第4話
「麗愛那、2年は一緒のクラスやな。」
「うん、よかった!」
「りりちゃんは、違うクラス?」
「それがね、一緒なの。」
「よかったじゃん。」
「あ、そうだ。」
「ん?」
「今日ね、病院行かなきゃいけないの。」
「病院?」
「うん、検査でね。」
「どっか、体悪かったっけ?」
「それでね、放課後に話があるの。」
「わかった。」
-放課後
「優斗、ごめんね。」
「話ってなに?」
「私ね、生まれつき心臓に病気があるんだ。
大動脈弁狭窄症。
病気が進行するにつれて、症状が酷くなるんだって。
今は症状はないんだけどね。
症状が出始めたら手術を考えなきゃいけないんだって。」
「なぁ。」
「え?」
「何でそんな大事なことを言わなかったんだよ。
俺がそんなことで嫌いになるとでも?」
「そう思ってた。」
「アホか、そんなわけあるか。
優紀は知っとるんか?」
「知ってる、私が誰にも言わないでって言ったから。」
「これから隠し事なしやからな!」
「うん。」
「これから病院だろ?
俺も一緒に行く。」
「いいの?」
「もちろんや。」
「ありがとう。」
-病院
「先生。」
「麗愛那ちゃん、今日は1人?」
「違うよ、私の彼氏が一緒。」
「え?」
「一緒に来てくれたの。」
「そうなんだ。」
「さっきね、病気のこと全部話したの。
何で早く言ってくれなかったんだって怒られちゃったけど(笑)」
「今、外にいるの?」
「うん。」
「じゃあ、私からも話して大丈夫?」
「大丈夫。」
「了解、じゃあ呼んでくれる?」
「わかった。
優斗、先生が呼んでる。」
「俺を?」
「うん。」
「わかった。」
「失礼します。」
「あなたが麗愛那ちゃんの彼氏さんね。」
「はい、藤井優斗です。」
「麗愛那の病気、全部聞いたのね。」
「はい。」
「麗愛那がどう話したかわからないけど、言った話が全てなの。」
「はい。」
「手術は絶対にしなきゃならないからね。」
「そうですか。」
「じゃあ、検査するから待ってもらっていい?」
「わかりました。」
-1時間後
「優斗、おまたせ。」
「じゃあ、帰ろか。」
「うん。」
「優斗、心配ないからね。」
「え?」
「手術したら心配ないんだから。」
「うん...。」
「実はね、症状はないって言ったけど違うの。」
「症状があんの?」
「動悸。
最近、出始めてね。」
「それ、先生に言わんかったんか?」
「うん。」
「言わなあかんやろ。」
「わかってるよ、でも言ったら手術が早まるかもしらんし。」
「いや...。」
「ねぇ、これは私の好きなようにさせて?」
「いや、でも...。」
「お願い。」
「う、うん。」
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