第48話 アイカの落胆(その二)(24)

「健太の相手に、ウォンではちと荷が重い。それにウォンに対して失礼にもなるし。悪いと思うから……。シン~! お前が健太の相手をしてやれ~。いいな~? 分かったか~?」


 まあ、こんな感じだよ。女王アイカはね~。健太に相撲をとらせることをやめた訳ではないのだ。


 只先程も告げた通りで、健太では、ウォン相手に荷が思い……だけではなく?


 自身の従兄で元婚約者……。本当の次期王になる予定だったウォンに対して、ひ弱な健太と争わること自体が、彼を侮辱──。侮る行為だと思い。ウォンとの相撲をとらす行為をやめたのみで。


 彼女は以前から健太の武力がどれほどあるのか興味があったのだよ。彼の容姿を見ればわかるのにね。


 それでも彼女は、次期自身の夫や王になる予定の健太に対して少なからずは期待をしているのだよ。


 だから自身の夫になる健太の格好の良い所をみたいのだよ。


 だから自身の故郷の国技だと得意げに話す健太だから。彼の武に期待を寄せてはいるのだが。


 一度終わったと思っていた相撲の話し。それをまた女王アイカが掘り起こして、強引に話しを進めだしたのものだから。


 当事者の健太は、また自身の顔色を変えて、「うそでしょう~? アイカさん~? 僕のこの容姿を見てください~。相撲なんてとれる身体ではないです~。だから許してください~」


 と、嘆願──。女王アイカへと泣き言を漏らし始める。



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