第139話 祭典(16)

 う~ん、でも~? 比の国の王カーンは~?


 自身の妻である、女王ルインの気持ちと想いは、手に取るようにわかるから。これ以上彼女に口を開かすようなことはしない。


 直ぐに自身の口を開いて。


「フフフ~。ルイン~? これは~? 大変に面白い事になりそうだな~?」と。


 彼は相変わらず苦笑しながら告げ。また直ぐに自身の口をひらくのだよ。


 今度はこんな台詞を? 比の国の女王ルインに告げる為にね~。


「フフフ~。ルイン~。楽しみにしていろよ~。あの坊主は、お前のコレクションの一つに加えてやるからな~。待っていろよ~」と。


 彼は不適に笑いながら。健太とプラウム、サラとの、三人仲良く歩く様子を見詰めるのだ。


 また、そんな自身の夫の、力強い台詞を女王ルインは聞き──。


「そ、そうかい~。あんた~。宜しく頼むよ~。私はどうしても、あの煌びやかな健太(アクセサリー)が欲しくて堪らないから~」と。


 自分自身の健太への邪な想い……。邪な執着心を叶えて欲しいと甘え声色を使用しながら嘆願……。


 その後、比の女王ルインは? 自身の視界から段々と小さくなる健太の容姿を、大変に物欲しそうに見詰めるのだよ。


 まるで~? 大型猫科の野獣達のメスのように……。

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