早く、健康になりた~いぃぃ!!!

笑う子

まったくもって、大変なことになった 

 どうもこんにちは。見た目が、妖怪人間に限りなく近い女でございまず。


 ちなみに、御年29歳。そして、も1つおまけに現在フリーターで、親の脛を噛み砕く勢いで実家に居座っております。


 ああ、パピー&マミーや、不甲斐無い娘を許しておくれ・・・。


 おっと、失礼。しばし皆様を蔑ろにしておりました。


 あっ、今何だこいつは?とお眉をお顰めになりましたね?


 ワタクシだって、本当はいつまでもグータラしたくないんですよ。


 日本政府は増税を決め、出来れば働いてお金を貯めたい!!


 しかし、それが出来ないのです。


 何故出来ないのかって?


 答えは簡単、変な奴等に体質を変えられたのです。



 変な奴って?



 それは、現代人の敵の1つ、ストレスからくる『蕁麻疹』です。


 変な擬人化をして申し訳ないのですが、何度もき奴等に会っていると、生き物のように思えてくるのです。



 き奴等、許すまじ!!人の体を変えた罪は、重いぞえぇぇ!!



 フーフー、またまた失礼。恨みつらみが根深いものですから、ちょっと人格が変わってしまいました。本題に戻りましょう。


 そもそも幼少期のワタクシは、実に奔放なお調子者でございました。



「あれ?腕の関節の所を擦ると、消しごむのカスが出てくる。ふっしぎー。」



 と言って、人間のアカを消しごむのカスと間違え、嬉々として他人に見せるなど、この手のエピソードは山のようにあります。


 まぁ、今思えば、ワタクシの真っ黒歴史ですがね・・・。


 ところが、このワタクシも大人になり、就職すると一変いたします。


  ワタクシ、地元の大学を卒業後は、親の縁故で地元のホテルに就職いたしました。


 接客業と、英語が大の苦手なワタクシは、辞令が出るまでビクビクしておりましたが、役員面接での「事務方希望」の猛プッシュが巧くいったようで、無事に事務職の課に配属になりました。例えそこが元倉庫で日当たりの悪い小部屋でも、例えオッサン3人しかいなくても、例えその内の2人が社内の問題児№1と№2であっても、例え新入社員なのにブチギレて、その2人と大喧嘩しても(※№2は一応課長です)、例えある日そいつらのせいでストレスが下血という現れ方をして、トイレが鮮血で真っ赤っかになっても、それはそれは平穏に暮らしておりました。


 え?もう酷い事が起きているって?嫌だなぁ、まだまだ蕁麻疹たちの受難には遭っていませんよ。確かに、最後の鮮血の件で大きな病院へ行って、男の先生にお尻のお穴に指を突っ込まれて触診されましたが、それは良いのです。でも、だからと言って、マニアックな変態野郎ではございませんので、悪しからず。


 さて、重要な話はここからです。


 最初の課に配属になって2年ほど経ったある日、№2の暴君課長からトントンと、馴れ馴れしく肩を叩かれました。



「ワタクシ君、1週間後に経理課へ異動する事に決まったから。」



(オーマイゴッド)



 途端に頭の中で鳴り響く警告音。


 ワタクシ、その時ほどハラハラした事はありませんでした。


 だって、会社のお金をこのワタクシが扱うんですよ。そら、恐れ多いような感じがするじゃないですか。もとよりワタクシは典型的な文系で、子どもの時から算数やら理科がからっきしダメでした。あれは小学2年生の頃、クラスで九九が最後まで言えなかったワタクシは、放課後にもう1人の出来ない男子と居残って、先生に九九暗唱を強制される程の、根っからの理数バカだったのです。だから、余計に経理課への異動に不安が拭えませんでした。



(あぁ、嫌だ、嫌だ)



 それでも人事は絶対。社畜の身としては、どんなにショックでも従うしかありません。


 なので、言われた通り1週間後、ワタクシは荷物を持って経理課の新たな椅子へと座りました。そして、この時から、自分で自分を追い込み始めたのです。


 いやぁ、それにしても驚きましたね。こんなに殊勝な子だったのかと。当時のワタクシは、1番下っ端の社員が、会社に損失を起こさせるような仕事をさせる筈がないのに、ドキドキが止まらず、自分がミスしたら会社のお金が変になる(※よく分からないからここ曖昧)と、日がな1日、脳内でこのような事を繰り返し思っては、ガクブルしておりました。


 もちろん、異動先の経理課の皆さんは、優しくて良い方々だったのにも関わらずですよ。



 はい、ここでき奴等の登場です。



 そんな気が滅入っている、半年目の初秋の事。


 ある夜に自宅のパソコンでゲームなどをして遊んでいると、右太ももをボリボリ。



「ん、蚊かな?まだ生きていたのか。」



 見ると蚊に刺されたように、ぷっくりと皮膚が盛り上がっていました。まぁ、こんな事は良くあるもの。別段気にもせず続けていると、もっかいボリボリボリ。今度はすぐに別の所が痒くなってきました。



