白夜の薔薇12 高杉は内閣情報室長の依頼をうけ総理官邸の地下にあるメインコントロールセンターで笹岡総理 と会うことになり、へりにて総理官邸へ
白夜の薔薇12
高杉は内閣情報室長の依頼をうけ総理官邸の地下にあるメインコントロールセンターで笹岡総理
と会うことになり、へりにて総理官邸へ
コントロールセンターには総理を始め閣僚が総ぞろいしており、韓国・アメリカと北朝鮮の戦争
についての緊急安全保障会議がひらかれていた。
到着すると、総理は事態を収拾する為にチタトロンで出来た宇宙船と電磁パルス発生装置が
必要であり、これがあれば韓国・アメリカ・北朝鮮の戦車・航空機・ミサイルを無力化することが
でき収拾する事が出来るので、特殊部隊による影の政府の秘密基地を襲撃できないかとたずねた。
高杉は総理にすでに部下を富士山の基地に潜入させて、基地は部下が制圧済みで、藤堂が宇宙船で
戻り次第、確保する手はずは整っており、自分も30分後に合流するので軍用へりを手配してくれる
よう依頼した。
今高杉が乗つてきたへりで北富士の自衛隊の基地へ行けば、特殊部隊と軍用へりは用意してあるとの
事である
さっそく高杉は奈々をともなって総理官邸のへりポートから北富士の自衛隊の基地へ飛び、特殊部隊と
合流し富士山の秘密基地へ
しばらくして宇宙船が基地に着陸した、ドアが開いた瞬間に特殊部隊が突入し機体を確保したが
藤堂は乗っておらず、捕虜に聞くと日本海の別の秘密基地で下船し、自分たちは修理が終わり
次第その基地に向かう予定であったと話した。
高杉は宇宙船を修理し、電磁パルス発生装置の回路を正常に戻し、宇宙船に乗り38度線にむかった
到着するとそこは30キロに渡って両軍のミサイル・戦車よる激しい砲撃戦が始まっており硝煙が立ち
こめていた、高杉が電磁パルス発生装置のスイツチを入れると宇宙船が通過する事にコントロールの電子回路
がダウンしミサイルは発射できなくなり、戦車は砲撃はおろか完全に停止してしまった。
両軍はライフル・機関銃しか使用できなくなり程なく銃声はおさまり、両軍とも戦線を後退させる
しかなく、にらみ合いの状態になった。
総理はアメリカ大統領に宇宙船・電磁パルス装置の事を話し、もう一度北朝鮮と話し合うよう
交渉した、大統領が信じられないと言うので、宇宙船を韓国側のアメリカ軍基地に着陸する事にした
高杉はソウル郊外のアメリカ軍基地に10分後に着陸すると、連絡し基地に向かい着陸した。
基地の司令官はビックリしていたが、高杉は技術将校に中を公開し大統領に報告するように促した
大統領も信用したらしく、再び板門店で会談を開き停戦の合意がなり、両軍とも国境線まで撤退した
この装置は核兵器の起爆装置も電子コントロールになっているので無力化することが可能である
しかしこのような、核兵器にも勝る新兵器を日本が保持している事にたいして、先進国及び、中国
北朝鮮は脅威に感じ軍拡に進む恐れがあり、総理は頭を抱える事になるのである。
国内では政治家、自衛隊のタカ派は新兵器を保有しているので有事の際、アメリカに助けを頼む必要は
なく、したがって国内にアメリカ軍の基地は必要ないのでアメリカとの安全保障条約の見直しをせまり
必要最小限の基地にするように総理に圧力をかけ始めた。
アメリカは世界最大の軍需産業の国であり、自由主義国の兵器はほとんどがアメリカ製であり
兵器輸出による外貨が稼げなくなれば国を維持することは出来ない。
また世界各国に基地を持っており、軍人の数も莫大である、もし海外の基地を閉鎖すれば軍人は
今の3分の1の数で済み失業者があふれ、国内の兵器産業を始め経済は大打撃を受けるのである
