第122話 オーク種族の掟?(5)

 だから思春期の健太は、慌てふためくのだ。


 それも自身の両手で、両目を覆いい──。自身の視界を遮りながら。


「ち、ちよっと、待ってよ。ライさん~。男の僕がいる目の前で何をしているの~」


 彼は照れ恥ずかしそうに、他の国の女王へと諫めの言葉を告げる。


 う~ん、でも~?


 他の国の女王さまは、此の国の王になれなかった少年の諫めの言葉に対して、聞く耳持などもたない。


 う~ん、それどころか~?


 自分の優艶な姿を見て、照れ恥ずかしそうにしている少年のことが可愛く……。そして愛おしくて仕方がないのだ。


 ラブコメのヒロイン達のようにね~。


 まあ、そんな様子の女王さま……。


 自身の下着を脱ぎ終えると。自身の両目を両手で隠し、視界を遮断している健太の頭の上に『ポッ』と乗せる。


 だから健太は「えっ?」と、声を漏らしながら。


 自身の視界を遮断していた両手外し──。自分の頭に乗せられた物を取り、確認をするのだよ。


 でッ、確認し終えれば。ラブコメの主人公達のように~。


「な、何~! これわぁあああ~」


 と、声を大にして叫びながら絶叫をあげるのだよ。


 う~ん、でも~? 先程もこちらが説明をした通りで。


 他の国の女王さまは、こんな愛くるしい仕草をする少年が愛おしくて仕方がないのだよ。


「あんた~。うちの脱ぎたての下着だからといって~そんなに興奮して匂いを嗅ぐのは別に構わないけれど~。ちゃんと洗っておいてよ~。うちの下着もね~」と。


 大変に優しいクイーンの笑みを浮かべながら。健太へと告げるのだよ。


 それこそ? 他の国の女王さまに、自身の宝物……。


 このジャングル内に住み暮らす女性達の財産である下着を預けられて、大騒ぎをしている健太が。大騒ぎをやめ──。魅入り、見惚れるほどの、クイーンの微笑みを投げ掛けながら告げる。


 だから健太も呆然としながら「あい~」と、だけ言葉を漏らす。


 う~ん、でもね?


 二人を取り巻く女性達はそうはいかない。


 だって他の国の女王ライの正体に、少女や若き女性……。淑女に至るまで気がついているから。


「健ちゃん~。その女性(ひと)の下着を洗ってはだめだよ~」


「あんた~。他国の女性(もの)も物はだめだ~。洗ってはいけない~」


「殿~。そんなことをしたら~。大変なことになるから~。洗い物をしてはいけない~」と。


 この場にいる女性達の絶叫染みた『雷神ライの下着を洗ってはいけない~』の諫めの言葉が、健太へと多々告げられる。

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