四、PVにて
自分の作品を読んで欲しい。
そう思わない作者さんはきっと少ないと思います。
稀に「私が書いていることなんてどうせお前らになんて理解できないんだから、別に読まなくていいよ」という強く誇り高い方もいらっしゃいますが、それは別の話。
pv数って魔物ですよね。
カウントが伸び始めると気分も上がって来ますし、逆に全く伸びないと執筆意欲が減退してしまったり……。
読ませていただいている作品の中でも面白いのに更新が止まっているなんでだろう? あ、pvゼロの頁がある……。そんな状態のものに遭遇することも珍しくありません。
今回は、そんなpvに関することについて私見を書いていきます。
面白ければ伸びる。
なんて元も子もないことをいうとそれまでですが、しかし面白いだけでは伸びない矛盾がウェブ投稿サイト界隈では蔓延しています。
原因はいくつかあります。
その中の一つが物語の汎用化です。
オリジナリティは出尽くして久しいと言われる昨今、汎用性が高い要素を孕んだいわゆるテンプレート作品がランキングを席巻している現状がそれを生々しく語っています。
異世界転生。
性別逆転。
実は最強。
ハーレム。
等々。
この要素が駄目というわけではありません。
ただ、物語の運びまで同じ作品があるってどういうこと⁉︎しかもそれらが伸びている……!
そういう要素をあえて避けて書いている作者さんもいらっしゃると思います。また、そのあたりの要素をもっと深く洗練させて物語の中に分かりづらく登場させている方もいらっしゃると思います。
問題はこの先にありまして、それらテンプレート要素が無いもしくは薄味の作品ほど読まれていない。つまり「読んでもらう」という普遍的であるはずのスタートラインにすら立てていないと私は思っています。
では、なぜ汎用化された物語のpv数は伸びるのかという点について少し掘っていきます。
人は好嫌いと同様に楽なことと難しいことを選別する生き物です。
どちらを選択するかは個体差もありますが楽な方を取る人は少なくないはずです。そうでなければ今の便利な世界は生まれなかったのですから。
その選択が本を読むという行為についても出ているんですね。
テンプレート要素が濃い作品は読む側が知っている要素が多いため、何も考えずに読めてしまうのです。だから楽。
対して要素が無いもしくは薄い作品はある程度構えて読まなければならない。手軽ではない。ゆえに面倒である。
ざっくりとですがこのような捉え方ができると私は思っています。
また、物語冒頭から世界の名前とかその世界専用の用語が地の文に出てくる作品があったりしますよね。そういう作品もテンプレート要素の一つです。それについて読者さんたちのレビューを見ていると「世界観がしっかりしている」と書かれている場合が多いのですが、私はそうは思いません。読み進めていけば分かっていくとレビュー後半に書かれていることも多いですが、読み進めていけば分かるのは物語として当たり前なんです。それをどのように表現していくかが腕の見せ所で。
ですのでいきなり用語を並べられても世界観がしっかりしている理由にはならないのではないか、と私は思うのです。
パルスのファルシのルシがパージでコクーンとか言われても意味わからないですよね?それと一緒です。
話が逸れました。
テンプレート要素のことについてでしたね。
正直な話、テンプレート作品は強いです……だって飲食店でいうとマクドナルド、ロッテリア、モスバーガーとかその辺りの列強ですからね……。これを抑えて読んでもらうには相応の改善が必要になるのは自明です……。
苦汁を飲んでテンプレート要素を駆使することも読んでもらうためには必要な行動かもしれません。それがたとえ何かを失うことだとしても。
その辺りは作者さんたち次第のところがあります。
こだわりを貫くのか、読んでもらうために今は我慢して受け入れるか。
これとは別に読んでもらうための手法を考えておりますが、それはまた別の機会に書こうと思います。
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