第3話 謎の少年

俺たちは声のする方に向かった。

するとそこには、中学生ぐらいの男の子が居た。


健一「君はだれ?」

???「あ、ごめんごめん まだ、自己紹介をしてなかったね。僕は『下部達也』

桐江中学の1年生。よろしく」

慎一・歩美「よろしく!」

達也「よろしく!」

健一「ところで、達也君はここで何してたの?」

達也「え、えっと…… き、君たちと同じで肝試しに来てたんだよ。」

健一「へー、いつ頃から来てるの?」

達也「え、えっと……」


ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ


慎一「ヤバい、ヤツが来たぞ!」

達也「みんな、こっちに!」

健一「いや、でもそっちは行き止まりだったような……

あっ!そうか!地下か!」

歩美「とりあえず、達也君の後を追いましょ!」


俺たち3人は達也の後についていき、再び廃墟の奥へと足を運んだ


得体の知れないヤツから逃げながら廃墟の中を移動していき

達也を含めた俺達4人は廃墟の奥に到着した


慎一「とりあえず、ヤツのことは巻いたか?」

歩美「そうですね、今は追ってきてはいないようですね」

達也「君たちここの階段の存在を知ってたのかい?なら話が早い。

ここの壁を押すと…」


達也はそう言ってとある壁を力強く押すと…

ズズズズ ズズズズ ズズズズ

床を引きずる音がしたと同時に地下へと続く階段が現れた。


達也「さ、ついてきて!」


俺達は達也に導かれるままに地下へと入っていった。


慎一「にしても、あの廃墟の地下にこんなに長い階段があるとわなぁ」

歩美「ほんとですね、私もこんなに長い階段があるなんて知りませんでした。」

慎一「歩美でも知らなっかったなんてそれは驚きだな笑」

歩美「私だって知らないことぐらいありますよ笑 健一さんはこの階段のこと知ってたんですか?」

健一「………」

歩美「健一さん…?」

健一「………。っあごめん。また考え事してた。…何の話だ?笑」

歩美「もう、しっかりしてくださいよ。この階段の存在を知ってましたか?って話ですよ」

健一「いやぁ、俺もこの階段に関しては知らなっかたなぁ。」

歩美「健一さんでも知らなっかったんですか」

健一「あぁ、たださっきあの廃墟を探索しているときにこんなのを見つけてな」


俺はそう言って一枚の紙を歩美と慎一に渡した


歩美「…なんですかこれ?」

健一「それに書いてある記事読んでみて」

慎一「どれどれ…」

歩美「あっ。」


慎一はそう言って歩美から紙を取ると記事をよみはじめた。


上沢家一家惨殺事件

1917年5月16日 水曜日

桐立山の梺の一軒家に住んでいた上沢一家4人が惨殺されると言う事件が起きた。

この事件の第一発見者、通報者は上沢家の主人「上沢 武(56)」の親戚である「下部 昌(54)」である。

警察当局は、下部昌を任意同行で事情聴取している。

また、この事件には常識では考えられない事があると警察への取材でわっかた。

だが、具体的な内容については聞き出すことが出来なかった。


慎一「なんだよ、常識では考えられないことって…」

慎一「…歩美ならこの事件の話、知ってるだろ?」

歩美「はい。たしかこの事件のの被害者である上沢一家の方々の死体って…

四肢胴体がそれぞれ違う方のものと繋がっていてとか… あくまで噂と言いますか都市伝説ですけど…」

慎一「おい…なんだよそれ…」

健一「上沢一家惨殺事件に関してはまだ都市伝説があって、上沢一家を惨殺したのは人間ではなく獣人だってのもあるよ。桐立山の都市伝説には2ⅿを超える獣人がいるってのもあるし」

