第1章
第2話 巡査になりました-Ⅰ
「おはようございます!」
朝六時三十分。煌めく日光が街を明るく彩る。そこへ、活力のある若い女性の響き渡った。芯が太く、それでいて澄みきった美しい声だ。
「おう、おはよう。えー、琴姫巡査だったか」
ここは、とある交番。
同じ若い男性の声がその挨拶に応える。警察の青い制服からでもわかる、身体つきの良い好青年といった印象を与える。
「とりあえず、制服に着替えて、話はそれからだな」
「はい、わかりました」
ハキハキと背筋を伸ばして返事をした。
――――ここが私の始まり。
「いよいよ私も警察官の一員か……」
警察学校というのは高校または大学卒業後に、前者なら十ヶ月、後者なら六ヶ月間警察について学ぶ場である。琴姫はそこをつい先日終了させ、ようやく仕事に就くことになったのだ。
――――本当に大変だったなあ…………
琴姫はしみじみと思い、心の中で呟いた。
というのも当然であった。一言で表すなら濃いのである。
六時起床で国家掲揚。そしてランニングを行った後朝食を取り、夕食の十七時まで授業に、二十三時消灯と普通なのだ。しかし、授業内容が六ヶ月で学ぶには濃いのだった。
まずは法学。これは刑法や地域に関する法律知識だ。
外国人にも対応出来るよう英語の試験やパソコンに関する知識の活用。また、逮捕術や拳銃の訓練。そのため柔道か剣道を選び初段を目指してやるのだ。
などなど学ぶことが多い。
琴姫は大学卒業後、その六ヶ月間を耐え、今警察として初めての仕事場にやってきたのだ。
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