とくに日本政府は国内のアメリカ軍基地の維持費の半分以上負担しており、アメリカにしてみれば
軍人の給料を肩代わりで払ってもらつているようなもんであり、手放すはずがない。
このまま進めば日本は核武装もしかねない、状況になるのである、国内の原子力発電が数多く
稼動しており、原子爆弾の製造にともなうプルトニュウムを抽出しようと思えば核弾頭500個分
の抽出はなんなく出来る程、日本は核大国なのだ。
問題になつている北朝鮮ですら2~3個分しか抽出していない。
さらに現在でも日本はイージス艦と言われる、最新電子艦船を40隻以上もつており、陸・海・空
自衛隊の兵員は少ないが世界になだたる、軍事大国である事はあまり知られてないが、周知の事実
である
高杉はこのまま日本がこの宇宙船・電磁パルス装置を保持するのは危険であると、総理に話すと
総理も破棄処分にしたほうが良いが内部からの猛反対が出、へたすると総理の座も危なくなる
しかし世界平和の為、政治生命をかけても廃棄したいと高杉に伝えた。
高杉にはもう一つやらなければならない事がある、それは今問題になつている北朝鮮の拉致問題である
一向に進展しないが、北朝鮮は最近、外部に漏れるのを防ぐ為、分散していた残りの拉致被害者45人を
ピョンヤンの郊外の施設に集めて生活させている事をつかんだ、この宇宙船を使えば救出可能なので
計画を練っていたのである。
内閣情報室との連携で作戦を行うため、下準備を奈々とする事になり、久しぶりに華の店で落ち合う
ことにした。
店にはいると華が随分久しぶりねと出迎え、奈々が待っていると奥のVIPルームへ案内したが、途中
店の男とすれ違った時なんだか殺気を感じた、顔をみたが知らない男である、華に尋ねると先週入店
したと言う、どっかで逢ったようなきがするが思い出せない。
じつはこの男は藤堂である、彼は韓国にて顔を整形し別人になっていたのだ、前回の計画を高杉に
邪魔されたので、次の計画のため潜入し、VIPルームに盗聴器を仕掛けたのである。
部屋にはいると、そこには奈々と内閣情報室長の鈴木が待ちうけていた、鈴木は今回の作戦には表向き
政府は関与しない事になっているが、国会議事堂が北朝鮮のミサイル攻撃を受けたのであるから
北朝鮮への何らかの報復あるいは制裁をしなければ国民は納得しないので、高杉に協力する事になった
と話した。
内閣情報室長の鈴木は表面は穏やかな顔をしているが、考え方は緻密で、何を考えているのか解らない
ところがあり油断のならない人物である、そのせいかゴルフはシングル級の腕を持つ
今日はもう一人連れを伴っていた、鈴木は北朝鮮とのパイプを持っておる、日本北朝鮮友好協会の大貫
さんですと紹介した、見ると人のよさそうな中年の男である。
大貫の話によると現在北朝鮮は拉致問題の首謀者、李紅将軍を更迭しょうと政府がしたが軍部の力が強く
無理に強行すればクーデターがおこりかねないので手がつけられないのだと
又拉致者45人を強制的に日本政府が力ずくで救出しても、ミサイルの件があるので非難をするだけに
留めると政府の高官は言つている、との事であり、この時期が一番良いと語り、収容されている建物
の見取り図、周辺の軍の基地の地図を見せた。
鈴木はこの男に情報と引き換えに札束のはいったカバンを手渡した、鈴木は見取り図と地図を高杉に
渡し、決行は高杉に任せると言った、高杉は今台風が朝鮮半島に向かっているので2日後の丁度台風の
目がピヨンヤンに入ったときに決行するが、不測の事態のため日本海側に自衛隊のイージス艦5隻を
配置するよう要請した。
話も終わり、高杉が華を呼びカンパイをして宴席にはいった、大貫は女に目が、ないらしく二人の女と
