第141話 祭典(18)

 う~ん、実はね~? 女王アイカを皆も凝視していて、可笑しい女性(ひと)だと思うことが多々あったと思うのだよ~?


 特に女王アイカ……。先程の様子ではないが~?


 自身の妹君である、プラウムとサラ、健太との三人が、肩を並べて歩く姿……。この祭典を楽しむ様子を遠目から見て、確認……。嫉妬心をあらわにしてみたり、募らせているわりには~?


 自身の館……。本来ならば~? 女王アイカと王になる健太との、二人だけの甘くて淡い居城の筈なのに~? 義理の母と妹達三人……。その上従妹迄、同じ屋根の下で、夫婦と変わらぬ生活を送らせている状態だから。皆は遠目から、女王アイカの一族の女達が不思議でならないと思うのだよ~?


 う~ん、実はね~?


 オークの女王若しくは? 領主、酋長も含めて、皆そうなのだが。オークのセレブ達は、一妻多夫性であり。女王の伴侶である王が、不満をもらさないようにと。王の方も一夫多妻で、夫婦揃ってハーレムを黙認しあっている種族であり。王朝文化なのだよ。


 だから女王アイカも先々、健太以外の夫を娶る可能性があるので。次期王である健太へと。未亡人である自身の義理の母や、妹達三人と従妹一人を与え──。自分の持つ王国の絆と血を濃くすることで。此の国の政を安定させながら、後世へとつなげる政策をとっている。


 まあ、このような王朝文化は、一夫一妻制の上に、男女が妻や夫意外と恋をして交わることは不謹慎……。悪意に満ちた邪なことになる。我等日本人には理解しがたいことになるのだが。


 この世界──。この熱帯雨林のジャングルにあるオークの種族の国や領地、集落では、ごく当たり前におこなわれている政策であり。オーク種の文化なのだが。


 女王アイカの今迄の様子を見ればわかる通りで~? 独占欲の強い彼女自身も、余りこのオーク伝統の文化と政が好ましくはない。


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