第2話 近づく悲劇

美穂が居なくなった事に気が付いた俺達は廃墟の奥へと進んでいった。


慎一「美穂ー、美穂ー」

歩美「美穂ちゃん、美穂ちゃん」

慎一「ダメだ。いくら呼んでも返事がない。美穂ーどこに行っちまったんだよぉ」


慎一と歩美が必死に美穂を探しているなか俺は別のことを考えていた。


慎一「美穂ー、美h…、おい健一 健一」

健一「ん?どうした?慎一」

慎一「どうした?じゃねぇよ。険しい顔をしてどうしたんだよ」

健一「あぁ、いや、ちょっと考え事してただけ」

慎一「そうか、それなら良いんだ」

健一「迷惑掛けてたならすまんな、俺は大丈夫だ。で、美穂ちゃんは見つかったか?」

慎一「いや」

歩美「返事すらないのよ」

健一「そうか…、それじゃあもう少し探してダメだったら俺達も引き上げて、親達に話すか」

慎一「そうやな」

歩美「そうですね。それが一番いいですn…」


歩美が言い終わろうとした瞬間、いきなり健一が


健一「二人とも!そこにある箱と壁の間に隠れて!早く!」

慎一・歩美「え?わ、分かった」


ザクッザクッ ザクッザクッ ザクッザクッ

どん! どん! 

ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ

ザクッザクッ ザクッザクッ ザクッザクッ


慎一「行った?…か?」

歩美「行ったみたいですね」

慎一「今のは何だったんだ?姿は見てないが明らかに人ではなかったし、あの声も何だよ…」

健一「さぁ、俺にも正体はわからん。」

歩美「私もわかりませんね。でも、二足歩行で体長は2m弱あった気がしますね」

慎一「あー確かに身長はそのぐらいあった気がする。 でも、健一 なんでアイツが来ることが分かったんだ?俺には足音も何にも聞こえなかったぞ」

歩美「私も何にも聞こえなかったです。しかも、あんな大きな生き物の気配なら少なからず感じると思いますけど…」

健一「実は俺にもよくわからないんだ。なんか気がついてたら叫んでたって感じ」

慎一「ふーん。まぁ助かったから良いか。とりあえず、美穂を早く見つけようぜ!」

健一「そうだな!」

歩美「あの、1つ提案があるのですがいいですか?」

慎一「ん?なんだ?」

歩美「この廃墟自体そこまで広くないみたいですし、さっきのアイツの気配もないので3人で手分けして探しません?」

慎一「俺はいいぜ!そっちの方が早く終わるからな。健一はどうだ?」

健一「俺も賛成だぜ」

歩美「じゃあそうしましょ!集合はここでいいですか?」

健一・慎一「おう!」

歩美「ではここで。またそれぞれが探し終わったら会いましょう!」


こうして、俺たちは1階を探索し始めた


慎一「ふー、とりあえず1階は全て探したか

それでも、居なかったな…美穂…」

歩美「そうですね、あと探してないのは…」


美穂がそう言うと俺たち3人は目の前にある2階へと続く階段を見た。ここで素直に2階だけを探せば良かったのかもしれない。


慎一「そうだな、じゃあ行こうぜ」

健一「い、いや。ちょっと待って」

慎一「どうした?健一」

歩美「どうしました?」

健一「実は、地下が有るみたいなんだ…」

慎一・歩美「え!?」


二人は大きな声を揃えて驚いた


慎一「健一、それはどこにあるんだ?」

健一「こっち、付いてきて」


俺は3人で1階を回ってる最中に冷たい空気を感じた場所へと二人を案内した。


健一「ここだよ」

慎一「え?ここ?至って普通の壁じゃないか」

歩美「そうでもないみたいですよ、慎一さん。ほら」


歩美はそう言うと目の前にある壁を押した。

すると地下に続く階段が目の前に現れた。


健一「よし、いくぞ」


っと、俺が行こうとしたら歩美が突然…


歩美「ちょっと待って!なんか聞こえない?」

健一・慎一「え?」


歩美にそう言われて耳を澄ましてみると…


ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ


さっきのアイツの声が聞こえてきた。


慎一「や、ヤバイよ 近くに隠れられるものないぞ」

健一「と、とりあえず落ち着こう。まだアイツとの距離は有るみたいだし」

歩美「そ、そうですね」


ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ ウゥゥゥゥゥ


慎一「さっきより近づいてきてるな。どうすんだよ健一」

健一「どうするもなにも、隠れられるものが無いんだからどうしようも…」

慎一「え、じゃあ…」

歩美「ど、どうしたら…」


俺たちが戸惑っていると

謎の男の子の声が廃墟の奥から聞こえてきた


???「3人ともこっち。早くアイツが来る前に」

健一「え?誰?今の声 慎一、なんか喋った?」

慎一「いや、俺でもないぞ。声質的に歩美はあり得ないし」

健一「じゃあ誰が…」

???「つべこべ言ってないで早く!」

歩美「と、とりあえず声のする方に行ってみましょう」

健一「そうだね」


こうして、俺たちは声のする方に向かった

するとそこには、中学生ぐらいの男の子が居た。

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