初バイト

ノックの音がした後、日暮が片手で料理が入ってる3枚の皿を持って

入って来た。


二人共お待たせ、腹減ったでしょ。


ありがとうございます。


いただきます。


片手で皿の3枚持ちをしてきた日暮に匠が質問をする。


あのどうやって片手で皿を3枚持ったんですか?


あとで教えるから、これができないとうちの店では働けないからね


「マジかよ。片手で皿を3枚持つなんて危なさそう、溢したらどうするんだ。」


先ずは冷める前に食べて


はい、いただきます。


そうだな、匠君あだ名とかあるの


無いですが


じゃいまからご飯食べ終わるまでに考えといて


何でですか


うちの店の名札は名前じゃなくあだ名を使うんだよ。


名前じゃダメなんですか


店の方針だからね


「あだ名か、何にしよう」


マスター匠は馬鹿真面目に勉強ばかしてたから

馬鹿真面目君がいいと思います。


それいいね、それにしよう


はぁ、他のにします。


いや、時間ないし、それに面白いから馬鹿真面目君にするよ


はああああ

「僕は自分の意思とか関係なく高校生になって執事になって今度は馬鹿真面目君に

 成れって言うのか、俺の人生どうなってんだ」


匠の意思など関係なく二人でこれからの匠のあだ名を作ってしまった。

それもこれから匠が店で仕事をするとき必ずつけて客や従業員達に

見せる名札にそれも馬鹿真面目君として、、、


日暮は食べる途中にノートパソコンをいじった後プリンターから出てきた神を

ハサミで切り何かに入れ無邪気な子供のように名札完成と叫んだ。


これで食べ終わった後直ぐ仕事できるね。


はあぁい、ああありがとうごございます


匠は振り回されいらいらと悲しみと今まで味わったこともない

感情にどうすればいいか分かんないまま礼を言う。


トントントン

その時またノックの音がする

入ります

入ったのは眼鏡をかけた普通の大学生のような男と

サングラスをかけてタンクトップを着た筋肉ムキムキのマッチョだった。


おはようございます

おはようございます


その男二人は日暮に挨拶をした。


おはよう、紹介するね

この子は今日から入る新人の鈴木匠君と隣のお嬢さんは匠君の友達の小林桜ちゃんだよ


鈴木匠です、今日からよろしくお願いします。


おう、よろしく、俺は山田理、

マッチョは運動部の人のように男らしくクールに自己紹介をする


俺は高橋龍之介よろしくね、桜ちゃん、お兄ちゃんと呼んでいいからね、

あ、ついでに匠君もよろしく


「何で僕がついで、そもそも初めて会う女の子にお兄ちゃんと呼べってあの人

 頭いかれてんじゃねぇぇの、イライラする」


はい、よろしくお願いします


龍之介時間ないし一緒に着替えよう、俺の筋肉見せてあげるから


断る、俺は男と一緒に着替える趣味はない、女の子となら喜んで一緒に着替えるけど


山田と高橋は一人ずつ更衣室に入り当たり前のように執事の服に着替えた。

じゃ皆着替え終わったし仕事に入ろう


私はそろそろ帰りますね、今日はありがとうございました。


気を付けて帰るんだよ


じゃな


桜ちゃんまたね、お兄ちゃんいつでも待ってるから


「この人マジでキモイな」と匠は心の奥底からそう思った。


じゃ山田君と高橋君はキッチンで後藤君はキッチンねぇ


はい

はい

はい


匠君、フロアーにいたエリカちゃんとは挨拶した?


いいえ、まだです。


エリカちゃん、来て


はい


二人共自己紹介して


鈴木匠です よろしくお願いします。


斎藤エリカです。よろしくね匠君


はい


「この人はまともそうだ。」


今日は私とエリカちゃんがフロアーの仕事を教えます。


はい


先ずは挨拶ね、お客さんが入ったらいらっしゃいませ。と人数と

喫煙の希望を聞けばばっちり。

帰るときはありがとうございました。分かった。


はい


まぁ、日本語ができれば問題ないよ。

それからオーダーを取るのは料理の名前が分かんないから無理だし

今日はお客さんがお会計しに来た時の対処と料理を運ぶことだけやってみよう


はい

「日暮さんは普段は子供っぽいんだけど仕事するときは大人に見えるな」


料理お願いします、フロアーまで聞こえるような大きな声が聞こえた。


匠君この料理の名前はビーフシチューです。

お客さんに持っていってお待たせいたしました。と言って料理の名前を言って来ればいい


はい


お会計お願いします。


匠君レジの使い方教えるから戻ってきて


はい


匠は料理を運んだあとすぐ戻ってきて日暮に

レジの使い方を教わる。


結構簡単でしょ。


はい


今帰ったお客さんの席を片付けに行こう


はい


日暮は匠に手本をみせテーブルの片づけを教えた。


まだ暇だね、ちょっとキッチンに入って仕事のながれについて

説明するよ


はい


お客さんが入る、オーダーを取るー料理を作る、、、~~~~

分かった。


はい


その時キッチンは熱いな、、と話しながら服を

脱を脱いでる山田上着を一枚ずつ脱いでいき

最後には上着の全部を脱ぎ捨てる。

突っ込みたくってしょうがなかった匠の突っ込みが灼熱する。


キッチンで何脱いでるんですか、ここは更衣室じゃありませんよ。


俺は更衣室じゃなくっても脱ぐんだけど


だから何で脱ぐんですか?


