白夜の薔薇13 日本政府はアメリカの要請により、李紅将軍をアメリカへ引き渡した、アメリカは北朝鮮に とらわれている偵察機のパイロット2人との交換を板門店で行いたいと申し入れし


白夜の薔薇13


日本政府はアメリカの要請により、李紅将軍をアメリカへ引き渡した、アメリカは北朝鮮に

とらわれている偵察機のパイロット2人との交換を板門店で行いたいと申し入れした、北朝鮮は

日本が経済封鎖を解除するなら、受け入れると通告して来た。


しばらくして板門店で捕虜の交換が行われ、李紅将軍は北朝鮮へ戻った、北朝鮮政府は李紅将軍

を更迭しょうとしたが、軍によるクーデータが勃発、逆に政府の反李紅派はことごとく粛清され

李紅将軍が実権をにぎってしまったのである。


李紅将軍は日本に対して強圧な態度で望むのではないかと思ったが、経済封鎖にて国は疲弊しおり、

暴動がおこりかねない状態の為、なりをひそめている。


日本国内の政治家、防衛省のタカ派は李紅将軍が実権を握った北朝鮮からのテポドンによる攻撃

を防ぐ為の大幅な臨時予算を組むよう、笹岡総理にせまり、渋々、笹岡は了承し閣議決定を行い

アメリカより空対空ミサイルを300基を購入し各都市に配備した。


心労の為か総理は倒れ病院に担ぎ込まれ、絶対安静となった、しばくして体調もよくなったが

政治家の長老が体を心配して総理を辞任したらどうかと、笹岡に聞くと、最後の仕事が終わった

ら辞任すると答えた。


最後の仕事とはもちろん宇宙船の廃棄である、バラバラにしてもチタトロンが残っている限り

再生可能である、方法は二つしかない、バラバにして日本海溝に捨てるか、遠い宇宙空間もって行く

かしかないのである


総理は久しぶりに休暇をとり、クルージングに出かける事にした、内閣情報室長の鈴木を呼び警護

の手はずと北朝鮮の内情に詳しい者を連れてくるよう頼み、晴海埠頭から5日間のクルージングに

出発した。


笹岡は海が好きで総理になる前は暇があるとクルージングに出かけたのだが、総理になって

からは警護等の問題でほとんど出かけられず、今回も鈴木は反対したのだが、笹岡は押し切ったので

ある。


船には警護の為、奈々とSPが乗組員に化け乗船し、鈴木と日本北朝鮮友好協会の大貫と理事の田代、

SPの責任者である、警視庁公安部の頓所が乗り込んでいた、鈴木は警護の為海上自衛隊に要請し

潜水艦、おやしお、が後方1マイルから追尾し警戒にあたっていた。


クルーザが浦賀水道に入る頃には日も沈み、夜空には満点の星が輝いていた、東京の近くでは

都会の光が邪魔をして星はほとんど見えないが、ここまで来ると夜空いっぱいにある星に感動

するのである


笹岡は星空を見上げながら、小さいころ育った田舎を思い出していた、彼は四国の高知の出身である

実家のそばには最後の清流と言われる四万十川が流れ、夜空一杯に星が瞬き、川で魚をとり、野や山

を走りまわり遊んだ事が、昨日のようになっかし思えてきた、


ある日、父親にゴムボートをねだると簡単に買ってくれると言うので楽しみに待っていると

なんと子供用ではなく、4人乗りの重さ20キロもある本格的なゴムボートを買ってきたのだ


次の日学校から帰えり、袋から出そうとしたがなかなか出す事ができず、結局出すだけで

2日もかかってしまったのだ


やっと出して足踏みの空気入れで空気をいれるが、なかなかふくらまず、また2日かかった

ふくらましたのはいいが川まで持っていけず、空気を抜こうとしたがこんどは、なかなか抜けず

そんなこんなで一回も川に浮かべず、挫折してしまった事を思い出し、にが笑いをしていると、

総理どうかしましたか、と頓所が声をかけた


いや、何でもないんだと返事すると、夕食の支度が出来ました、日本北朝鮮友好協会の田代さんと

大貫さんも呼んで来ますと言い、頓所は階段を降りていった。


笹岡も階段をおり、貴賓室へ行くと鈴木が折角休養に来ているんですから、ゆっくりして下さい

