あの忌まわしき「炎獄の日」から、はや数年の月日が経った。



 激しい戦闘を繰り広げた帝国も力を取り戻し、世界は平和の道を辿っていた。



 そんな矢先、とある街のとある場で、竜神の奨励を受けた子が地に舞い降りた。


 制御のしきれぬ復讐の煙が昇るか、世界への感心を失った吐息を落とすか――――


 どちらにせよ、彼の絶望した時は無常にも流れていく。



 心中に永劫と燃え上がり消えぬ炎を見詰め、彼は今日も重い足を進める。

 

 竜と彼か――――――――――


 彼と竜か――――――――――






 世界は再度――――――暗雲に包まれ、そして、頭の失った蛇はむくりと起き上がった。


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