第134話 祭典(11)

 すると比の国の女王であるルインは?


「私があの男の子(こ)と、言ったら~。あの男の子~? 此の国のアイカの妹達二人が連れている~。ここらでは見ない肌の色をした人種の男の子だよ~? あの男の子(こ)は一体誰だい~?」


 と、自身の取り巻き……。護衛達へと訊ねる。


「ああ~。あの~? 男の子ですか~? ああ~。私(わたくし)も先程から~。あの少年の美しさに魅入り~。呆然としながら見詰めていましたよ~」と。


 比の国の女王ルインの重臣なのかな~? 彼女が連れている護衛の中でも、とりわけ煌びやかな甲冑を身に纏う戦士のような女性が。比の国の女王ルインへと言葉を返すのだよ。


 と、同時に?


 今度はこんな台詞が、比の国の女王ルインの周りから多々漏れてくるのだ。


「ああ~、将軍~。あの子は本当に可愛いいですよね~? 私も将軍ではないですが~? 先程から~。あの子に魅入っていましたよ~」


「あああ~。うちも、です~。将軍~」


「あああ~。私も~。私も~」


「いや~。無茶可愛いですわ~。あの~、男の子は~」と。


 まあ、こんな感じで、比の国の女王ルインの護衛の女性兵達から、黄色い声色での絶賛の声が多々漏れてくるのだよ。


 でッ、女性陣の黄色い絶賛が終われば。それと対照的に今度は?


 今日の祭典のメインである格闘相撲の御臨費ヤードに出場する比の国の男性戦士達からね~。

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