「食欲旺盛だね。」



 などと最初は呑気にしていましたが、その内に、全身バリボリバリ。


 とうとう耐え切れず、ワタクシはムヒを手に取り、赤くなった箇所を塗りたくりました。けれども、驚く事に蚊に刺されに全く追いつきません。あっという間に、体の至る所にポコポコと、どんどん皮膚の盛り上がりが増えていきました。



「どえらい、痒いんですけど。」



 ワタクシは、体中を掻き毟りました。



「何だか恐ろしくなってきたなぁ、今日はもう寝てしまおう。」



 ワタクシは、この事実に目を背け、その日は現実逃避を決め込む事にしました。



 だけど、翌朝。やっぱり事態は悪化していました。



 頭はポンポンに膨れ上がり、通常の1・5倍の大きさに。顔も両瞼が膨れ上がって、お岩さん状態。体はと言うと、全身豹柄模様。手や足の関節にもきっちり広がっており、曲げる事が出来ませんでした。



「うわわわ!!」



 ワタクシが洗面台の前で、前代未聞の出来事に驚いていると、それを見たお母様が一言。



「まぁ、蕁麻疹じゃないの。」



(これが、かの有名な蕁麻疹だと・・・?)



 ワタクシは、この時まで蕁麻疹なる言葉は聞いた事はありましたが、それは芸能人の方々がネタで話しているものしか聞いた事はなく、実際目にするのは、今の今までありませんでした。それが、まさかのまさか自分の体から溢れ出るとは・・・。


 そう、これこそ己の思い込みで勝手にストレスを生成した結果でした。



(ヤベーよ、これ相当ヤベーよ)



 そして、ここからが地獄の始まりでした。



「こんにちは、ワタクシさん。」



 その後、き奴等はにこやかにワタクシの体にやって来ました。その割合は、3ヶ月に1度と言うハイペース。また、1度出ると3・4ヶ月は留まり、長い時になると、半年間も毎日出続けていました。



(くぅぅ、辛かぁ)



 それにしても、き奴等が現われると大変な事がいっぱい。



 ①とにかく痒い事


 ②見た目が悪くなる事


 ③いつ治るのかと不安になる事


 ④だから、家に篭りがちになる事


 ⑤熱いお風呂に入れない事


 ⑥眠くなる薬を飲まなくてはいけない事



 一般的には、こんな感じでしょうか。しかし、ワタクシの場合、もう1つ追加があるのです。まず蕁麻疹を発症すると、必ず瞼がポンポンに膨れ上がるのですが、そうすると、重たくなって視界が狭まるのです。すると、ワタクシのおアホな脳みそが、間違って『眠いのね❤』と判断してしまうのです。なので、まぁ眠い眠い。美女でも周りは森でもないのに、異常に睡眠過多になってしまうのです。



 だからこそ、こんな奴等を是非とも倒したく、ワタクシは、たくさんの皮膚科を訪ね歩きました。それにしても、お医者様にもいろんな方々がいてびっくりいたしました。



 地元のヤブ医者に初まり、70歳の元気なおじいちゃん先生、名医オーラ全開の仙人先生、決めつけ不躾女医とオチビで陰気な男医の夫婦など、多種多様。


 では、折角ですので、ワタクシの医者コレクションの中から、最も印象が強かったお二方のお話でもしましょうか。


 


 ワタクシ、女医の方には恵まれませんでした。


 


 あれはそう、今通っている病院へ行っても治らず、他に良い皮膚科医はおらんかいな…。と思ふ日々の事でした。ワタクシは、会社の空き時間を見付けては、ネットで検索をかけていました。すると、ビンゴ!!地元の隣町にある総合病院のホームページに辿り着きました。



「おお、ここなんか良さげじゃない?」



 き奴等が出ている顔で、漸く見付けたパソコンの画面を覗き込むと、先生方の名前の横に、大層な肩書きが載っているじゃありませんか。どうやら、その世界では名の知れた人たちのようです。



「この人たちなら、頑固なき奴等も治してくれるかも。」



 鼻息荒く、一気に期待に胸が膨らみました。


 ワタクシはすぐさま午後から病欠で休みを貰い、病院へと向かいました。こんなにグッドな病院が自分の住処の近くにあっただなんて、灯台下暗し。ワタクシは、自身の頭をこつりんこと叩き、舌をテヘペロと出しました。



