認知症

壊れていく

壊されていく

限り無い混沌に呑まれて

思考する先から

混濁していく意識


記憶すら残らない

刹那に終わる見せ掛けの自我

会話を交わしても、きっと

交わすそばから忘れていくのだ


日常という幻に生き

妄想という幻に遊び

笑ってくれるならそれでいい


望んではいけないのだ

望むのが間違いなのだ

ただ在るがままを受けとめて

寄り添うことだけが出来ること

寄り添うことだけが許されたこと


違う名を呼ぶ

違う誰かを呼びながら

幸せなら、それでいい

たとえ周りは不幸でも


生きて笑って

夢となるあなたを

見守ることしか出来ないのだから


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