第91話 王になれなかった少年の法……(12)

「うっ、うん、あっ、あああ~」と、声にならない嬌声まで、健太が漏らすものだから。


 この場にいる女性達は、サラを含めてみんなが驚愕──。


 その後は、「きゃぁあああ~」と、一同は声を揃えたように、絶叫まであげる。


 う~ん、でもね~?


 この場にいる女性達は、二人の優艶な様子を、自身の両手で口を塞ぎながら、呆然と佇んで見守るだけではない。


 直ぐにサラを含めて女性達は、一斉に『ハッ!』と我に返る。


 そして~? サラを含め彼女達は、我に返ると直ぐに、行動を起こすのだよ。


 優艶に甘え重なる健太と、淑女の二人を、数人が取り押さえ、引き離しを決行──。


 その後は、「あんた~。家の清い健ちゃんに何を教えているの~?」と。


 サラを含め、オーク女性達が、健太の肢体へと優艶に甘えていたオークの淑女へと怒号を放つのだが。


「別にいいじゃない~? 私が殿に甘え、貪ろうが~。殿の身体が減る訳でもないのだから~?」と。


 この場の乱闘騒ぎの、漁夫の利を得ようと画策をしていた淑女の方も?


 サラを含め、この場にいるオークの女性達へと詫びることもなく悪態をつくものだから。


 この後も「はぁあああ~! 何を言っているの~? あんたはぁあああ~? 健ちゃんの身体は減らないかもしれないけれど~? 健ちゃんの純情な気持ちと~? 子種は減るでしょうに~?」と。


 売り言葉に買い言葉だから。更に乱闘は続くのだよ。


 それも~? 果てしなく~。


 この国の王にはなれなかった少年健太……。


 う~ん、でも彼は~? 王さまにはなれなかったのだが。


 彼が毎日『はぁ~』と、溜息……。憂鬱になるほどの、乱闘騒ぎが毎日繰り返えされるほどの男性……。


 そう~? 健太は~?


 王にはなれなくても、この国の女性達のアイドルにはなったのだ。


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