白夜の薔薇7 戦国時代、甲斐(山梨)の大名武田信玄の配下に金山衆と言う集団がいた、この中に高杉の先祖がいた のである

白夜の薔薇7


戦国時代、甲斐(山梨)の大名武田信玄の配下に金山衆と言う集団がいた、この中に高杉の先祖がいた

のである

金山衆とは金山開発の技術集団で、当時甲斐には黒川金山という埋蔵量が豊富な金山があり、ここの

採掘を手がけいてた


この金があったおかげで信玄は甲斐(山梨)、信濃(長野)を征し一躍強大な戦国大名にのし上がる

天下を取る為、京都に向け35000の軍団を率いて進軍し、途中、松平信康(徳川家康)を打ち破り、

織田信長の尾張(愛知)、美濃(岐阜)に攻め込もうとしたが、ここで持病の労咳(肺結核)が重くなり

亡くなった、この為、織田信長は首がつながり後に天下をとる事となる


当時武田騎馬軍団は最強と言われており、もし信玄が病気でなければ信長は戦いに敗れ、天下をとる

事にはならず、豊臣秀吉、徳川家康の時代はなく、現代の歴史も相当変わっていたことだろう


あとを継いだ武田勝頼が3年後三河(愛知県)の長篠で織田信長との決戦に挑んだが、鉄砲3000丁には

さすがの武田騎馬軍団もかなわず完敗を喫し衰退の一途をたどる、やがて信長に攻め込まれ武田家は

滅亡する事となる。


この時ほとんどの金山衆も全滅するが高杉の先祖は武田勝頼より武田家再興の為、黒川金山の掘り出した

金2000万両(現在4000億円)をどこかえ隠すよう命令をうけ、黒川谷の滝つぼにしずめた。

高杉の先祖、助右衛門は少しずつ目立たないように運び出し、現在、村富神社のある地下の洞穴に

運びこみみ、時節をまっていたのであるが、武田家の家臣がほとんど徳川家康の家来になって

しまったた為、再興の機会がなく


時代は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と変わり、高杉の先祖は相模屋助右衛門となのり、江戸にて

