白夜の薔薇20 ところで舞は何でそんなに歴史に詳しいの、いまモデルをやっているんでしょうと友達にたずねると、


白夜の薔薇20


ところで舞は何でそんなに歴史に詳しいの、いまモデルをやっているんでしょうと友達にたずねると、

話してなかったつけ、実は去年までは、モデルやっていたんだけど、考える事があって、


ツアーコンダクターの学校に行っているのよ、今日は奈々にお客さんになってもらって実戦の訓練をしている

んだよと楽しそうにわらっています。


そうかー、いいなあ、舞はいつも夢をもって生きているんだねと言うと、ニコニコわらいながら今日一日

わたしのお客さんになって付き合って、あそこに見えるのが長崎造船所だよと言うので、何があるのと尋ねると

、近代の歴史があるのよ、


あそこの造船所で65年前に戦艦大和の姉妹艦、戦艦武蔵が建造されたのよ、あの時代に最大排水量7万2千トン

、最大速力28ノット(時速50キロ海上では相当早い)、43センチ砲9門、最大射程距離40キロの世界最大の


戦艦だったの、でもフイリピンのレイテ沖海戦にてアメリカ軍の飛行機の猛攻により撃沈され、1300人が

船と運命をともにしたんだよ、当時は浮沈艦と言われていたけど沈まない船なんてある訳ないよね、


あの浮島ドックで建造したの、外からまる見えになるので秘密保持の為この丘も立ち入り禁止になり完成する

まではあのドッグが見える場所は全て軍隊に封鎖されていたのよ。


広島の呉造船所で建造された戦艦大和も戦争末期、アメリカ軍に占領されていた沖縄に、片道の燃料で無謀

にも沖縄の海岸に乗り上げて攻撃する、メチヤクチヤな作戦に投入され鹿児島の坊の岬沖でアメリカ軍の


飛行機の猛攻で撃沈され3000名が亡くなったんだよ、だからいろんな人に歴史を知ってもらい、二度と

戦争を起こしてはいけない事を伝えたいの、


でわ次はグラバー邸に案内しま~す、坂本竜馬はグラバーとは親しい付き合いをしていたの、竜馬が

グラバーの履いていたブーツを見て機能性の高さを感心すると、グラバーはブーツと6連発の拳銃を

竜馬にプレゼントしたのよ


竜馬はチョンマゲに刀を差し、ブーツをはいたヘンテコリンの格好で江戸・京都を何度も往復したんだよ、

ある時仲間が竜馬の外国かぶれをなじると、江戸・京都を往復するには沢山のわらじ(わらで編んだ履物)

が必要だろう、ブーツは一つあれば、なん往復も出来るから安上がりなんだよと笑っていたそうなの


竜馬は高知の土佐生まれなんだけど、私費で江戸へ剣術の修行に行くことになり、お玉が池(神田の岩本町)

の千葉周作の道場に入門し、あっと言うまに免許皆伝となり、師範代になったのだが、その時、浦賀沖に


アメリカのペリーが来航し、それを見に行って蒸気で動く船と大砲にびっくりして、外国の文明に衝撃

を感じ、貪欲に知識を吸収するようになるのよ


ある時千葉周作の息子が勝海舟は裏切り者だから殺そうと竜馬に持ちかけた、竜馬は困ったがともかく

勝海舟に会いに行く事になり、尋ねると、いとも簡単に面会に応じた、すわるなり、


海舟はおまえさん達は私を殺しにきたんだろう、と言うと目の前に地球儀を差し出し、日本はどこにある

かわかるかと尋ねた、わからないのでどこだと聞くと、片隅のちいさな点を指差しここだよ、言い


世界にくらべればこんな小さな点にしかすぎない、小さな国だから、外国の知識を学び、軍艦・大砲を

作り、外国にまけない力をもたなければ滅亡するよ、君たち若いもんが学び力をつけ外国をおっぱらった

後なら何時でも私を殺しなさいと言ったそうなの


竜馬と周作の息子は感心しさっそく弟子にしてもらい、外国の知識を幅広く海舟から学び幕末に活躍する

下地となったの、竜馬はいろんな人に会い、いいとこを吸収し何事にもこだわらない柔軟な性格をして

いたんだと思うわ、


いままで一生懸命磨いた剣術をさっさと捨て、懐にはいつも6連発の拳銃をしのばせ、何回も危機をくぐり

ぬけるのよ、そんな竜馬の足跡が沢山あるから案内するよと言うと、次は円山町に行きま~すと小走りに

走りはじめました。


しかし、ものかげから様子をうかがう3人の男たちがいる事を2人は知らない、奈々を抹殺すべく機会を

伺う藤堂の部下達である。




















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