白夜の薔薇16 そのころ高杉は横浜の別邸で宇宙船のレプリカを作るべく、知り合いの船の設計技師と話をしていた、


白夜の薔薇16


そのころ高杉は横浜の別邸で宇宙船のレプリカを作るべく、知り合いの船の設計技師と話をしていた、

絶対、宇宙船のレプリカだと解らないように、製造会社に注文するにはどうすればいいうかと訪ねると、

全体を8等分して別々の会社に注文し、内容はアニーズメント、ランドにだすドーム型のイベント

会場だと言えば不審がられる事はないよと答えた。


しかし何に使うのときくので、君だけには話すけど絶対口外しないようにと、念をおし、実は噂になって

いる、宇宙船を破棄するのだが、アメリカ、ロシアに回収される恐れがあるのでレプリカを日本海溝の

深海流で爆発させ廃棄したように見せかける為だよ


回収は不可能だが、アメリカ、ロシアの事だ、回収方法を研究しているに違いない、とんでもない

方法で回収するかも知れないので、念のためだよ

本物は廃棄せずどこかに隠しておくか、回収不可能の宇宙空間へ廃棄にいくか、どちらかを検討して

いるんだよ、宇宙空間が一番いいんだが、宇宙船に乗って廃棄にいけば二度と地球には戻れないし

頭の痛いところだよ



まあ、それは後で考える事にしてとりあえず、君の言う方法を取ろう、早速設計に入てくれ、

ところでどのくらいで、出来上がるかと聞くと、レプリカだから彼は設計を含めて2月もあれば出来るよ

との事である、


レプリカは動かないどうやって日本海溝に持って行くのと聞くので、宇宙船にぶら下げて持って行くんだよ

宇宙船はステルス装置がついているので見えない、外からみればレプリカが自力で動いているように見えるよ

と言うと、なるほどと彼はうなずいた。



その時高杉の携帯電話がなり、奈々からである、藤堂と加来三佐がへりと一緒に海上に墜落したと話したが、

高杉はしぶとい二人だから、死体が上がらないうちは油断できないと言い、奈々も私もそう思うと答えた


総理が宇宙船の廃棄について話したいので、明日総理官邸に来てほしいと言っているとの事なので

解りました、明日伺いますと伝えてください返事をした。


しかし次の日政局を動かす、とんでもない事件がおこったのだ、

それは自衛隊の空幕僚長がある雑誌に先の戦争は侵略戦争ではなかったのではないとの政府見解とは違う

論文を発表していたのが発覚し、マスコミが一斉に報じたため、野党は総理の責任を追及する、のろしを

上げ政局の混迷は避けられない状況になって来たのだ。



空幕僚長は侵略戦争ではないと断言したわけではないのだが、格好のスキャンダルととられてしまったので

ある、

戦争自体は肯定する事はできないが、戦後言われのない戦争犯罪人として有罪になった人が沢山いた事を

忘れてはいけない、


捕虜に沢庵とごはんを食べさせただけで、腐った大根を食べさせた、これは捕虜虐待であると有罪になった

人もいたのである


またインドネシア半島、当時北はフランス、南はオランタの植民地であったが、日本軍が侵攻し解放した

時の統治司令官の今村均中将は善政をしき、大本営から強圧統治にするように再々圧力がかかったが

ガンとして受け入れず、最後まで抵抗したが、戦後敗戦国の司令官として禁固刑になる


かれは一言の弁明もせず、全ての責任は自分にあると罪を受け入れた、将官は日本で服役する事になったが

現地に自分の部下が収容されているので自分も現地の刑務所に収監するよう、要請した

認められ、まんぞくな食べ物も与えられていない事を聞き、日本から、米をはじめ沢山の野菜等のタネを

持参し、開放されるまで、現地で率先して食べ物をつくり、何人もの人の命を救ったのである


さらに開放されて自宅に戻ったとき、この戦争で多くの人が亡くなったのに、自分だけ暖かい家に入る

わけにはいかないと、自宅の庭に小屋を建て死ぬまでそこで暮らした、心根の優しい軍人もいたのである


また捕虜を刺し殺せと命令を受けたが、どうしても殺すことができず、腕を刺した、一兵卒が戦後捕虜

虐待の罪で死刑宣告を受けた事も事実であり、わたしは貝になりたい、と言う題名で戦後映画にもなって

おり、今回、再映画化されている。



空幕僚長はこのような事を言いたかったのだろうが、何と言っても公の立場で言う事では無いかもしれない


笹岡は伝家の宝刀である解散総選挙をやるか、退陣するかの二つに一つの道をとるしか無くなったのである

、今解散総選挙をやれば民権党は惨敗する事は目に見えており、野党が政権を握れば、宇宙船の廃棄は絶対

するはずが無く、宇宙船を盾てに世界と対抗しかねない、


自分の手で廃棄できないのは残念だが、しかたなく笹岡は退陣を決意し、翌日退陣の記者会見を開いた。


次の日笹岡は高杉に電話で、次の総理にも破棄が実行されるまで、解散総選挙はしないよう頼んでおくので

準備を急ぐよう依頼した、又北朝鮮の李紅将軍と血がつながっている事を話し、もう一度会ってみたらどうか

と言った。


もう一刻の猶予もない、最悪は自分が宇宙船にのり、宇宙空間に破棄に行くしかなくなるかもしれないと

思ったのである。

宇宙船がアンドロメダ星雲の13惑星から来たとすると、この銀河系のどこかにブラックホールがあるはず

である、それを逆にたどる方法があるかもしれないが、行って見なければわからない。































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