白夜の薔薇14 わかしおの艦長は、ソナー員に不明物体は潜水艦かと尋ねると、間違いありません、スクリュー音 を確認しましたと言い、


白夜の薔薇14


わかしおの艦長は、ソナー員に不明物体は潜水艦かと尋ねると、間違いありません、スクリュー音

を確認しましたと言い、

敵は魚雷発射菅を開いているかと尋ねると、いや開いておりませんと答えた、通信参謀、国際通信

周波数でコンタクトとれと命令した、通信員が呼びかけたが、返答はなしない


スクリュー音を録音しろ、潜望鏡深度まで浮上し防衛省のメインコンピータにアクセスし解析をいらいする、

ベント閉め上げ角5度と命令し、潜水艦はゆっくり浮上した、


人間の声紋と同じでスクリュウーの推進音も同じものは二つとない、このため各国の海軍は敵の

スクリュー音を録音し、コンピューターに記録し、照合すれば大体わかるのである、日本の自衛隊

もアメリカを始めロシア、中国、北朝鮮、フランス、などのデータを防衛省のスーパーコンピュータ

に登録してあり、録音データを送れば5分以内に識別可能であった



データを送ってすぐ、ソナー員が10時方向にもう一隻潜水艦を探知しました、スクリュー音を録音

しますと言う、録音終わるとデータをすぐさま転送した、

艦長はクルーザに注意するように連絡すると、クルーザの船長は当船も2隻の潜水艦らしきものを

確認している、援護を宜しく、これから総理に報告すると言った、



すぐに防衛省の中央情報センターから、先のデータはアメリカの原子力潜水艦シカゴ、後のデータ

はロシアの通常型潜水艦カチューシャであると返信してきた、


艦長はやれやれ、超大国がわざわざ追尾しなくても、クルーザは海上を走っているのだから、衛星の

GPSを使えばなんなく位置は知ることが出来るのにご苦労さんだねと、副長に問いかけた

副長は、と、言う事はアメリカさんもロシアさんも、わが国を脅威と思い、仮想敵国にでも格上げした

のですかねと笑った、


その後2隻の潜水艦はユーターンしクルーザの左右3マイルのところを並走して、監視するように走って

いる、笹岡は席を中座しこの報告を受け、鈴木に宇宙船をどこに廃棄するのかを探る任務で追尾してい

るのだろう、


よっぽど上手く廃棄しないと、アメリカかロシアに回収されれば世界の軍事バランスが崩れ、

紛争のネタになりかねなあーとため息をついた。


そのとき追伸で中央情報センターからカチュシャは去年ロシア海軍から退役しており、ロシアが中国か

北朝鮮等の共産圏に譲り渡した、可能性があると知らせてきた、


わかしおの艦長はロシアなら安全だが、北朝鮮だとすると、何をするか解らない、魚雷をクルーザに

発射されれば、わずか300トンの船である、簡単に沈没してしまい、総理は海の藻屑と消えるだろう


クルーザから引き離さなければならない、しかし日本の自衛隊は憲法により、先制攻撃は禁止されており

、武器の使用も総理の許可を得なければならなくなっている、総理は攻撃を受けるまでは許可しないだろう、


攻撃を受けた時は全ておしまいである、艦長は他のことならいざしらず、一国の総理も守れない自衛隊では

ある意味がない、責任を取ればいいのだから、独断で戦うしかないと思った


乗員にロシアの潜水艦は当艦を攻撃する可能性がある、今から戦闘態勢に入る持ち場につけと命令した、

副長がいいんですか、と言うと本官が全て責任をもつと答え、面舵15度、ベント開け、メインタンク、

ブロー、下げ舵10度、全速前進と命令した、おやしおは序々に潜行しロシアの潜水艦の後尾に付くと

一番、二番模擬魚雷装填、魚雷発射菅開け、敵前方1マイル、一番模擬魚雷発射と命令した。


そのときロシアの潜水艦は後尾に付いた、わかしお、から魚雷が発射されるのをソナーで探知しビックリ

した、まさか日本の自衛隊が先制攻撃するとは夢にも思わなかったのである

この潜水艦は秘密組織が第三国を経由し手に入れのである、この潜水艦には藤堂が乗っていた、


艦長はあわてて、取り舵15度と叫んだが舵は総簡単には効かない、ソナー員が真っ直ぐ本艦に向かってきます

、と言うと艦長が衝撃にそなえろという間もなく命中した、本来なら真っ二つに裂けるはずだが、訓練用の

擬似魚雷のため、ガガンと艦を擦っただけである、敵の潜水艦の艦長は冷や汗をかき、不発か運がいいぞ

いまにみておれ、クソーッと叫んだ、


藤堂が自衛隊の威嚇作戦であり、本当に攻撃するハズないから、冷静になるように、なだめるが、聞かない

わかしおの艦長は面舵右15度全速前進と命令し、敵の艦長も同じく面舵15度全速前進と命令し、わかしおを

