マグゼニアへようこそ
@schangmins1
バイト面接
はぁぁぁ~~高校1年生になったばかりの鈴木匠が教室の自分の席に座り溜息を吐く。
そんな彼の様子が気になった、幼馴染でありクラスメイトである桜が声をかける。
匠何かあったの、うちの親がさぁ、今日から高校生になるからお小遣いは自分で稼げって
高校生にもなれば立派な大人だとかなんとか、、、
匠のお父さんもお母さんもそんなに厳しい人じゃないじゃん
厳しくないけど二人とも自己中でさ、自分たちの考えに僕を巻き込むんだよ
確かに匠の両親って面白いもんね
巻き込まれる僕は全然楽しくないよ
それでバイトはどこでやるか決まったの
今日面接
どこ、どんな店、もしかしてホスト?
馬鹿、未成年がホストとしてバイトできる訳ないじゃん。
「未成年じゃなくってもやらないけど」
お父さんの会社の後輩の人、昔何回か会ったことあるけど、、
今は会社やめてファミレスで自営業してるらしいよ。
何て名前のファミレス?
個人のファミレスだから名前も分かんないよ、道は教えてもらったけど。
珍しいね、個人のファミレスって。
そんなのどうでもいい、あぁ働きたくないな
勉強だけしたいよ、、
私はバイトやりたいんだけどなぁ、、
じゃ一緒にやろう
そうしたいんだけど無理
うちの親がねぇ、今も成績悪いのにバイト何かしたら成績もっと下がるから
やらせてくれないんだ。
確かにお前馬鹿だもんな
ひどい。匠が頭良すぎるんだよ
普通だよ、勉強は頭じゃなくって努力だ。
お前が居眠りしてる時も僕は真面目に授業聞いてるし
お前が友達と遊んでる時も僕は家で勉強してる。
だから友達が少ないんだよ、ひひひ、、
こいつ、、
私は何となく匠の両親の考えが理解できるよ
桜の考え通り匠の両親は匠が部活も友達と遊ぶことをせず
勉強ばかしているのがしんぱいだった。
いくら勉強ができても社交性が足りない匠の将来が心配だったのだ。
馬鹿なお前が分かるはずないでしょ。
匠こそ勉強しかできない馬鹿でしょ
うるせぇ!、あのさ今日もし放課後暇なら付き合ってくれないか
人生初のバイトの面接で緊張してる匠は桜を誘う。
そんな緊張した彼の様子を見ていじりたくなる桜
こんなとこれで告白だなんて、匠くん、大胆、
うぜぇぇ・お前殺すぞ
冗談だよん
マジでうぜぇぇ
部活の見学しようと思ったんだけど明日にするよ。
だって匠、一人でバイトの面接に行くの緊張してる様子だし
私がついて行ってあげるよ
「マジでうぜぇぇぇ」
いいよ、じゃ一人で行くよ
匠拗ねちゃった?私も行くよ、面白そうだし、、
嫌来るな
ついて行くもんね、、
それから放課後
匠は一人でバイトの面接に向かうが桜が付いてくる
うざいと言いながら心細い自分に付いて来てくれる桜に
ありがたく思う。
桜、多分この店だね
マグゼニアだったのか
知ってるの?
ここ有名だから、私もたまに来るし
この町でこの店知らない人は匠くらいじゃない
そんなに有名なんだ。
「この店の料理ってそんなに美味しいのかな」
匠入ろう
あ、、、
店の自動ドアを開け二人が入るが
二人の前にメイドさんが立っていた。
しかし匠は何故メイドだと一瞬思うが女性従業員の制服だと納得するが
いらっしゃいませ。ご主人様、お嬢様、2名様でよろしいでしょうか?
従業員さんのセリフで納得した自分の考えを捨てる。
いいえ、客じゃなくバイトの面接にきました。
そうでしたか、それでは店長を呼んできますので
お待ちになってください。
はい
メイドは匠の見た目を観察してから微笑み店長を呼びに
フロアーからキッチン内に入る
桜、ここってもしかしてメイド喫茶?
違うよ、ファミレスだよ
だってあれはメイドじゃん
それね、ファミレスはファミレスだけど、ここの従業員っていつも
コスプレしてるんだよね、それでコスプレファミレスとして有名なんだよ
マジか、桜お前本当馬鹿だな、従業員がいつもコスプレしてるのはメイド喫茶だからだよ。
違うよ、看板にもファミレスって書いてあるし値段もメイド喫茶のように高くないし
そもそも入場料とかないからね
匠はメイド喫茶に行ったことがないので桜がメイド喫茶とこの店の差を語っても
何が違うか分かんなかった。
その時メイドと一緒にキッチンから30代前半くらいのシューツー姿の男性が出てきた。
匠にっとては懐かしい顔だった。
久しぶりだね匠君、大きくなったね。
私のこと覚えてる。
はい、日暮さん、久しぶりです。
そこのお嬢さんは?彼女?
