白夜の薔薇9 高杉が台湾に赴任した時点では日本軍は重要拠点レイテ(フィリピン)を失い、南方資源の日本輸送を分断され、 戦争を維持する為の軍需物資の生産もおぼっかなくなっていた

白夜の薔薇9


高杉が台湾に赴任した時点では日本軍は重要拠点レイテ(フィリピン)を失い、南方資源の日本輸送を分断され、

戦争を維持する為の軍需物資の生産もおぼっかなくなっていた

次の重要拠点台湾にアメリカ軍が侵攻するのは時間の問題であった、そのころ戦局を打開する為に

こともあろうか飛行機ごと敵艦に突入する、神風特別攻撃隊が編成され、志願の名のもとに若者を死に追いやる

戦法が日常化され始めた


高杉は赴任すると現地の指揮官をあつめ、特功はばかげた戦法である、なぜなら飛行機の操縦を覚える

だけでも何年もかかり、折角育てたパイロットを飛行機ごと失えば、補充は出来なくなり、戦争の継続は

不可能になるので禁止すると言い渡した


しかし、敵艦船はハリネズミのごとく機銃をそなえており、接近して敵艦を撃沈するのは、無理であり

攻撃に行っても、生還は出来ないのでこの戦法しか、ないではないかともう反対意見が続出し、

せっきんしなくても攻撃できる、戦法があれば従うと指揮官達は、冷ややかな目をしている


高杉は1か月間特攻は待つように指揮官達に言い渡し、敵艦を中心に周り40キロの円周に飛行機を

展開できる訓練と、こう高度から爆撃できる訓練を行うようしじした、

こう高度からの爆撃は、ほとんど敵艦船には命中しない、訓練の意味を指揮官が質問すると、それは

1か月後に教えるとニヤニヤ笑っている


さっそく、整備の指揮官と技術仕官を呼び次の物を集めるようしじした、それは航空魚雷、潜水艦に設備

されているすいちゅうマイク、アンプ、ジャイロ、銀紙、等である

高杉は机の中から魚雷の図面を出し、技術仕官に説明をはじめた、まずすいちゅうマイクを魚雷の頭に

右、真ん中、左に固定する、大きい音を感じた方向に舵が動くようにすれば、魚雷のスピードは敵艦船より

早いので、スクリュウ音めがけて魚雷は進み、やがて敵艦船のスクリュウと接触爆発する


魚雷の推進燃料を増やし、60キロは推進できるようにする、とりあえず200個の改造を1か月以内に行う

ようしじした、技術仕官はなるほど簡単な方法だが、ある程度敵に接近しなければならず、敵はレーダ

をそなえており、簡単には近づけないのではと言うと、攻撃まえ敵の一定の方向に銀紙を大量に空中に

散布すればレーダーに、反応し飛行機の大編隊にみえる為、迎撃のため多くの戦闘機を攻撃に出すだろう、

敵戦闘機は現場に到着してもそこには飛行機はいないのである


しかしこちらは、敵艦船から40キロ外側の周囲120キロを、6キロ間隔に200機を低空に配置する、レーダ

は直進性の電波の反射により物体を捕らえる、地球は丸いのでふねの一番高い所に反射アンテナを

セツトしても、ごく近い円周しか捕らえることは出来ず、海面スレスレの物体は捉えにくい、

また見つかってもたった1機なので、きにもしないはずである、


この攻撃では敵艦船は行動不能になるだけで撃沈することは出来ない、第2次攻撃でこう高度から攻撃

すればとまっているふねだから簡単に撃沈出来る、技術仕官は高杉の兵器技術、戦術の見事さに舌をまいた、


1か月後準備も完了し、敵を待ち構えていると、レイテから約500隻の大攻略軍が台湾に向かって

侵攻したと、情報がはいり、まず敵をかく乱する為のぜろせんが銀紙を大量に積み込み発進し、

目的地で銀紙を大量に散布した


次に200機の改造魚雷と爆弾を搭載した爆撃機が、敵艦船の周囲120キロを取り囲むように配置についた


そのころアメリカ軍は、台湾の南西に飛行機の大編隊をレーダでキャッチし、空母10隻から300機の戦闘機

を迎撃に発進させた、


日本軍の爆撃機は定位置を確認し攻撃時間ピッタリに各機、円の中心に向かって魚雷を発進した

しばらくしてアメリカ艦船は魚雷の推進おんをキャッチ回避運動にはいったが、何と回避しても魚雷は

自分のふねめがけて追尾してくるではないか、回避運動を繰り返すが次々と命中し推進不能となり、

味方の艦船と衝突を繰り返し大混乱に陥った


爆撃機は低空より一旦こう高度に上昇し約10分で敵上空に到達した、アメリカ空母の戦闘機はほとんど

