第3話
「動く……動くぞ!」
ぼくは何年ぶりかに動かす足を目一杯使ってあたりを跳ねたり走ったりした。今この瞬間だけはぼくは何もかも忘れていた。
全身の筋肉は非常に衰えていたため何度も転倒したがもはやそんなことはどうでもいい。
疲れきって体が動かなくなったとき、ぼくは再び寝転がって空を見る。手を伸ばせば届いてしまいそうな太陽。照りつける日光。空を飛び交う竜。
「え?」
ぼくが異変に気がついたとき竜は空を旋回してこちらに迫ってきていた。急いで立ち上がろうとするも足が縺れて前に進むことが出来ない。
そうこうしているうちに彼我の距離はどんどん狭まっていく。竜の全貌が明らかになる。
(殺される……)
まだなにもわかっていない。ここがどこなのかも、なぜここにいるのかも、なぜ体の自由が利くのかも。
こんなにあっさりと……
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