第7話 エリエの集落、領地にて……(3)

此の国の新たな男王へとなった。就任をした健太の方は相変わらず、これといった素振り。二人の大人の女性の無言の言い争い。口論。維持の張り合い。対峙をしている最中であるとも気にもすることもなく。


「アイカさん、エリエさん。何をしている?」と、ニコリと微笑みながら問いかける。


「……ん? いや、あれだ」


女王アイカは、ここまで言葉を漏らしたところで、「フン」と、鼻を鳴らし。自身の義理の母であり。此の国のナンバーッとも言える立場であるシルフィーの無言の争い。睨み合い。対峙をやめて。只今広場の中央でおこなわれている格闘相撲の試合の練習……と、いうよりも?


もう直ぐおこなわれる。始まる。他国、同盟国との。その年と来年の年に向けた狩の収穫。そして恋、恋愛を祝う豊穣祭。


そう、只今健太の横に仲良く並ぶ、戦勝と美、豊穣。そして時の神。女神であるシルフィーと、彼女の娘であるプラウム、サラ親子。女神達を祭る。祝う。祭典でのメインイベントである格闘相撲大会……。



要するに健太のいた世界のレスリングやプロレス、K1に近い格闘大会に、今年出場をする漢戦士達の出来具合を女王アイカは自らの目。紅玉色に輝瞳で、見て確認をしていたのだ。


だから健太に、「もう直ぐ、豊穣を祝う祭典があり。そのお祭りの最後を飾る。格闘相撲大会に出場する漢戦士達の出来具合を、己の目で見て確認をしていたのだよ」と、説明をするのだ。


「ふぅ~ん、そうなんだ?」


「うん、そうだぞ。健太も見ていくか?」と。





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