の時に予想外だって言葉が聞こえてね、それ以降本当に怖かったの。」
「そうなんだ。」
「あのね、2人には来ないでって言っといて。」
「う、うん。
また何かあったら呼んで?」
「うん。」
それから私は疲れるまで泣き続けた。
「麗愛那ちゃん、起きた?」
「私、寝ちゃった?」
「もう15時よ。」
「寝ちゃったね。」
「あの2人には言ったんだけどさ、落ち着くまで待ってるって言ってるの。」
「えっ...。」
「まだ待ってると思うわ。」
「私から行くわ。」
「ラウンジにいるわ。」
「ありがとう。」
-ラウンジ
「りり、優斗。」
「麗愛那。」
「来ないでって言ったよね。」
「ごめん、でもね頼ってくれないと私たちも嫌なの。」
「...怖いの。」
「え?」
「手術が怖いの。」
「麗愛那、俺らが言える立場じゃないけど大丈夫だから。
言っただろ?麗愛那と一緒に最後まで戦うって。」
「優斗...。」
「そうやで、大丈夫だよ!」
「きついこと言ってごめん。」
「誰だって怖くなる時あるって。」
「うん。」
「もう部屋に戻り?
また、しんどくなってまうし。」
「ごめん、車いす持って来てくれへん?」
「OK。」
「どうした?」
「麗愛那?」
「この前と同じ症状や。」
「優斗くん、どういうこと?」
「この前、急に意識失いよってん。
すぐに意識が戻ったらいいねんけど。」
「とりあえず、部屋に戻る?」
「とりあえず戻ろうか。」
-病室
「え、こいつめっちゃ軽なっとる。」
「あ、ごめん...。」
「麗愛那、起きた?」
「私、また?」
「また失神したから、とりあえず部屋に戻ってきたで。」
「まだ、どっかにぶつけんかったのはよかった。」
「ありがとう。」
「横になっとき。」
「うん。」
「帰る時に言っとくね。」
「ありがと。」
「麗愛那、お母さんから聞いたよ。」
「手術の日でしょ?」
「うん。」
「来週の火曜日なんだね。」
「うん。」
「私ら手術の日、終わった頃に来るね。
どうだったか聞きたいし。」
「うん。」
「頑張れよ。」
「うん。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます