白夜の薔薇6 華が、入社して何年も経っているのに何でそんなに意地悪されたのと、不思議そうに聞くと

白夜の薔薇6


華が、入社して何年も経っているのに何でそんなに意地悪されたのと、不思議そうに聞くと


課長になる前の会社の社員旅行が原因ではないかと思われる、奈々がこんな記録があるよと

それは、大きな会社だが間接部門は比較的人数は少ない、それで設計部と人事部が一緒に社員旅行に

行った時の事なのだが、一次会が終わり二次会をそれぞれ気の合う連中でやる事になり高杉の部屋に

何人か集まった。


その中にいた人事部の社員が毎日部長にいじめられていると高杉にしつこく話すので、それでは仕返し

をすればいいだろうと言うと、そんな事がサラリーマンに出来るわけないとカラム

高杉はそれでは部長をいじめる会にしようと言うなり、フロントに電話し、ウイスキーのボトルとツマミ

さらにコンパニユンを2人よこしてくれと頼んだ(何をするんだ~)


みんなが二次会の費用は別清算なので払えないと言うと、心配ないよ人事部長の部屋と名前を言った

から大丈夫だと、そんな事がわかればえらい事になると、とめるが聞かない(怖わ~い)


やがて酒と女でどんちゃん騒ぎが始まる、入り口のドアが開いているので他の社員が通りかかると

面白いので中に入ってくる、その内その部長が通りかかりった、すかさず高杉は立ち上がり部屋に

引き入れ、さかんにお世辞を言って褒め上げ、コンパニオンをそばに座らせた


(調子のいい奴だあ、部長やめなさいあなたの払いですよ~)


しばらくして高杉は人事部の社員に目配せしトイレにたった、人事部の社員が後についてくると

部長の部屋に入りこともあろうか、消火器をとりだし、その社員に部屋にまけと言う、躊躇して

いると、ピンを抜き部屋にぶちまいてしまった。(え~っ)


その社員が酔いが覚めた顔をしていると、これで、ス~としただろうと、けらけら笑っている、

一緒に部屋に帰ると怪しまれるのでその社員を帰し、後からなにくわぬ顔して戻り、面白い事を

言って笑らかしてる


(ひえ~っ、次の日はえら~い事になるぞ~)