両替商を営み豪商となつた、埋蔵金の隠し場所が発覚するのを恐れ、徳川幕府に相模原一体に新田

を開発すると願いを出し、新田の開発をおこなった、そのさい埋蔵金の上に神社を建立し村の守り神

としたのである


寺社地は勝手に掘り起こす事が出来ない為、現在もそのまま残っている、高杉家の跡取りだけがこの

秘密を伝えられ現在にいたっていると話した。


しかし、洞穴には金がないので、その金はどうしたのと聞くと、魔人像の下に400億円くらいの金が残

つており、その時代、時代で世の中の為に歴代の当主が使ったのだと言う、見せて欲しいと華が言うと

又もや高杉はなにやら呪文をとなえた、すると魔人像の台座が開き、中に入るとそこは黄金色に輝く

金塊の山である、呆然と見とれていると、さあ、帰ろうかと高杉の声で我にかえった。


外に出て矢部の駅にもどり、新横浜へ、お腹がすいたと高杉に言うと、おいしいトンカツ屋があるので

と案内してくれた、いかにも古そうな店構えのみせであり、高杉を見るとお坊ちゃんしばらくぶりです

ねと主人が声をかけた


高杉がいつものを2つ頼むと注文すると、へいと言ってトンカツをあげだした、ここのトンカツは

おいしいんだよ、なんたってあの神社が出来たときからのタレが、つぎたし、つぎたし、でいまに至っ

ているんだからと言うと、主人がお坊ちゃんそれはないですよ、その時代は四足は食べてはいけない

時代だたんですよと、高杉がそうか、講演会ばかりやっていると、ついつい話がでかくなるんだよと

ケラケラ笑っている


あがりましたよと、主人の声で、こんがりと上がったトンカツが、秘伝のタレをつけ一口食べてみると

外はパリパリ中は柔らかくてびっくりするくらい美味しいので目をまるくしていると、な、びっくり

しただろうと目を細めている、主人はそんなに褒めてもらうと照れくさいですよとニコニコわらって

いる


華が高杉に昔からの知り合いなんですかと聞くと、そうだなあ、代々家に仕えてくれた家系だから

600年くらいかなと言う、村富神社を管理するのが役目なんだが表向きは代々食べ物屋を営なんでい

るんだよ


まだ時間があるのでいい所に案内するよと言つて店の奥に歩き出した、奥のドアをあけると小道があり

少し歩くと庭園にでた、庭園の門をあけ中に入ると昔ふうの立派な日本家屋があり、格子戸を開け家の

中へ


高杉にすすめられ廊下を歩き奥座敷へ、そこに座ると目の前には立派な日本庭園が広がっていた

庭園の池の向こう側に石灯籠がありその横に白い犬が一匹気持ちよさそうに日向ぼっこしている

高杉がハナと呼ぶと池の回りを駆けて一目散に走つて来る


座敷の左側の縁側にジャンプしたと思ったら目の前から消えてしまい、不思議に思い、あちらこちら

探してもとの縁側に目をやるとなんと、そこには和服を着た歳のころは24か25の女性がこちらに向

かって歩いてきた、華の所まで来ると畳に座り、いらっしゃいませ、と挨拶した


華はあわててお世話になります、と頭をさげた、高杉がハナさんだよと言って、あっ、こちらも華さん

だねとニコニコ笑っている


まさかあの犬がハナさんと、たずねるとその女性は綾乃です、くすっと笑い、犬の名前がハナなんです

よ、ハナおいでと声を出すと縁側の下から先ほどの白い犬がもそもそと顔を出した、旦那様は、

よくこうやって人を驚かすんですよと華にお茶を差し出した。


ここは所長さんの家ですかと聞くと、ここは先祖が100年前に別邸として立てたもんだよ、いつもは

都内に住んでいるんだが、こもって仕事をする時に使っているんだよ、なんたってこんな美人が世話

してくれるんだから仕事もはかどるよと言うと、まったく旦那様は口がうまいでしょう、華さんにも

そうなんですかと尋ねた。


華はそうなんですよ皆に優しいから、よく自分が大好きではないかと女の娘が勘違いして時々所長さん

は困っているらしいんですよ、と答えると、やつぱり私だけに優しいんではないんだとうなずき、くす、

くす笑った


おい、おい、あんまり僕をいじめるなよと困った顔をし、信じてくれるのはハナだけだなと犬の頭を

なでると、犬は喜んでシッポをふり、高杉の手を舐めまわしている

それでは、しばらく華さんの相手をしていて、僕は探し物をしてくるからと言って自分の書斎のほうへ

歩いていった。


華は先程のトンカツ屋のご主人は代々、村富神社を管理していると所長さんは言ってたけど、綾乃さん

も、代々、世話をしているんですかと尋ねると、華さんには話してもいいと旦那様が言っていたから、

これから私たちと高杉家のかかわりをお話ししますわ、でも驚かないでくださいね、それからこれから

聞くことは、絶対口外しないように、もし他人にはなすと災いに巻き込まれるので、と念をおし話しは

じめた、それによると


金山衆は幾つかの専門集団に分かれていた、敵国の情報収集、金山の採掘、治水工事、信玄の警護で

ある、高杉の先祖は敵国の情報収集、の頭で綾乃達の、先祖はその配下であった

この集団は怪しまれ無いため山伏姿や商人、旅芸人等に変装し全国を旅し、その国の情報収集しながら、

金山、銀山等の鉱物資源の探索を行う役目であった


また仲間をその国に潜入させそこで代々生活させており、その事実は本人以外は、たとえ家族といえど

も知らせないきまりであった、代々跡継ぎにのみ秘密を打ち明け、受け継いでいく仕組みになつており、

もし裏切ればひそかに抹殺され家族も気がつく事はなかった


いずれもその土地の名士であり、資金力が豊富の為、その国の中核に入り込んでいる、それも金山で

採掘される金のおかげであり、おおきな軍事力を持つ為には経済力がものを言うのは今も昔しも変わら

ないのだ


代々その組織は高杉家を中心として今日まで引き継がれている、時代の大きな事件にはほとんどか

かわっており、あの有名な忠臣蔵にしても、赤穂藩の藩士が47人が討ち入るまで役2年間かかるが

職を失った人間は生活するのが精一杯で大望を持ち続けるのは不可能である


必ず影に応援する人物がいるのである、相模屋助右衛門は天野屋利平と共に生活に困った赤穂浪人

の面倒、吉良家情報、討ち入りの火事装束、武器などを用意し大望を果たさせた

これは単に赤穂浪士が好きだったのではなく、生類哀れみの令等、悪法により人間より犬が大事に

され犬に怪我させただけで、打ち首獄門にされるなど、民衆が痛めつけられる世の中を平気で放置

している時の権力者を非難する為に助けたのである


後世には、大石内蔵助に火事装束、武器などを用意した事を伝えると、内蔵助は見つかれば、天野屋

に迷惑がかかり、磔っけ、獄門になるから受け取れないと言うと、なんのこれしきの事、天野屋利平

は男でござる、と啖呵をきったと伝えられているが、高杉の先祖も一役かっていたのだ


時が流れ、江戸時代も終わりの幕末になり、アメリカのぺりーが浦賀沖に蒸気船を率いて日本に来た

時(黒船事件)から世の中は騒がしくなり明治維新へと突き進んでいく

この時代の先導役を務め明治維新を見る事なくこの世を去った長州(山口県)の高杉新作も高杉家の

傍流の人物である


彼も又高杉家の血筋なのか、彼は武士、町人、農民、から志願兵をつのり、最新式の銃を装備した

軍隊で奇兵隊となずた、当時藩内には幕府へ味方する勢力が強く、これを一掃する為立ち上がつた

が彼の作った奇兵隊も尻込みしなかなか動かない、業を煮やした高杉は単騎馬にまたがり、敵陣に

突入、これを見た奇兵隊もやっと腰をあげ高杉の後に続いて突撃し反勢力を一掃した


幕府は怒って長州(山口県)征伐を決定し怒涛のごとく県境に突入したが、新式装備をした長州軍に

壊滅的な打撃を受け敗退する

高杉は下関口を受け持った、当時幕府は新式軍艦を持っており、長州の海軍力は幕府にくらべれば

屁、みたいなもんである、容易に勝つことは不可能である


しかし高杉は小さな船に大砲を積み、夜陰にまぎれて敵の軍艦に近づき砲撃しては逃げ、砲撃して

は逃げと敵を翻弄する戦術をとり、敵の乗り組み員は夜も寝られず、神経をヘトヘトにさせた

そして幕府軍は撤退を余儀なくされ、これ以降幕府の権威は地に落ち崩壊の一途をたどり明治維新

へと流れが加速し徳川幕府は崩壊する

さらに明治、大正、昭和と時代は流れ、高杉の父は太平洋戦争末期、日本を壊滅から救う為、終戦の

工作を行う事になり、当時の権力者、東条英機を失脚させるべく、反、東条の先方となり命を落とす

事になる
































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る