第117話 他国からの訪問者(14)
う~ん、でもね~?
雷神ライは、流石女王さまといった感じの女性だったようだよ~?
だって~? 自身の心に傷を負っている健太の気持ちが何となくではあるのだが?
年上の彼女にはわかったみたい。
だから自身の方へと、可愛い顔を突きだす主様へと。姉さん女房は優しくハグ~。
また二人の周りにいる女性達が嫉妬心をあらわにするような愛情表現を。健太へと始めだすのだ。
と、なれば?
建太と他の国の女王である雷神ライへと、周りにいる女性達は嫉妬心をあらわにしながら怒号──。
その後はワッと、大騒ぎを始める……。訳はないね~?
だって? 人種の健太とは違い。オークの女性達もエルフのようなツンと尖った笹耳がついているのだよ。
と、なれば?
エルフやダークエルフ……。インプやゴブリンほどではないにしても?
オークの女性達も人種である健太よりも耳がいいのだ。
だから雷神ライではないが?
建太が漏らした愚痴に近い。ある女性(ひと)の不満は、彼女にも聞こえるし。健太が先程自身の心の中で思った。ある女性(ひと)と、ある男性(もの)が、二人仲良く肩を並べ会話をしている様子を、彼女達自身も何度も見て確認をしているので。
自分の主が先程漏らした不満は、誰への不満のかも?
彼女達は理解しているので。自身の主の心を癒してくれている雷神ライへと怒号を放つことなどしない。
只皆は、悲しそうな顔色で。
「健ちゃん~。可哀想~」
「うぅ~。あんたには~。うちがついているからね~」
「そうだよ~。殿~。殿には~。私達がついているから大丈夫~」
「御方~。寂しい時は、いつでも家へとおいで~。私が直ぐに癒してあげるから~」と。
でッ、最後は健太の背で、相変わらず。この場の雰囲気が読めないお嬢さまが~。
「あんた~。愛しているよ~」
と、相変わらず。優艶な様子で健太に甘えているから。
周りにいる女性達は、この場の雰囲気がわからない彼女に対して。
「あんた~。いつまでも~。いい加減にしないさいよ~」
「何~? うちの健ちゃんにいつまでも~。甘えているの~?」
「もう~。コイツは~。死刑だね~?」
「あああ~。今から~。八つ裂き~。折檻だぁ~」
「ほら~。あんた~。早くこっちにこい~。今から~。うちらがあんたのことをシメてやるから~」と。
この場の雰囲気がわからずに、健太の背で甘えていた彼女……。
まあ、最初に雷神ライと揉めた女性へと怒号──!
その後は、彼女の髪を荒々しく鷲掴み──。
そのまま、二人から距離のある所へと連れていき──。
皆で折檻──!
すると彼女は当たり前の如く刹那になる。
だから彼女の口から自然と。
「うぎゃ、あああ~。うちが悪かったよ~。許しておくれ~」
と、絶叫が響き渡る。
まあ、そんな女性達をしり目に、雷神ライは、健太をハグ~。労りながら。
「あんた~? 何で~? そんなに死に急ぐ~? 何か辛いことでもあるのかい~?」
と、訊ねる。
「……ん? ああ~。僕は別に辛いことなどないよ~。只寂しいだけだよ~」
雷神ライの問いかけに対して、自身の首を振り──。甘えながら言葉を返すのだよ。
でッ、そんな健太に雷神ライは、「ああ~。そうかい~。なら~、いいや~」と、だけ言葉を返し。そのまま建太のことを労り続けるのだよ。
傷ついている彼の心の傷を癒すためにね~。
◇◇◇◇◇
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