第89話 王になれなかった少年の法……(10)
でッ、逆に女性はと言うと?
以前はそんな女王の証にも相当する財宝のようなアイドルは、この国に存在をしなかったのだが。
シルフィーがこの国を纏めることが可能なアイドル王……。
それと? 今迄の自分自身の生涯……。自分の意思とは関係なく。勝利者の許を転々として暮らしてきた彼女の傷ついた心を癒してくれる伴侶として召喚した。象牙色の肌を持つ少年……。
そう~、女王アイカも~? 健太の貧相でひ弱な容姿と軟弱なところには愛想を尽かせ、落胆……。
そのために、王になるために異世界日本から召喚されたはずの健太は。未だ王の称号もないままで、この場にいるのだよ。
う~ん、ならば?
女王アイカも健太のことに不満があり。妻になる気もないのならば。こんな乱闘騒ぎまで起こす妹君達や従姉……。
それこそ? この国のナンバーツーであるシルフィーへと健太を手渡せばいいのだが。
女王アイカも、この地では珍しい象牙色の肌を持つ美少年(宝石)を安易には手離しはしたくはないのだよ。
この国の女王としての自分自身のステータスを上げ──着飾るアクセサリーとして健太を手放したくはないのだ。
特にシルフィーにはね。
だからエリエ集落の惨事のような出来事が起こるのだよ。
この国の女性達の成功の証……。
この国の最高の秘宝は……。
男性なのに、幼い少女のような容姿を持つ健太自身の肢体と、甲高い甘え声色なのだよ。
だから今も健太が。
「やめて~。やめて~。お願いだから~。僕に馬乗りしないでください~。お願いします~。僕の妻は、屋敷にいる女性達なのだから~。許して~。お願い~。僕を苛めないでください~」
と、甘え声色で甲高く絶叫をあげれば、あげるほど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます