第79話 女王アイカと健太の朝の日常……(7)

 自分自身は神でもなく、只のエルフの女性なのだと。


 だから自身の持つ魔法で、何でもできる訳ではないのだと、遠回しに皆へと告げるのだよ。


 でッ、それを聞いた女王館に住む女性達は驚愕……。


 特に自身の父の件……。病魔に侵されて他界をした父の件で、シルフィーのことを、自身の心の奥底で根強く恨み辛みを募らせていた女王アイカが一番驚愕したのだ。


 だって彼女は、シルフィーが自身の父を見殺しにしたばかりだと思い。勘違いをしていたからね~。


 う~ん、でも~? 今のシルフィーの気弱な台詞を聞き──。自分自身の邪な憎悪が誤解だったと気がつくと。義理の母であるシルフィーと本当の意味での和解を試みる。


「ごめんね~。シルフィーさん~。私自身が健太と貴女の仲の良い姿を見て、ついついと嫉妬に狂ってしまい。二人に対して~と、言うか~? 健太に対して、嫉妬心からの当てつけで。無理難題を押しつけて~。健太が後遺症がでるほど、酷い目に合わせてしまった~。本当に皆ごめんなさい~」と。


 女王アイカは、シルフィーだけに謝罪をするわけではなく。この屋敷に住む女性達皆へと謝罪を告げるのだよ。


 自分自身が健太とシルフィーの仲の良い様子を見て──。嫉妬に狂ったのだと。

 でッ、その後は~?


「はぁ~。はぁ~。ううぅ~。はぁ~。はぁ~」


 と、息を荒く漏らしながら。横たわる健太に対して。


「ごめんね~。健太~。本当に申し訳ない~。あなたの意思とは関係なく~。私達が強引にこの世界へと、あなたを召喚したのに~。こんな酷い仕打ちをしてごめんなさい~」


 女王アイカは、自身の紅の瞳を濡らしながら、心から謝罪をするのだよ。


 この後も「健太~。ごめんね~。ごめんね~」と、冒頭のシーン……。


 そう~? エリエ集落の大惨事の後の、数週間後の話し……。


 只今女王アイカの二の腕と、超がつくほどのタユン、タユンとした二つの巨大なオッパイの為に窒息死……。


 冥界へと誘われた健太へと抱きつき甘えながら謝罪をしたのだよ。


 あの時もさぁ~。


 だからこの屋敷に住む者達皆と和解……。いくら健太が毎日の如く、冥界へ旅立だとうが。健太を含めて、この屋敷の女性達は。女王アイカが健太に触れ触ることを怒らない。


 いくらそれが、彼女の気まぐれかも知れないと思ってもね~。


 だって~? エリエ集落の大惨事の後の後遺症で健太が病魔に魘されていた最中に女王アイカは、彼の妻らしい振る舞いで。寝ずに看病……。下の世話まで渾身的にこなしたのを皆は見ているから何も不満を告げない。


 だから女王アイカは、気が向けば健太を自身の抱き枕にするのだよ。


 でッ、その都度、女王アイカの愛情を一杯受けた健太は、極楽浄土へと誘われ、旅立つのだよ。


 それも~。大変に嬉しそうにね~。



 ◇◇◇◇◇



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