第125話 祭典(2)

 まあ、そう理由……。


 というか?


 我等も女王アイカを庇う訳ではないが。女王アイカの身体の中に流れるオーク種としての血が、どうしても荒々しく勇んだ異性を好む傾向にあるから。


 それはそれで、我等も仕方がない気もする。


 実際今日の祭典の大目玉である、裸の男と男の相撲を観戦にくる女性達は、自分達の将来の夫を探しにくる者達がほとんどと、いった状態が現実なのだ。


 だから相撲大会が終われば、自分の気に入った男へとアプローチをかけにいく女性達が後を絶たないぐらいだから。参加する戦士達も、自身の妻イコール、この世界──この地は、お互い異性が財産になる訳だから。


 男達も自分自身の財産を増やすために。強気漢達は、己の強靭な肉体や力と武力を日々鍛え──。


 この各国参加の相撲格闘大会のトーナメントを勝ち抜き──。己の力を女性達にアピール……。


 そして財産を増やしていく恋愛の場ともなっているのだよ。


 今日の各国共同の祭典のメインとなっているオリンピアードに良く似た、この男達の相撲大会はね。


 だって~? 此の国の属する領主であり。最強戦士の一人でもあるウォンは、この大会の連覇──。覇者になることで。自身の従妹であり。此の国の女王アイカへと、自分の強さをアピールして、一時は自分も彼女……。その先の婚約者……。次期王の地位まで手に入れることに、一時的では成功をしているぐらい。この大会は最強の漢達……。王者を目指す漢達にとっては、大変に重要な大会となっている。

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