第94話 王になれなかった少年の法……(15)

 と、いうことで?


 我等もこの国の暗雲たちこめる暗い、ゆく末の話しから。明るくなる話……。


 そう~? 女王アイカが余りにも嫉妬心を湧かし募らせ、嫌気がさしたほどの、プレイボーイ化していく様子に、全く気がつかないでいる甘えん坊の健太なのだが?


 流石にこんなにも? 国民女性のアイドル化していけば。


 女王アイカや丞相であるシルフィーも『大どんでん返し!』で、王になれなかった少年健太の不満を無視はできない。


 特に女王アイカの場合は、健太から名指しでこんな有り難い言葉を頂いたのだ。


「僕はアイカさんのことが大好きだし。愛しているから~。僕以外の異性に~。アイカさんの裸体や乳房を見られたくはないし。曝け出して歩いて欲しくなないのだよ~。だからお願いだよ~。アイカさん~。この国のみんなが町中で~。裸で歩くことや~。胸だけを曝け出して歩く行為をやめさせる法律を作ってよ~。お願いだから~」と。


 健太本人自身も気がついて、行為的におこなっているのか?


 それとも? 健太本人も気がつかずに自然体で、好意をおこなっているのか?


 我等自身もよくわからないのだが?


 健太は、女王アイカの女心をくすぐる……だけではなく。母性本能まで湧かし。彼女の脳が蕩けるような仕草と声色……。


 そう~? 自身の瞳を潤ませ、甘え、幼児声色で、女王アイカへと嘆願……だけではないね~?


 女王アイカへと嘆願を終わらせれば直ぐに、丞相であるシルフィーへと視線を変えて──。


「シルフィーさんもお願いだよ~。僕の申し出を受理してよ~。お願いだから~。貴女の裸体や胸も、僕以外の男に見られたくはないし~。晒し者にしたくはない~。だからお願いだよ~。シルフィーさん~」


 と、嘆願をするのだよ。

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