第90話 王になれなかった少年の法……(11)

 この場にいるオークの女性達は、自身の脳裏を蕩けさせ、酔わすのだよ~。


 そうなれば? 脳内が麻痺しているこの場の女性達は、自然と理性が無くなるのだよ。


 と、なれば~?


 今健太が絶叫をあげた通りだよ。


 健太の子種を求めて馬乗りを始める女性が多々……。次から次へと現れる。


 でッ、その都度こんな怒号も多々吐かれ会話が続いていくのだよ。


  こんな感じでね~?


「痛いわね~。サラ~。御方の方からも~。サラに何か言っておくれよ~。余りにも~。私達に酷い言葉や仕打ちをしてくるのだよ~。御方~。……ッて? あんた~。何をしているの~?」


「あっ? サラの健ちゃんに、オバサンが乗っかり始めている~。……ッて~。お宅は確か~? 夫も子供もいるんじゃなかったけぇ~? オバサン~?」


「うぎゃ、あああ~! うちの健ちゃんの貞操がぁあああ~。あんな年増に奪われる~」


「きゃぁあああ~。そこをどきなさいよ~。おばさん~!」と。


 サラを含め、この場にいるオークの女性達から絶叫が響き渡る。木霊と一緒に……。


 その後は、『ドン!』と、健太に馬乗りをしていた淑女が地面に転がる音──。


 それと共に、「そこをどきなさいよ。あんた~。そこは私の指定席~」と、言った内容の台詞……。


 その言葉が終わると。


「あんた~。今から私が~。あんたが~。満足する程可愛がってあげるから~。今から私と子作りしましょうね~。あんた~」


 と、甘え声色が聞こえてくる。


 ……だけではないね?


 その場で転がる健太に抱きつき、しな垂れかかり。甘え始めだした。


 それも? 象牙色の肌色を持つ、彼の肢体を貪り始めながら。


 と、なれば~?


 健太の口から今まで吐かれていた台詞──。


「お願い~! やめて~! お願いします~! 僕から離れてください~!」


 彼の絶叫交じりの嘆願の台詞が。


「うっ、うん、あっ、あああ~。あぁ~ん」


 彼の年齢に不釣り合いな、大人の吐息交じりの嬌声へと変わる。


 でッ、変わると、どうなるかと言えば?


「えっ?」


「きゃあああ~」


「誰か二人をとめて~ 今直ぐに~」


「うぎゃ、あああ~! サラの健ちゃんが、未亡人に食されている~」と。


 サラを含め、この場で誰構わず乱闘をしていた者達が、漁夫の利を得て、この国の宝石を妖艶に微笑みながら貪り、堪能している淑女の未亡人と。クネクネと官能的に肢体を動かしながら。「はぁ~、はぁ~」と、熱い吐息共に……。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る