なんなら、田代さんと大貫さんは明日にしてもらいましょうか、と気を使うので

いいんだよ、大勢で話をしながら、食事をした方が美味しいんだよと言った。


鈴木は田代、大貫を笹岡に紹介した、笹岡はどうもご足労いただきましたありがとうございます

さあ、どうぞと言って席を薦め、ウエートレスに化けた奈々がみんなにシャンパンをつぎ終わると

笹岡はそれでは始めましょうと言ってグラスを上げ乾杯をした。


食事をしながら、鈴木君から大貫さんの話はいろいろ伺っていますよ、うちの鈴木もゴルフは

好きらしいけど、大貫さんも3度のご飯よりすきらしいですなーと話をきりだした、


大貫はへたの横好き、でしてなかなか腕が上達しないんで困っていますと、笑いながら頭をかき

うちの田代理事は結構上手いんですよ、この前なんか78のスコアを出したらしく、まいりますよと

言うと、ほうー、田代さんはそんなにうまいんですかと、笹岡が感心していると、


田代は人の何倍も練習して、やっと出したんですよと、謙遜しながらシャンパンを飲みほした

そして、私より鈴木さんの方がもっと上手いですよ、時々ご一緒さしてもらってるんですが

何んったてこの前、目の前でホリーワンをやられまして、あの時はびっくりしましたよ、と言うと

鈴木が総理、私はまぐれで1回やりましたが、大貫さんはいままで3回もやっているんですよと

大貫を褒めちぎった。


笹岡は、ははははは皆さんはやっぱりゴルフが大好きなんですなあーとわらっていると

田代がすみません、そういえば総理はゴルフはおやりにならないんですね、失礼しましたと、

頭を下げた。


いやいいんですよ、私も昔はやっていたんですが、胸を悪くしまして、肺に力を入れると

こわくて、それから止めたんですが、テレビでトーナメントはよく見てますよ気を使わない

でくださいと言った。


ところで頓所くんはゴルフはやるんだよねと笹岡が尋ねると、昔はよくやりましたが、今は仕事

が忙しくてなかか時間が取れませんと言うと、そうかね、鈴木君は年間50~60回やってるらしい

けど、内閣情報室長はひまなのかねえと不思議がつている。


奈々はみんなの話を聞いて、たまに行く、すすむと言う店に来る4人組が大きな声でゴルフの話を

しているのをよく見かけるが、何かそっくりだと思い笑いがこみ上げてきて、おもわずプッと

笑うと、笹岡がへんなおじさんたちと思ってるなとけらけら笑った。


シャンバンをつぎながら奈々は、田代とどこかで会ったような気がする、よく聞くと言葉に

少し北の方のなまりがあるが、思いだせない


はたして田代は何者なのか、クルーザは夜の海をひた走りもうすぐ伊豆大島沖にかかるところである



この船にはもう一人乗船していた、それは海洋地質学者の森田である、彼は日本近海の海底を調査

している、日本列島は太平洋のマントルがぶつかり地下にしずむ場所にあり、そこは日本海溝である

深さ3万メーターをこえる、マントルはここで地下に沈み地球の核へと移動する


このマントルに押し上げられ日本列島は今から5億年前に誕生したと言われる、このため太平洋の島々

たとえばハワイ諸島は毎年10cmくらい日本に近づいており、そのうち日本列島にぶつかり、そのエネルギー

で日本列島は二つに裂け、一部は海溝にもぐり、ほとんどが沈没すると言われている。



森田はこの海溝のプレートを調査しており、地形、海流に詳しく、笹岡は日本海溝に宇宙船を破棄

する場合の調査を依頼する為同行してもらっており、その調査も今回のクルージングの目的の一つ

である。


そのころクルーザの後方を警戒しながら追尾する潜水艦わかしおはソナーに3時の方向から接近する

国籍不明の物体をとらえていた、艦長は非常警戒警報を出し、魚雷の照準を合わせるよう指示し、

艦内には緊張がただよった。

















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