第2話 1日は24時間じゃない
2人目が生まれてすぐの頃だったでしょうか。
その日、私は、先輩ママのAさんに愚痴をこぼしていました。
「朝9時に出した掃除機、夜7時になっても、掃除が終わってない」
「”午前中に洗い終わっていた洗濯物を、夜中に干した”って、ママ友に話したら、絶句されちゃった」
「子供と一緒に寝るつもりなかったのに、気付いたら朝。部屋汚くて、お皿そのままで。朝からテンション急降下」
「こんな状況、1人目が生まれてからずっと。私、ホント要領が悪くて。自分でイヤになる」
愚痴相手のAさんというのは、既に成人された、双子のお子さんをもつ、大先輩ママ。
Aさん自身、一人っ子で、お子さんが生まれたときには、ご両親は既に他界。
義両親は遠方。
ご主人は働き盛りの、会社員。
Aさんも、ご自分でお店を経営。
早くから、お子さんを保育園に入れたものの、家に帰れば、家事・育児は、ほぼAさん1人だったそうです。
私の愚痴を黙って聞いてくれたAさんは、笑いながら
<1日を24時間と思わず、48時間、ううん、72時間だっていい。そう思ったら?>
<24時間だって思うから、終わらない、どうしようって焦るのよ>
<私もそうだった。だから、1日は、48時間とか、72時間って、勝手に思い込むことにしたの!>
<そうじゃなきゃ、やってられないもの!>
あぁ、そんな考えがあったのか。
ズボラな性格の私には、心にストンと、はまった言葉でした。
ズボラな私が、家事も育児も完璧にできる?
無理。無理。独身の頃から、何一つ満足にできないくせに!
ママ友に絶句された?
いいじゃない。彼女に迷惑をかけてはいないもの。
私ったら、一人で忙しがって、イライラして、主人に、子供に、八つ当たりして。
そうだ。私も、私だけの時計を持とう!
午前中に洗い終わった洗濯物を、夜中に干した。
いいんだ。1日は48時間だもの。
掃除機出したけど、かけてない。
いいんだ。1日は72時間だもの。
お皿、洗ってない。
いいんだ。
部屋はぐちゃぐちゃ。その中で”かくれんぼしよう!”だって。
いいんだ。
だって、その方が、私も子供も楽だし、ニコニコしている。
・・・・と言っても、だがしかし、ワタクシ、それほど優秀じゃないわけで。
やっぱり、思った通り、案の定、今日も ”家事が進まない!!” って、子供に怒った。
主人にあたった。
ダメだなぁ。進歩のカケラもない。
でも、挽回するから。
挽回する時間はあるから。
「1日は24時間じゃない」
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