追尾してくる、わかしおの艦長はそうだ、それでいいんだ、どんどんついてこいよと、副長を見てニャッ

と笑った。


敵の潜水艦は後尾に付くと、本物の魚雷を、わかしお、めがけて2本発射した、わかしおの艦長は、予想して

いたのか、魚雷が発射されると、一瞬早くメインタンク、ブロー、下げ舵15度と命令し、魚雷が艦上を通過

する前に模擬魚雷を発射、魚雷はこれを追尾し爆発した。


そのころアメリカの潜水艦シカゴの艦長も、わかしおが最初に魚雷を発射したのに、ビックリした、

発射したものが擬似魚雷かどうかは判別つかない、不発の魚雷だったとおもっているのである。

わかしおに、味方すべきかどうか迷っていた、わかしおのコンタクトを無視したので、いまさら味方する

と言うのは気が引けているのである。


しかし、クルーザには秘密組織の田代が乗っており、藤堂は連携で何かをしょうとしているのだが、秘密組織

の艦長が頭に血がのぼり、計画はメチャ、メチャになりそうで、藤堂は頭をかかえている

わかしおの、艦長は通常型潜水艦の魚雷搭載数は8本であり、後6本使わせて攻撃不能にする作戦である

そうとは知らず敵の艦長はがむしやらに、わかしおを追っかけ撃沈しょうとしているのである。


実はこの、わかしおの、艦長吉岡は自衛隊では唯一実戦経験をもつ、去年北朝鮮の不審船が日本領海を

侵犯し、海上自衛隊の護衛艦が停止命令をするも、フルスピードで逃走し、やむなく機関砲で撃沈した

事件があったが、そのとき不審船は潜水艦をともなっていたのである。


わかしおは現場に急行し、北朝鮮の潜水艦を補足し、領海を出るよう警告したが、警告を無視し

魚雷をわかしおに発射した、吉川はかろうじてかわし、司令部に攻撃許可をもとめたが、国際紛争をおそれる

司令官は許可しなかったのである


わがもの顔で攻撃してくる、敵潜水艦に吉岡は業を煮やし、ついに攻撃を単独で行い、この潜水艦を撃沈

した、命令無視だから、査問委員会にかけられる事を覚悟したが、発覚をおそれる上層部はこの事件を

にぎりつぶし発表しなかった、


吉岡は今年三佐から二左に昇進の時期だったのだが見送られた、おそらくこの事件のおかげで退役まで昇進

する事はないだろうとまわりは噂している

今回の護衛任務は彼が唯一の実戦経験者のため選ばれたのである。


潜水艦シカゴの艦長も司令部からカチューシャの情報を得ており、自艦が攻撃されなければ、静観するように

命令を受けた、アメリカ国防省は宇宙船を破棄されては困るのである、破棄推進者の笹岡が国籍不明の潜水艦

に攻撃され、死亡すれば破棄をあきらめて保持にまわるであろう、どうしても技術を手に入れたいのである


大統領は破棄を進めた事実をしらしめ、アメリカは平和主義者であるとの印象を世界にアピールしたかった

だけである。


藤堂はしかたなく、潜水艦の艦長に追跡をやめるように警告、従わない場合は撃ち殺すと拳銃を向けた

しかし、この艦の艦長は私だ、私を殺せば艦は動かせないぞとすごんだが、藤堂は引き金を引いた

パンと拳銃音がして艦長はガクッとまえのめりに倒れた、藤堂は今後この艦は私が指揮をする

面舵一杯と命令し、潜水艦は全速でクルーザを追跡した。


クルーザでは鈴木と屯所は相談し、緊急の脱出にそなえる為、海上自衛隊に小型へりを派遣するよう要請した。

笹岡はロシアの潜水艦でなければ、秘密組織の者に違いない、おそらく私を拉致し宇宙船と交換するつもり

だろうと思った、奈々を別室に呼び、秘密組織なら必ず藤堂がいるはずで、この船にも仲間がいるだろう


多分田代がその仲間に違いないと笹岡は言った、奈々はそういえばあの北のなまりは、加来三佐に違いない

死んだと思っていたので気がつかなかったが、

笹岡は藤堂と田代を倒せば世の中は平和になる、私がおとりになるので必ずこの二人を抹殺するように指示した。


もし私になにかあった場合は高杉に宇宙船はだれの手にも渡らないところに必ず破棄するようと、伝えてくれと

奈々に言って、席に戻っていった。


席にもどると、頻繁に中座するので、田代がなにかあったんですかと聞くので、実はわれわれの左右をアリカ

とロシアの潜水艦が追尾し、監視しているんです、危害を加えるつもりはなさそうなので安心してください

、ご足労願ったのは、北朝鮮の李紅将軍について詳しい情報が欲しい為です、知っている事を全て

お話しいただくとありがたいんですがと切り出した。


内閣情報室長の鈴木は、わかしおの艦長にこちらに作戦があるので、手を出さないように連絡した

吉川は了解しましたと答えた。




















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