第97話 王になれなかった少年の法……(18)

 自身に赤子のように甘え、誰にもこの肢体は渡したくはないと身体で表現をする健太に優しく耳元で囁くのだよ。


 アイカは吐息を交えながら。


「うぅ~ん、あぁ~ん。もう健太は~。私に対して本当甘えん坊さんなのだから~。まあ、いいわ~。わかったわ~。あなたが~。そんなにも嫌なら~。町中を男女が裸で歩く行為や、女達が乳房を曝け出し歩く行為を禁止にしてあげる~。それでいいでしょ~? あなた~?」と。


 上機嫌の女王アイカは、健太の嘆願を快く承認……。


 最後には健太に対して、いつもの女王的振る舞いではなく。妻的振る舞いである。甘い官能的な声色と優艶な仕草を駆使しながら、健太をもてなすのだ。


 自身の肢体を使用しながら~。


 そんな様子をこの国のナンバーツーである。丞相であるシルフィーは苦々しく思いながら見詰める……ということはない。


 そんな優艶な二人の様子を『ふぅ~』と、声にならない声を漏らしながら見詰め──。


 その後は、女王アイカに甘える健太の背に、『そぉ~っ』と自身の肢体を預け──。寄り添い。


「私(わたくし)達この家の女達は、みな健太さんの物ですよ~。ねえぇ~? 女王アイカ様~?」と。


 この国の丞相であるシルフィー自身も、滅多に口には漏らさない台詞……。

『女王アイカ様~』と、彼女……。


 女王アイカを呼び、訊ねるものだから。本人も「えっ?」と、声を漏らしてしまうほど驚愕してしまうのだが。


 女王アイカは直ぐに我に返り、更に上機嫌と歓喜──!


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る