楽しそうに歓談しているが、鈴木は酒ものまずただニコニコわらっているだけである。
この二人はゴルフの友達でもあるらしい、最近大貫はゴルフがメチャ、メチャらしく本人は経験
不足だとしょげていたが、金も儲かったのでゴルフも良くなるよと元気を取り戻した。
しかしこの話は盗聴装置により残らず藤堂に聞かれており、藤堂は奪われた宇宙船をとりもどす
べく機会を狙つているのである。
そして2日後に奈々と特殊部隊を宇宙船に乗せピョンヤンへ向かった、上空500フィートから台風の目
に向かって下降し郊外の施設の裏に着陸した。
奈々と特殊部隊は裏口より突入し見張りを倒し、次々と制圧して行き20分で施設を完全制圧した
拉致被害者を急ぎ宇宙船に乗せようとした時、サーチライトが点灯し、諸君は包囲されている
直ちに武器を捨てて投降しなさいと藤堂の声がスピーカーから聞こえた、
藤堂は盗聴器でこの計画をしり、北朝鮮軍に知らせ、待ち構えていたのである、見ると戦車部隊が
包囲しており、砲身を宇宙船に向けている、高杉は電磁パルス装置を作動させ戦車の電子回路を
破壊し砲撃はできなくなったが、ライフル、機関銃はどうする事も出来ない
しかし奈々はサーチライトが点灯する前に包囲を突破し敵の裏手に回りこんで裏手から銃撃を開始
した、高杉は敵が気をとられている内に拉致被害者を宇宙船に乗せ緊急離陸した、敵は猛烈に射撃
を開始したが、高杉がサーチライトを銃撃した為敵は目標を失つた、奈々の体には宇宙船をつなぐ
ロープがが固定してあり、離陸とともに宇宙船に吊り上げられ現場を離脱した
宇宙船は回りのミサイル基地に飛来し電磁パルスによる攻撃を繰り返しことごとくレーダを始め
電子回路を破壊し追尾出来ないようにして、日本海に待機しているイージス艦に向かい45人を
引き渡した。
さらに宇宙船はピョンヤンに引き返し李紅将軍のいる統合情報本部のビルに着陸した、奈々は18階
の情報部長の部屋に侵入し将軍を拉致し、屋上の宇宙船へのせ離陸した、高杉は電磁パルス装置の
スイッチをいれた、これにより北朝鮮情報部のコンピュータは壊滅し当分使い物にならなくなった
さらに拉致首謀者である李紅将軍が拉致されては話にならない、後に将軍を解放しても、これで
北朝鮮政府は李紅将軍を解任できるはずである
北朝鮮政府は領空を侵犯し武力を行使した事は戦争行為だと日本を痛烈に非難する声明をだした
日本政府は最初にミサイル攻撃を受けたのは日本であり北朝鮮の行為こそ戦争行為だと非難した
がこれ以上紛争を拡大するつもりはないと声明をだした。
後日アメリカ大統領から笹岡総理に日本とアメリカは同盟国であるので、電磁パルス装置の技術を
供与するよう要請があったが、総理はチタトロンで出来た宇宙船の一部なので、単独には作れない
チタトロンはこの宇宙船一台分しか地球上には存在しない事を説明した。
アメリカ大統領は日本のみが保有している事に世界は懸念をしめしている、廃棄してほしいと要請
した、総理はそのつもりであり、今廃棄の方法を検討している事を伝えた。
しかし藤堂はあきらめておらず、宇宙船を奪うべく次の計画を日本海のある島の、秘密基地で練って
いた、そこには加来三佐が、彼は死んだはずなのだが、実は生きていたのである
奈々は華の部屋で健一に撃たれた三佐を自衛隊の保安部に渡したのだが、まだ息がある事を保安部
にいた秘密組織の人間がきずき、彼に似ている死体と入れ替えたのである。
加来三佐も整形手術をして別人になっていた。
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