第3話
朝食が終わったら、洗面台で乙女の下準備である。
たとえ校則で禁止されても、ナチュラルメイクは女子高生の義務であるからな。
時間がなくとも、すっぴん登校は乙女の恥と知れ。
100円ショップで買った色鉛筆で、眉毛を書くのは関心しない。
メイク用品は、割高でも専用品を買うのだ。
アラビットヤマトで二重まぶたを作って大失敗したのを忘れたとは言わせぬぞ。
季節は冬である。リップクリームを塗るのを怠るな。
効果があるのか疑問に思うだろうが、真冬の乾燥を甘く見ない方がいい。
さぁ、制服に着替えろ。
スカートは短いほうが可愛いが、冬場は防寒との戦いでもある。
黒タイツは認めよう。
だが、スカートの下にジャージを履く埴輪ルックは甘えだから許可しない。
ホッカイロは強い味方だが、忌まわしき「ケツを低温やけど事件」を忘れるな。
ネクタイは、ちと緩めたほうがチャーミングだ。
ルーズに締めたネクタイには、第二ボタンまで開けたシャツがトレンドである。
カーディガンは、袖がユルユルで手が隠れるぐらいが萌えるぞ。
だらしなく見えるが、可愛さ重視でワンサイズ大きいのを選ぶのがスマートであろう。
しかし、2サイズ大きいと、可愛さよりあざとさが目立つな。
「あんた、ガチでうるさいわね……」
ふん。
吾輩は、幼い頃からみぅのファッションを監修してきたのだ。
口を出さずにはいられない。
「あんたのドコに口があるのよ?」
もちろん、膣口……いや、なんでもない。
ただのジョークだから、こけし型ストラップを擦るのはやめよう。
さぁ、いざ登校だ。
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