第65話 女王アイカへの不信と不満……(6)

 そう~? 女王アイカの従兄妹であるウルハの荒々しい諫めの台詞が聞こえてきたのだ。


 でッ、彼女は、女王アイカへの諫めの言葉を言い終えると──!


 今度は、健太とシンの、相撲の試合の審判をしているエリエの方へと視線を変えて──。


「エリエ~! 何をボ~ッと、している~? 早くこの殺戮ショーを止めろぉおおお~! 王を殺す気かぁあああ~?」と。


 やはり走馬灯でも見るように、呆然としながら、二人の試合を見ていたエリエに対して、荒々しく喝──!


 エリエに対して、シンが只今おこなっている健太への殺戮ショーをとめるようにと、諫めの言葉を荒々しく怒号として放つのだよ。


 するとエリエは「えっ? あっ! うん」と、我に返り声を漏らす。


 そして直ぐに、自身の口を開いて──。


「シン~! 今直ぐ試合をやめろ~」


 我に返ったエリエは、女王アイカの許可もとらずに、慌てふためきながら、シンへと下知をくだすのだよ。


 う~ん、でも?


 エリエの下知は、女王アイカの承認も得ぬまま下した下知だから、戦士シンは聞く耳持たない……と言うことはないね。


 だって~、戦士シンの上司は、いくら同じ一族……。この国の女王であろうとも、アイカではなく。この領地の領主である、彼の実姉であるエリエなのだから。


「はい! わかりました! 姉さん!」と。


 シンは直ぐに、エリエの下知を承認して、健太への打撃を加える行為をやめて。彼を解放する。


〈ドン……〉


 すると? こんな鈍い音を立てて、健太の身体は地面へと横たわっていく。


 そんな様子の健太へと、二人のオークの女性……。


 健太の妻になる予定の女王アイカではなく、ウルハとエリエが慌てふためきながら詰め寄る。


 

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