第32話 オーク種族に古くから伝わる習わし事(1)

〈ザッ、ザッザッザッ〉


 ……ん? 何やら急ぎ足での、荒々しい足音──。行軍と言う奴。物々しい足音が聞こえてくる。


だから何、何だろう? と、思いながら。荒々しい足音が鳴る。聞こえる方角、方向へと視線を変えてみたのだ。


……ん? あれ、あの姿は彼。彼なのか……。


そう、ここまで言葉を漏らせば、皆も予想がつくとは思うのだが。


どうやら急ぎ足で荒々しく足音を立て歩行──。行軍をしているのは健太のようなのだ。


それも彼はいつもの主夫業を洗濯屋健ちゃんになる為に町の中。集落の集合体で出来た町の中を急ぎ足で、後方を見て確認をする事もなく。

「はぁ、はぁ」と、息荒く歩行を続ける。行軍をする。


そう、彼の後ろに、沢山のオーク種族の女性。アマゾネス。自称健太。此の国の男王の妃だと申す。思っている。女の子から淑女のお姉様達を引き連れて歩行をしているから。


先程から彼の歩行をしている様子と行軍だと捉えて説明をしたのだが。


そんな慌ただしく歩行をする健太を見かけた。御老体達は。


「おっ! 今日もせいがでるね。王様ー!」と。


 労いの言葉をくれる。


それも一人が告げくれれば。その御老体につられるように。


「お~い。頑張れよ。王様」


「御方、ファイトだ!」


「王様、頑張って」


「キャー! 健太様だわ。健太様ー!」


「ああっ。本当だぁっ?」


「きゃあああっ。健太さま。愛しているわよぉっ!」と。


 健太へ言葉も後半は、労いではなく。オークの若い女性達の彼への黄色い言葉、声援と言う奴だった。


まあ、こんな状態の彼を凝視すれば、健太の若い妃達。女王アイカを筆頭に、エリエ、プラウム、サラと従妹のウルハ辺りが、やきもち、嫉妬心を募らせ不満を漏らしてくるのも致し方がない筈。


でもね、此の国の、オークの女性達のアイドル様。白馬の王子さまは、彼の妃達様がちゃんと説明をしていないから。


オーク種族に古くから伝わる結婚の習わし。儀式と言う奴を聞いていない健太は、国中のオーク種族の女性達の下着……。


と、いっても?


此の国の女性のファッションを見て確認をすればわかる通りだ。



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