彼女だなんて、そんな
彼女じゃないです。付き添いで来てくれた、ただの幼馴染です。
そうか、お嬢さん、よろしく、私はこの店の店主です。
はい、小林桜です、よろしくお願いします。
それじゃ休憩室に付いて来て、面接みるから
桜ちゃんも休憩室で待ってていいよ
いいんですか
もちろん、大歓迎
さすがマスター太っ腹
店主である日暮が初めて会う人にもさりげなく
下の名前で呼ぶのとそれに対する桜の反応が
匠としては理解できなかった。
「この二人どこの星から来たんだか」
日暮は匠と桜を連れてキッチンの中に入り裏にある休憩室へ向かった。
キッチンにはフロアーいたまた別の綺麗なメイドが長い金髪を揺らしながら
料理を作っていた。
あら、その子が例の新人さん、隣のお嬢さんは?
そう、俺の先輩の息子さん、そして付き添いできた幼馴染の桜ちゃん
よろしく、私のことはアキねぇさんと呼んで
はい、よろしくお願いします「綺麗な人だな」
アキねぇちゃん、よろしくです。
自称アキねぇさんに挨拶をした二人はキッチンの裏にある
休憩室へ入った。部屋の真ん中にはテーブルと椅子が置いてあった。
二人ともここに座って
はい
はい
これから面接を始めます。
「もう面接始めんのかよ、座って10秒もすぎてないぞ」
匠君は何で内の店で働こうと思ったの?
お小遣いが必要で、お父さんの紹介できました。
そうだった。分かってたこと聞いちゃった。ははは
じゃ二つ目の質問です。匠君は悪いことしたことある、例えば犯罪とか、いじめとか
無いですが
「そんなのバイトの面接と関係あんの」
じゃ三つ目の質問です。内の店を防火したり店の従業員やお客様に被害を与える気はありますか?
そんなことやる訳ないじゃないですか
「真面目に面接しなさいよ」
そうか、それじゃ合格
今ので合格ですか?他には
合格だよ。内の店は犯罪を起こす気がある悪人じゃなきゃ誰でも
働いていいのが店の方針だからさ
「そんな馬鹿な」
あの、気になってたんですが、この店はメイド喫茶ですか?
違うよ、ここはコスプレファミレスだよ
従業員たちがメイド服だったのは私が今日はメイド&執事dayにしたため
そうだったんですか 「マジかよ、僕はこれからこんなとこれで働くのかよ」
それでマスターも執事の服をきてたんですね
「あれってただのシューツーじゃなく執事のコスプレだったのかよ」
匠は今の現状を頭の中で突っ込みまくってるのだが
桜は平然とこの店の空気に馴染んでいく。
桜ちゃんはうちでバイトする気ない?
なんか面白そうでやりたいんですが、親が成績悪いから勉強しろって
うるさいんですよ、今の高校もギリギリで入ったので、、
じゃ無理か、うち今人手が足りなくってさ、、
じゃ成績上げて両親の許可取ってバイトやります。
ここでのバイト生活めっちゃ楽しいそうです。
そりゃ嬉しいね、いつでも待ってるからね
はい、私も勉強頑張ります。
匠君今日は暇?
はい、暇ですが
じゃ今日から仕事しよう
今丁度4時か、私も5時まで休憩だから、5時から仕事入ろうか
はい
先ずは更衣室に入ってメイド服と執事の服の中で好きなの選んで着替えて
はい
「男がメイド服に着替えるわけないでしょ、執事の服だけ言ってくれればいいのにと突っ込みたい」
匠君、メイドになって
黙れ、
更衣室に入った匠は驚いた。それもそのはずだ。無駄に広い更衣室だとしか
思ってない更衣室の中には約200枚以上のコスプレ衣装が置いてあったからだ。
匠は着替えを終え更衣室から出てくる。
よく似合うね
ありがとうございます。
匠、私の言う通りホストになったね。
そうだな、本当にホストになるとは、、
「僕の人生、高校生になったどたんホストになるとはな」
二人とも夕食はまだ?
はい
はい
私もまだだったから一緒に食べよ
お金持ってないんですが
店の従業員になったんだしタダだよ
私もいいんですか
もちろん、おごってあげるよ
マスター太っ腹
ここのメニューみて決めて
私はミートソーススパゲティ
僕もそれでお願いします
はいよ
作ってくるから待ってて
はい、ありがとうございます
店主日暮が料理を作りにキッチンに行って
休憩室には匠と桜が二人っきりになる。
匠この店面白いね、私も働きたくなっちゃたよ。
私もって?僕は今すぐ帰りたいんだ。
えぇ、何で?マスターもいい人だし、メイドのねぇさん達も優しいし綺麗だし
僕の頭ではこの店について行けそうにない
確かに匠の頭は固いからな
お前だけには言われたくないよ
待ってる時間勿体ないから今日授業の内容でも復習するから
静かにして
匠はカバンから本とノートを出して勉強を始めた。
じゃ私も勉強するから教えて、、
お前が勉強?頭大丈夫か
何よ、私が勉強するのがそんなに珍しいのかよ
当たり前だろ、授業中には寝るし、放課後も友達と遊んでるし
テスト前に一夜漬けで勉強してるお前が、、、
私、今度の中間テスト成績上げてここでバイトするんだ。
そんなにここでバイトしたいのかよ。理解できないな
私としては匠のことが理解できないもん
トントントンとノックの音がした。
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