第78話 女王アイカと健太の朝の日常……(6)

 そこに向けて、末の妹であるサラが、今女王アイカに告げた諫めの台詞──。


「サラの健ちゃんを苛めるアイカ姉なんて大嫌い~!」の台詞に心を打たれて。あっさりと和解を申し込むのだが。


 女王アイカの健太への侮り蔑む姿と、酷い仕打ち……。


 最後には、愛する健太の死に装束を一度は見ている、丞相のシルフィーとウルハは納得できづに、女王アイカと、荒々しくことを構えるのだと聞かないのだが。


 二人が愛する健太の「みんな家族なのだから仲良くしないとだめだよ~?」の、鶴の一声で我に返り。和解をするのだよ。


 だから国内が二つに割れて争いが起こることもなく、エリエ集落での惨事は終焉しのだ。表面上はね~。


 う~ん、でも~?


 女王アイカの屋敷に住む女性達の間では、やはり心の奥底で。次期王になる予定で召喚された少年健太のことで。お互いに根強い闇の嫉妬心や不信感が残っているから。屋敷内でもお互いがギクシャクした関係になっていたのだが。


 そんな最中に、女王アイカ屋敷唯一の男である健太が大きな病……。


 そう~? いくら冥界からシルフィーが愛情を込めて連れ戻したとしても。女王アイカの一族の戦士の一人であるシンから、手加減無しで一方的に荒々しい行為を受けて──。健太の体内の骨や臓器はバラバラになったわけだから。後々後遺症が出て、高熱が出るのは当たり前……。


 だから女王アイカを除く、この家の女性達は、自身の顔色を変え、慌てふためきながら。健太の介護……。


 特に、この国の丞相であるシルフィーは、自身の口からこんな言葉を皆に漏らしたのだ。


「どうしよう~? このまま、このひとの熱が下がらずに病死になれば~。いくら私(わたくし)がリザレクションをおこなっても~。このひとを冥府から連れ戻すことは不可能になる~。だから本当にどうしよう~? な、何か~? 良い薬がこの辺りにないかしら~?」と。


 自身の持つ美しい碧眼の瞳を濡らしながら。この屋敷に住む女性達へと告げるのだよ。


 



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