第102話 王になれなかった少年の法……(22)
と、なれば健太は? 幼い少女のように俯き、自身の瞳を潤ましているに違いない~?
だから我等も健太の様子を遠目からではあるのだが確認をしたのだ。
と、同時に?
「どうしたの~? あなた~?」
母のように優しいシルフィーが、流石と言うべきか~?
愛する彼の異変に対して素早く反応──。
そして問う?
と、同時に?
健太の将来の妻になるであろう?
大変に機嫌の良い女王アイカが。
「どうしたの~? あなた~? 何をそんなに悲しい顔をしているの~? ほら~、こっちを向きなさい~」と。
赤子をあやすように、健太に告げ問うのだよ。
更に彼を優しくハグして、頭を優しく撫でながら。やはり赤子をあやすように健太を優しく包む~。
まあ、そんな二人の様子を従妹と妹君あわせて四人の女性が凝視続ければ。いてもたってもいられなくはなる。
だから四人は我先にと──。自身の主である健太の元へと駆けつけ、詰め寄る。
そして主さまの側へと辿りつけば。この国の女王と丞相二人が、主である健太に対しておこなっている。
『寄り添い~。ハグ~』を我先にと始めるのだよ。
こんな台詞も四人の女性は、漏らしながらだよ。
「健ちゃんごめんね~。サラが何か勘違いをしていたよ~。だって~。サラも~。健ちゃん以外の男に胸や裸体も見られたくはないもの~。ウルハではないから~」
「はぁ、あああ~。何を言っているのだい~? サラ~? うちがいつ~? 自分の乳房や裸を殿以外の男に見せたいといった~? うちはエリエではないから~。胸張り、威張って~。乳房を殿以外の男に見せたりはしないから~」
「はぁ~? あのなぁ~? ウルハ~? 私がいつ~? 殿以外のオス達に胸を張りながら乳房を見せた~? いい加減な事を申していると~。いくら温和な私でも切れてしまうぞ~? それに~? 御方以外のオスに対して、官能的に尻を振りながら歩行──。自身の乳房を威張って曝け出すのは~。私ではなく。プラウムだろうに~?」
「ええ~。エリエ姉様~。本当に酷い~。私(わたくし)がいつ~? この国の男達に対して~。自身のお尻を振りながら歩行──。この大きくて形の良い胸を魅せ歩行をしたのですか~? 私(わたくし)はそんな事などしていません~」と。
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