第3話 再会……(1)
「あなた、久し振り……」と。
金色の髪に碧眼と、ツンと尖った大きな笹耳を持つ女性……。
それも、この世界にあるのだろうか? と、思われる。女性の顔、容姿を彩り、
飾る為の化粧品と呼ばれる物で。ちゃんと香料、香り。香水、コロンと呼ばれる物と、大人の色香、香りを全身。身体中から醸し出しているエルフな大人の女性は、更に自身の目に前にいる。立つ少年王健太へと言葉をかけるのだ。
「あなた、元気にしていた?」とね。
でっ、問われた彼、健太は。
「う、うん……。元気にしていたよ。僕の女神さま……」と。
彼は、健太は、自身の目の前に立つエルフな大人の女性。美と戦勝、時の女神であるシルフィーへと彼は何故か? 作り笑いを浮かべ、だけではなく。己の目尻、頬をピクピク引き攣らせながら作り笑いで、自身の気が、気分が良いように装いながら言葉を返すのだが。
彼の目の前に立つ大人のエルフな女性シルフィーは、此の国の王になったばかりの健太の永遠の妃、妻、女神さま……。
そう、冒頭の夕刻の公園のシーン。回想シーンと言う奴を思い出してもらえば察しがつくとは思うのだが。
幼少期の健太と出逢った幼いエルフな少女。健太の女神さまは、この大変に艶やか麗しいエルフな女性が、少女成長した姿、女神シルフィーなのだよ。だから健太は、急に成長した女神シルフィーに対して違和感を湧く……と、いうこともない。ないのだ。
この美しい女神シルフィーの永遠の主である健太自身も。自分自身の本当の正室が、時間や時空を操り移動──。他人を自分の許へと召喚できることは知っているからね。
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