案の定、次の日幹事が高杉の所へ飛んできて先輩やめて下さいよ、部長がカンカンに怒っていますよと

、二次会の清算だろ、幹事に予算余っているんだから出せばいいだろう、部長も一緒に楽しんだから

いいじゃないかと、この後輩は高杉に日ごろ仕事で助けてもらっているのでわかりました、今回だけ

ですよと引き受けた、わかった、但し部長が出したことにしてくれと念をおした、幹事は消火器事件は

知りませんよ、とかく部長が呼んでますよと引き上げていった。


高杉が部長のとこに行くと、してやられたよと言う、すいませんとすなおにあやまり、ひごろ社員は

ウップンがたまっていますから、ここで部長が太っ腹をみせればたいしたもんだと皆が感心しますよ、

清算は幹事が出すそうです、それから部長が出した事になってますので口裏をあわせてくださいと


ここまで段取りされれば文句はいえなない、そうかとニコニコ笑っているが、この部長は高杉の

入社試験時の担当課長であり、いっかはギャフンと言わせたいと思っているのだが、いつもうまく

逃げられてしまい、段々ウップンが溜まって行く、それが技術から営業への転出なのではないかと

奈々は話した。


あれよあれよと言う間に部長に昇進した、なんと38歳で部長になり、これも最年少である


ヤッパリ天才だねと言うと、しかしその器用さが彼を追い詰めて行くのだが、多分この男は気が付い

ていないのだろうと、そして彼が会社をやめ、いまの経済研究所を作る事になったいきさつを話した


出世すると一匹狼で生きていくのは難しい、会社には必ず派閥があり、この会社には当時、社長派、

副社長派、専務派があり課長以上はいずれかに属していた、しかし高杉は元来組織に縛られるのは

嫌いで、それぞれの派閥はさかんに勧誘するが、のらり、くらりと逃げ回りどこの派閥にも属しない


それぞれの派閥の長が声をかけても、貴方は自分を守れない、なぜなら自分より年上だから先に会社

を辞める事にになり、残された者は他の派閥からひどいめにあう可能性があり、そんな危険な賭けは

できないとやんわり断る、是非とも自分の派閥に入れたい人材なのだが、一理あるのでそれ以上強制

できない


なんとか懲らしめてやりたいのだが、大きなミスもしないし、成績優秀の為め手がつけられないのだ

いろんな派閥に呼ばれれば出席する、安心感があるのか彼に会うとついつい秘密を言ってしまうので、

全ての派閥の裏側を知っているが他の派閥には一切漏らさない。


そして彼が43歳になった時のことである

社長にはとくに目をかけられていたが、ついに、副社長派と専務派が手を握り高杉を懲らしめる事に

高杉の部下に目をつけ、主任からいきなり課長の抜擢人事を彼の知らない間に画策し始めた


本人には絶対大丈夫だと、役員の過半数の了解が取り付けてあると話しその気にさせ、いきなり高杉

に人事部長が君の部下の船田君は優秀だから課長にどうだろう、と持ちかけた、確かに優秀だが2段階

特進は他への影響があるので゜係長に昇進させてから1年後なら推薦すると断った


役員の過半数の了解が取り付けてあるし、本人も了承していると言う、なんか怪しいと思ったが本人に

確認する事にした

船田は確かに優秀であるが一途なとこがありもしこの話が役員会で否決されれば会社を辞めると言うだ

ろう、そうなってはいくら高杉でも止める事はできず、優秀な部下を失い、えらいダメージである


本人を呼び話をすると、役員の過半数の了解が取り付けてあると言う事なので、自分を高く評価

してくれれて感謝していると、もし否決されたらと言うと部長そんな心配はありませんよとすつかり

信じ込んでるようなので、一抹の不安はあったが推薦する事にした


しかし役員会議で船田の昇進は前例がないと否決されたのだ、高杉は役員全員に誰が反対したのかを

問い詰めることにし、全員に抗議したが、あまりにも高杉が怒っているので、不思議な事に全員賛成

したと言う、そんなはずはない否決されたのだから、しかし誰が反対したかは丸秘事項なので教えられ

ないの一点張りである


この話を聞いた船田は即座に高杉に辞表をもってきた、なだめすかしてもガンとして撤回しない

ついに受理するはめになつた

そしてついに船田の辞表と自分の辞表を人事部長にたたきつけたのだった、懲らしめる目的だったのに

びっくりして社長、副社長、専務が留意したがガンとして撤回しない、一ヶ月前に辞表は提出する規則

なので引継ぎで一ヶ月はいるが後は会社には出社しないと、さつさと辞めてしまったのである


そして半月後高杉経済研究所を立ち上げ現在に至っていると奈々は締めくくった。


しかし良くそこまで調べられたねと奈々に聞くと、実は奈々が最初に勤めた会社が高杉のいた会社

で、奈々が入った時は高杉はとっくに辞めた後だけど、今話した以外に数々のエピソードを持ち

ともかく伝説の人物として高杉の名前を会社では知らない人はいなかったのだと


まして今回の株価操作(仕手戦)は400億~500億の資金が必要でそんな財力、資金先も高杉は持って

いないし、秘密組織のボスになれる器ではあるが、現時点では考えられないと言う


それではあの男達はなぜ高杉の事を話していたのかと聞くと、多分秘密組織はまだ光る石の事を

あきらめていなく、カモフラージのためわざと華に聞こえるようにはなしたのではないかと

おそらく華の近くに組織の人物がおり、華を監視しているのだと思うと奈々は言った


ところで光る石はどうなったのと聞くと、あれからもう一度理化学研究所の利通に調べてもらっ

ところ、あの映し出される反重力装置の図面にはブラックボックスが記載されており、それは

強力な電磁パルス発生装置であり、このパルスを発生させると周囲5キロメータ四方の電子回路を

破壊する能力をもつと思われる


ところが図面上で詳しい回路はわからず、光る石にある高周波を放射すると、回路を読み取る事が

出来、利通は解読に成功したのだと


チタトロンは現在沖の鳥島で見つかっただけで、これで宇宙船を作っても一個しか出来ず、また

反重力装置もチタトロンがなければなんの役にもたたないのである


秘密組織はこの光る石を略奪したときこの回路は写し取っているはずで、目的は電磁パルス発生

装置で図面上から読み取れないので、どうしても光る石が欲しいのだ、華を監視していれば必ず

奈々が接触してくるはずと思い、店に組織のメンバーをもぐりこませているのだろう


秘密組織は光る石が政府の手にない事を最近知り、奈々が華に預けていると思っているので今回

接触すれば今度は奈々をマークするはずなのでわざと店に来たと言うと、華は健一の復讐をしたい

ので、ボスを炙り出す方法はないかと、危険なのでやめた方がいと止めたが華はきかない


それでは秘密組織は高杉がボスだとカモフラージしているので、それに乗った事にしよう

華が頻繁に高杉と接触し油断させれば、その内姿をあらわすはずだと言い光る石を華に渡した


しばらくして高杉が店にきたので、早速光る石の事を話すと、以外にも話は聞いたことがあると

なぜ知っているのかと聞くと、これでも政府筋にいろいろ情報網があるんだよとニコニコ笑って

いる


いままでの事をはなし、どうすればいいか相談すると高杉はそんなものが悪人の手にはいれば

ろくな事ならないのでどこかに隠した方がいいと言うので、いい場所はないかと聞くと、しばらく

考えて、それなら最適の場所があるので明日案内すると約束してくれた。


次の日、高杉と新幹線にのり新横浜で横浜線に乗り換え矢部とゆう駅に降りた、しばらく歩くと

神社の赤い鳥居が見えてきた、鳥居の横の石柱に村富神社と書いてある、周りに人影はない

鳥居をくぐり本殿の裏側に回ると、獅子頭ある、高杉はその前にたち獅子の目を見ると


赤い光が右から左へ、すると獅子頭が右に動き地下へ降りる階段が現れた、地下へ降りていき

しばらく歩くと広い空間にでた、目の前に魔人像があり、高杉がなにやらわけのわからない呪文

を唱えると、魔人の手が高杉の前に動き手の甲が開いた


高杉は華にそこへ光る石を入れるよううながした、華が入れると蓋がしまり、魔人の手は元の

位置へ戻った、この神社と高杉はどんな関係があるのかと聞くと、ここは僕の遠い祖先が祭って

あるんだよと由来をはなし始めた。










































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