迎撃にでており、追尾魚雷攻撃の混乱で戦闘機を迎撃に発進する事はできず、ほとんどの艦船は推進不能で、

日本軍の爆撃機は上空射程外にありなすすべもなく、爆弾に当たらないよう神に祈るだけである


そしてこう高度に位置した日本軍の爆撃機より推進不能となったアメリカの艦船に爆弾が降り注ぎ

100隻が撃沈150隻が大破しレイテへ撤退を余儀なくされた、迎撃に向かった戦闘機がかえり着いた

時には日本軍機は引き上げた後で、着陸する空母の甲板は大半傷つき、飛行機は燃料切れで次々と

海に不時着した、アメリカ軍はあまりの損害で、軍を立て直すのに数ヶ月を要する、


現地の指揮官は高杉に非礼を詫び、それから台湾では終戦まで特別攻撃隊は、編成される事はなかった

高杉は今回はうまくいったが、敵は敗因を調べ、次にはそれに対する防御をするので、

同じ手は通用しない、その裏をかく戦術の研究をするように言い、無駄死にを部下に、

させないようにする事が指揮官の役目であるとさとした


アメリカ軍総司令官マッカーサーは、台湾侵攻をあきらめ数ヶ月後防備の手薄な沖縄へ上陸した

もし高杉が台湾に赴任しなければ、アメリカ軍は沖縄に上陸する事はなく、

民間人を巻き込んだ沖縄での悲劇はなかったかもしれない


しばらくして高杉は元の作戦課長として大本営に呼び戻された、この時点では小磯内閣から

鈴木貫太郎内閣に変わっており、終戦は目の前であるが、相変わらず陸軍のタカ派は一億玉砕などと叫び高杉等の

わへい派への弾圧を強めていた


そして沖縄はアメリカ軍に占領され、連合国はポッダム宣言にて無条件降伏するようせまり、

もし受けいれない場合は断固たる手段をとると通告して来た、

和戦、両論が協議されるが、陸軍の強硬派の圧力により首相は黙認すると記者会見でのべたが、


記事が黙殺と書かれたため、アメリカでは黙殺を拒否と受け取られ、広島、長崎に原子爆弾が投下された、

首相は天皇陛下のご聖断を仰ぎ、無条件降伏を連合国に通達し、天皇陛下の終戦の詔勅を録音し、

放送を8月15日正午に流すことになった。


しかし陸軍のタカ派はクーデターを計画、くない省を占拠、録音盤を奪い15日の放送を妨害しょうとした、

高杉はそれを察知し、藤堂との熾烈な戦いを展開する

藤堂らわきゆうじょうを守備する、近衛師団に押しかけ師団長に協力するように迫るが、


森師団長はこれを拒否したため、師団長を殺害しニセの命令を師団長めいで作り、

きゆうじょうを警備している近衛連隊長に録音盤を捜索するよう命令をくだした


そして決起を促そうと東部軍司令官に面会をもとめた、部屋に通されると、そこには高杉が待っており

師団長殺害は発覚しており、東部軍は動かない、兵に解散させ原隊に戻すよう藤堂に言った

しかし藤堂は近衛師団は自分たちが握っており、東部軍も起つべきだと司令官に銃をつきつけた


司令官が、もし解散しないなら自分みずから、東部軍を率いて反乱軍を討伐すると、一括すると、

藤堂は司令官に向かって引き金を引いた、高杉はすばやく司令官をつき飛ばし、軍刀で藤堂の手を一撃

拳銃は床にころがり、続いて彼の部下が拳銃に手をかけたが、これも一撃で振り下ろすとウッとうめき

声をだして床にころがった、


高杉は拾った拳銃をかまえ、藤堂に動かないように言い、司令官にきゆうじょうにおもむき

事態を収拾するよう促した、司令官は承知したと部下を連れて宮城に向かい、連隊長に事情を話、

兵を引かせ原隊に復帰させた


藤堂は高杉に今回も私の負けか、と言うと立ち上がり、部下を起こす振りをして部下の拳銃を抜き取り

引き金を引いた、パン、バンと銃声音が響き藤堂は前向きに倒れた、しかし藤堂の発射した銃弾も


高杉の胸を貫通しており、ガクッと膝をついた、銃声を聞きつけ東部軍の将校が駆けつけ軍医に

手当てを依頼し陸軍病院にかっぎこまれた、しかし翌日、終戦の玉音放送を聞きよみの国へ旅立った


藤堂は玉が心臓を貫通しており即死であった。


因縁の戦いはなお子供達に引き継がれ、この後、華と高杉は藤堂を倒すべくつらい、道を歩くこととなる





























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