第123話 オーク種族の掟?(6)

 と、同時に?


 今度は他の国の女王から一喝──!


「何を言っているんだい~? あんたらは~? あんたらだって~。うちのひとが知らないのをいいことに~。毎日汚れ物を洗わしているんだろうに~? だからお互いさまだぁあああ~! それに~? このひとはもう~。うちの下着を受け取ったのだから~。成立~。そうだろう~? あんたら~?」と。


 この場でワッと、大騒ぎをしている女性達へと怒号──!


 と、なれば?


 健太を含めて周りは『シ~ン』と、静まり返る。


 まあ、健太の場合は、先程から何が何やらわからない状態で困惑しているだけなのだが。


 他の国の女王ライに、自分達の心の奥底にある健太への想いを悟られた上に。雷神ライも自分達と想いは変わらない。


 只此の国の王になれなかった少年に一目惚れをして、妻として彼を心から支えたいだけなのだと思う気持ちも彼女達も理解できたから。これ以上はお互いさま……。


 と、いうことで。この場にいる女性達は沈黙……。


 中には他の国の女王ライが健太に害を成すことはないと確信をして。


「殿~。私は家に帰るから~。後で洗った物を届けてね~」


 と、言葉を駆ける者や。


「あんた~? うちの子のおしめ~。ちゃんと洗っておいてよ~。この暑い時期だから~。うちの子のあせもが酷くなるといけないから~」


「健ちゃん~。私も家の帰る~。後はよろしくねぇ~」


「さぁ~て。御方が洗い物を届けてくれるまでに、美味しい物でも作っておこうかね~」と。


 健太に告げたり、独り言を漏らしながら。この場を去る者達も多々増えてきたのだ。


 と、いうことで?


 健太の警護は終わり~。皆解散を始めだす。


 そんな様子を他の国の女王ライは見詰めながら。


「あんた~? 洗濯は、何処へいくのかい~?」と。


 健太に訊ねる。


 すると健太は、日輪のように微笑みながら。


「えぇ~と、ねぇ~? この先にある川で洗うのだよ~」と。


 他の国の女王ライへと告げる。


「へぇ~。そうかい~。あんた~。じゃ~。この国の女王との話しが終わったとりにいくから丁寧に洗っていてよ~。あんた~」と。


 この辺りの国王や領主から、雷神と呼ばれ恐れられている。男勝りの女王さまだが。この時も夫である健太には、乙女の如く振る舞いで、甘えながら告げる。


 そして告げ終えれば、また勇んだ彼女へと変わる。


「あんた達~。アイカの所へといくよ~」と。


 自分を警護している戦士の漢達へと下知を飛ばして──。


 自身の愛する夫の許から去る。


 と、同時に健太は、『おじいさんは、山に芝刈り~。お婆さんは川へと洗濯~』ではないが~?


 プラウムお姉さまが心込めて編んでくれた大きな竹細工の篭を両手で持ち、川へと向かう。


 健太自身は知らないが。自分の妻達の汚れた下着や衣服を持って川へと向かう。


 そう~? 健太は未だ知らないのだよ~。オークの女性が、自分の大事な財産……。衣服を異性に渡し。洗って欲しいと嘆願する時は、『貴方に惚れました~。結婚をしてください~』と、願う。求婚のサイン~。


 また女性の汚れた衣服を受け取ると。その場で結婚が成立するのが。オークの社会で昔からおこなわれた求愛行動なのだよ。


 だから健太は、他の国の女王ライまで妻に娶ってしまったと言うことなのだ。


 まあ、本人は、未だこの時点では、気がついてはいないけれどね~。



 ◇◇◇◇◇

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