第66話 女王アイカへの不信と不満……(7)

 そして二人は健太の側に寄り、生存を確認するのだ。


 だって健太の容姿は、御姉さま二人が、いつも見て眺め──。『可愛い少年(ひと)』と、見惚れるような容姿はしていない。悲惨な様子なのだよ。


 まあ、先程、我等が説明をしている通りでね~。


 それこそ? 健太は『生きているの?』と、声を漏らしたくなるほどの惨たらしい様子なのだ。


 だって~? 先程も告げたが。彼の顔は、いつもの小さな面長の顔ではなく。自身の顔が二倍……。


 いや~? 三倍ぐらいはホームベースのように腫れ上がっている状態なのだよ。


 だから健太に詰め寄せた二人の女性……。ウルハとエリエの二人も健太の顔を凝視すると。自身の顔色を変え──。動揺……震え始めるのだよ。


 無言のままでね……。


 そんな二人の状態を泣きながら呆然と、走馬灯を見るように凝視していたシルフィーなのだが。


(あれ? 二人の様子が可笑しい……?)


 と、直ぐに思う。思うと同時に彼女は? すぐさま、泣く行為はやめて──。慌てふためきながら健太、シン……。エリエ、ウルハの四人がいる。人の輪の中心へと、急ぎ足で詰め寄る。


 そして詰め寄ると彼女の口から。


「二人とも~。そこをどきなさい~!」


 と、荒々しい口調での台詞を放つ──。


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