第111話 他国からの訪問者(8)

 う~ん、でもね~?


 敵もさるものではないが?


 高貴で妖艶な女性は、彼女の煌びやかな容姿とは裏腹に、一騎当千の猛者だから。健太のことを、自身の主で財産だと、無言で主張する女性達に対して、高貴で妖艶な女性も。先程健太と淡い官能的な接吻を交わした仲だから。


 もう既に健太は自分の物だと、やはり無言で睨み返しながら主張をするのだよ。


 まあ、相変わらず、自分の財産だと主張をする健太の髪の毛を荒々しく鷲掴みをしながら。自分自身の方へと強引に引き寄せる荒々しい行為はやめようとはしない。


 だから健太の口からも相変わらず。


「い、いたい~。いたい~。いたいよ~。お姉さん頼むから~。僕の髪の毛を引っ張る行為をやめてください~」


 と、悲痛な叫びと嘆願が漏れてくる。


 と、なれば、尚更?


 健太を主と仰ぐ女性達は後を引かない。


 だから高貴で妖艶な女性へと『ジリジリ』と詰め寄っていくのだよ。


 でッ、また、そんな荒々しい状態でいる女性達に対して、高貴で妖艶な女性も全く引く気配もなく。


 彼女の傲慢な性格と変わらぬ自己主張を見せる、傲慢過ぎる大きな『タユンタユン』としたオッパイをツンと突き出し胸を張り──。威風堂々とした勇んだ様子を見せる。


 と、なれば?


 遅かれ早かれ両者は激突──。雌雄を決するようになる。


 またそうなれば? この場に両者の血が沢山流れることになる。


 だって~? 少し離れた場所で待機している。


 高貴で妖艶な女性が乗っていた。玉座のついた籠を担いでいた男達四人もふと気がつけば?


 何処から出てきたのか知らないが?


 四人揃って利き腕に、大刀を握り締めている状態なのだ。


 まあ、そんな、一触即発状態の状況を健太は、高貴で妖艶な女性に荒々しい行為を受けている状態にも関わらず。


 もう既に彼は察知している状態だから。


「みんな~。僕のためにと、この女性(ひと)に荒々しい行為をおこなってはだめだよ~」と。


 健太自身が、この国の女性を守ろうとして、高貴で妖艶な女性から受けている荒々しい行為に対して憤怒──。怒りをあらわにしている女性達に対して、これ以上騒ぎを大きくしないようにと諫めの言葉を告げる。


 う~ん、でもね~?


 いくら自分達が尊ぶ主さまに、彼女達はやめるようにと告げられても、一度自身の気持ちに火がつき──。荒々しい気性へと変化した両者は、健太の諫めを聞いても納得できない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る