第77話 女王アイカと健太の朝の日常……(5)

 でッ、この後は?


 この屋敷……。女王アイカの家の者達の間で、毎朝起こる涼やかな? 朝の出来事と光景が我等の目にも映るのだよ。


 こんな感じでね~。


「えぇえええ~! ウソ~? また健太が死んだの~?」と。


 眠りから覚めた女王アイカの絶叫──!


 それに続くように。


「もう~。いい加減にしろ~。アイカ~! うちのひとを何度殺す気なのか~? お前は~?」と。


 ウルハの憤怒した怒号──!


「長~。頼むから~。私の御方をもうこれ以上殺さないでおくれ~」と。

 猛将エリエの乙女のような、泣き声色での嘆願……。


「姉様は~。私(わたくし)とお母様がいるから~。健太さんは何度でも、冥界から戻ってくる事は可能ですが~。もしも~? 私(わたくし)やお母様が居ない時に、このような事が起きたらどうするのですか~? だから~。健太さんを抱き枕にする行為は、今日限りやめてください~。お願いします~」と。


 女王アイカは、シルフィーに次ぐ、大司祭である。自身の妹のプラウムにも憤怒しながらの、有り難い諫めの言葉を頂くのだ。


 でッ、最後には、自身が目に入れても痛くはない程可愛がっている。末の妹のサラから。


「サラは、健ちゃんに酷い事をする、アイカ姉なんて、大嫌いだからね~。ちゃんとサラの健ちゃんにあやまってよ~。アイカ姉~」と。


 彼女は最後に、末の妹のサラに止めを刺されるといった行為が。この屋敷の朝に毎日起きているのだ。


 あの日……。


 そう~? エリエ集落の大惨事が終結してから、毎日の日課のようにおこなわれている行為なのだよ。


 だから我等も不思議でならないのだよ。


 まあ、とにかく、あの日を境に、この国の丞相であるシルフィー自身は、完全に自分自身は、健太の物だと。女王アイカやウォンに対して意思表示──!


 それこそ? 二人の領地とも事を荒々しく構えても致し方がない姿勢と意思を見せる。


 それに同調するように、健太のことを最初から気に入っている従妹のウルハと、妹のプラウムも、丞相のシルフィーへと同調してしまうから。


 女王アイカも苦々しく思い。二つの領地に対して武力行使を決行しようか? と、いったところまで発展をしてしまい。


 もう少しで、同じ国内の身内同士が二つに別れ争いが起こる寸前とまでいったのだが。


 先ずは、女王アイカが頼りにしていた次女のエリエが中立……。


 どちらにも加担しないと意思表示……。

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