熱いから、、お前も脱げよ


何で僕が脱がなきゃいけないんですか?


熱いから脱いだ方がいいよ。


僕は場所に気にせず脱ぐような変態じゃありません。


そうか、それよりどうだい、俺の素晴らしい筋肉は


気持ち悪いです。


お前の目は節穴か、こんなに美しい筋肉が気持ち悪いだなんて


どう見ても汚いし気持ち悪いです。


じゃお前も脱げ


だから何で僕が脱ぐんですか


私の筋肉を侮辱したんだ。どれだけお前の筋肉がすごいのか

俺に見せろ


僕運動とかやってないからそんなに筋肉ないですよ


ふぅ、勝ったぜ


山田は何かの勝負に勝ったような表情をしながら匠をあざ笑った。


匠君いい突っ込みだったよ


店長あの人頭大丈夫ですか?、キッチンで上半身裸でサングラスかけて料理作ってますよ。


いいじゃないか、熱血で料理もすぐ温まるしな


熱血で料理が温まるなら日なんて要りませんよ。

それと何で外でもないのにサングラスかけてるんですか?


俺の美しい筋肉を見ただけでも女性の客を虜にしちまうのに

俺の顔まで見せたら俺は罪深い男に成っちまうんだよ


何言ってんの、この人


匠君理解してあげて、彼はただ筋肉に命かけてるだけだから


私が問題視してんのは上半身から流れるあの汗です。もし料理に

汗が入ったら衛生上悪いし、もしお客さんが知ったらクレームどころじゃないですよ


おい、ガキ、匠と言ったか、見せてやるよ、お前が正しいのか、俺の筋肉が正しいのかを

へい、彩ペペロンチーノとカルボナーラ完成、俺が料理運ぶ姿をよく見とけ


山田はサングラス+上半身裸+大量の汗+片手に彩ペペロンチーノとカルボナーラ状態で

堂々とフロアーに出るが店長は止める気zeroでそのまま客のテーブルに

向かう、客は女子大生と推測できる。


お待たせいたしました。お嬢様方


このペペロンチーノとカルボナーラにはオリーブオイルを少々、それから

海の塩とまで呼ばれる私の汗をスパイスとして入れ調理しました。


「あの人もう終わったな、いやこの店営業停止かも」


はは、面白いお兄さん、うける、、、


「何が面白いんだよ、冗談じゃなく本当に汗入ってんだよ、このバカ女達、、」


お兄さんその筋肉本物?


もちろん、本物さ、マッチョに興味ある。


マッチョ初めて見る。触ってもいいですか


もちろん、触っていいよ 大歓迎


あら、堅い、普通の肌と感触が違う、はまるかも

ありがとうございます。


どういたしまして、このチケットあげるよ


何のチケットですか?


読んでみな、俺の筋肉揉み放題券さ、次マグゼニアへ来た時使うといい ではごゆっくり


山田がポケットから出したチケットにはマグゼニアの山田筋肉揉み放題券、女性限定

と書いてあった。


おい、ガキ、よく見たかい、これがこの世の真実だ。


「そんなバカな、こんなことってあり得るのか、いやただ今の客が馬鹿だったんだ」


僕は認めません。あの女子大生達が馬鹿だから

何の問題もなく冗談で済ませたんじゃないですか


男なら自分の負けくらいは認めな、お前は名札通り馬鹿真面目君だな

この世には教科書などいくら読んで勉強しても分からない真実があるんだ。

分かったか


その言葉は正しいとちょっとは認めますが上半身裸でサングラスかけた人に

言われたくありません


分かったよ、しかしお前もいつか大人になると分かるときが来るだろう。


そんな時がきたら僕は負けを認め潔く腹を切ります。


おはようございます。

3人の後ろから挨拶が聞こえた。匠の高校の制服をきた女子高生だった。

彼女の長い黒髪と大きな瞳、整った唇と鼻どこをどう見ても美少女だろう


おはよう、彩香ちゃん

おはよう

おはよう


彩香ちゃんこの子が今日から入った新人の鈴木匠君ね


鈴木匠です。よろしくお願いします。


匠君よろしくね、吉田彩香だよ、これから一緒に頑張ろうね


彼女は愛嬌を混じりながら匠に挨拶をするが

匠はそんな彼女にどきめく。


「可愛い人だな、うちの学校の制服だし、先輩かな」


はい


彩香は休憩室に着替えに行く姿を匠はずっと眺める。


おい、ガキ、もしかして彩香に一目惚れなのかい?


そんな訳ないじゃないですか、、


ふふぅ、そう


山田は匠の視線をみて感づいたのだろう、いや山田だけじゃなく

ここにいた全員が分かりやすそうな匠君の一目惚れに気づいてるはずだ。


ピンピンピン


音がなる、この音は客が入って来る時に鳴ベールの音

いきなり大人数の客が入って来た。


皆遊ぶのはここでお終い、お客さん入って来たから頑張ろう。


はい

はい


それからキッチンは山田と高橋がフロアーは休憩から

戻った後藤と着替えを終えた彩香そしてフロアーでずっと真面目に

仕事していた斎藤エリカ、店長は匠のトレーニングをしてピークを

乗り切った。ラストオーダーも終わり後はクロージングだけ残った。















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