慎一「お、おい… 俺たちがさっき見たのって、まさか…」

歩美「獣人…の可能性もありますね」

慎一「マジかよ…」

健一「ねえ、達也君」

達也「はい。」

健一「君の苗字って 下部 だったよね? この記事の下部昌って」

達也「僕の曾祖父だよ。でも僕もあまり詳しくは知らないんだ。父に聞いても祖父に聞いても教えてくれないんだ。」

健一「そっか、他に何か知ってることってあったりする?」

達也「そうだなぁ、あ!お兄ちゃんたちが言ってた獣人についてなら祖父からずっと言われてた話があるよ」

健一「それ、よかったら教えてくれない?」

達也「いいよ!僕が聞いた獣人の話っていうのはね、そいつと波長の合う人間は襲わないんだって。でも、波長の合はない人間は誰彼構わず襲っちゃうみたいなんだ。僕が祖父から聞いた話はこんな感じかな。」

健一「…なるほど。波長の合う人間か。教えてくれてありがとう!」

達也「いえいえ!僕もお兄ちゃんたちの役に立てて嬉しいよ!」

健一「あ、後さ達也君」

達也「なに?」

健一「………ごめん、聞きたいこと忘れちゃった笑」

慎一「何やってんだよ笑」


『実は聞きたかったことを忘れてなんかいなかった。ただ、今は聞いたらいけないようなきがした。ここで達也に聞いていれば全ての結果が変わっていたかもしけない。。。だがそれも今となっては後悔でしかない。。。』


そんな会話をしながら達也君を含めた俺たち4人は地下深くまで続く階段を下りて行った


一体何段の階段を下ったのかはわからないが俺たちは一番下まできた


歩美「はぁはぁ…、やっと終わりましたね…。疲れました…。」

慎一「あぁそうだな、さすがの俺もこの長さは疲れたよ…。なんだ?健一、まだ大丈夫そうだな笑」

健一「いや笑 俺もつらいよ、でもそんなことよりあれ…。」

慎一「ん?なんだよ」


慎一はそう言って顔を上げると、そこには


慎一「なんだよこれ、屋敷?か?」

歩美「屋敷…ですかね」

健一「達也君、この屋敷って………?あれ?」

歩美「どうしました?」

健一「いや、達也君がいないなと思って。」

慎一「そういえばそうだな、先に屋敷の中に行ったんじゃないか?ほら、入り口が少し空いてるし。」

歩美「ほんとですね。私たちも後を追いましょ」

健一「………いや、待ってくれ。」

慎一「どうした?健一」

健一「あの屋敷に入らない方がいいと思う…」

慎一「どうしてだ?あの屋敷の中に美穂がいるかもしれないんだぜ?」

健一「そうかもしれないけど、行ったらいけないような気がする…」

慎一「そう思う根拠はなんだよ。探しに行っていなかったら戻ってくればいい話じゃないのかよ」

健一「そうだけども…」

慎一「あーもなんだよ!とりあえず俺は先に行くからな!」

健一「あっ、ちょっと… 行っちゃった…」

歩美「行っちゃいましたね… 慎一さん、美穂ちゃんのことになると周りが見えなくなっちゃうんですよね… とりあえず、私たちも慎一さんの後を追いましょ。 あと、健一さんがあの屋敷の中に入らない方がいいって思ったことに関して歩くながら話してもらってもいいですか?」

健一「あぁ…。ただ歩美、これだけはここで約束させてくれ」

歩美「なんですか?」

健一「俺の命が危なくなったら俺にかまわず逃げてくれ。」

歩美「それは、どういう意味です?」

健一「そのままの意味だ。ただこのままの意味で約束してくれ」

歩美「…わかりました。私も詳しいことは聞きませんが、100%約束することはできません。それでもいいですか?」

健一「…あぁそれでもいいよ。」

歩美「ありがとうございます。それじゃあ慎一さんを追いかけますか」

健一「そうだな。美穂も見つけないとだしね」


こうして僕達は慎一と美穂を探すために屋敷を探索することとなった。


『ここでの俺の選択が既に間違っていたのかもしれない。ここで慎一を説得できていたら、帰って美穂が居なくなったことを大人や警察に任せておけば。。。もう遅いことだ。。』

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とある夏の苦く甘い物語 @takuzo

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