「いつ見ても、デッカイ病院だこと。」



 電車に乗って、駅からそのまま繋がっている病院に着きました。この病院の中に入るのは、今回で2回目です。前にお世話になったのは、ほら、あのお尻の時でした。それにしても、さすが総合病院だけあって大きくて立派。更に、すっばらしく綺麗。取り入れられているものも最新式なのでしょう、受付や会計などは機械化されています。小心者のワタクシは圧倒されながらも、何とか皮膚科の受付を済ませ、無事に待合室の椅子に辿り着きました。辺りを見渡せば、外国人の姿もちらほら見掛け、看護士さんがテキパキと英語で対応しておりました。



(IT‘S グローバル)



 とは言え、相も変わらず病院はどこも一緒で、待合室は満杯。ワタクシは自分の名前が呼ばれるまで、持って来た文庫本を読んで辛抱強く待ちました。


 皆様、病院とは忍耐との勝負でもあります。行く際には、ご自分の暇潰しセットをご持参下さいませ。



「ワタクシさーん。」



 それから最長記録になるだろう待ち時間を経て、ワタクシは診察室に呼ばれました。この時、新たな病院と新たな先生に胸はワクワクしていました。


 しかし、診察室に入って顛末を話しただけで、ワタクシはもう帰りたいと思いました。



(うげげ、何だこのヤロー) 



 新しくワタクシを診てくれたのは、30歳後半の女医さんでした。けれど、この女医さん、恐ろしい程の無表情、無愛想。そして、口が悪いという3拍子揃った兵でした。


 こちらが病気を治したい一身で来ているのに、早々にその心を踏み躙られるとは・・・。



(医者がこんな奴で良いのだろうか)



 その後も何故だか初対面にも関わらず、終始ピリピリムードで会話は進みました。それでも、病欠までして会社を休んだワタクシに告げられたのは、前のお医者様の時に全く効かなかった○○の飲み薬、プラス塗り薬8日分でした。


 ワタクシ、ちゃんとこの○○の飲み薬は以前に試して、自分には合わないと伝えたのにこの仕打ち。あんまりじゃございませんか。



(何なのよもう、来て損したじゃない!)



 出来る事なら、目の前の女医をポカスカ殴ってやりたい。でもそれをやったら、犯罪。ワタクシの口元はイライラで勝手にヒクヒクと動いておりましたが、終わり頃になると、彼女の口からぶっきら棒に、こう言われました。



「次の診察ですが、希望のお日にちですと、担当者が代わりますが宜しいですか?」



 ピカリーン。一筋の光りが。


 ワタクシは、コクコク激しく首を振りながら、次の予約をお願いしました。これ以上に悪い奴なんかおらんじゃろと思っていたのです。



(神様は、ワタクシをお見捨てにならなかったわ)



 ウフフのオホホ。やっと機嫌も直りました。



「次こそ、き奴等とお別れだわ。」



 そして、6日経ち、いざワタクシ再見参。


 あれから処方して貰った薬を飲みましたが、やっぱり体はき奴等の良い様にされっ放しでした。しかし、それももう終わり。医者が代わるのだから、今度こそ治るのは間違いない。ワタクシはそう確信しておりました。



「ワタクシさーん。」



 名前を呼ばれルンルンで中に入ると、



(ブルータス、お前もか!!!)



 ワタクシの体に雷を受けたような衝撃が。ナント、目の前には新たな女医がいるのですが、先の女医とクリソツだったのです。年齢も無愛想加減も、無表情も口が悪いのも全て一緒。



「もう蕁麻疹が慢性的になっていますね。」



 しかも、即精神的ダメージを食らわせると言う、荒業まで披露して下さる始末。だが、ここで落ち込んでいても仕方がない。ワタクシは、この時点でヒットポイントがほぼ0になっておりましたが、最後の気力を振り絞り、ここに来る前にお母様に言われた事を、この女医に伝えました。



「こちらでアレルギーの血液検査って出来ますか?」



 蕁麻疹の原因を、何かのアレルギーではないかと疑い始めたお母様曰く、



「この間テレビを見ていた時に、血液検査でその人が持っているアレルギーが、分るらしいの。次に病院へ行ったら、聞いてみなさいよ。」



 そう言われてみたら、こんなに何度もき奴等に体を許してしまうのも、ストレスだけではなく、少なからず何かのアレルギーが影響しているのでは?と自身でも思い直し、一度聞いてみる事にしたのです。


 けれど、女医はワタクシの話を聞くと、不機嫌そうに顔を歪めてぴしゃりと言い放ちました。



「あれは、自分でこれかな?って目安を立てて貰わないと、検査出来ませんけど!!」



 何をそう怒るのか分かりませんが、ワタクシはその暴言を聞くなり、この病院へは2度と行かなくなりました。


 今となっては、「ちょっと聞いてよ、昔ねこんな事があったの。」と言える感じには収まりましたが、当時は思い出すだけで腹立ちまくりでしたよ。


 


 ああ、この後、きちんと違う優しいおっちゃん先生の所へ行って、き奴等は退治して貰いましたのでご安心下さい。



 


 しかし、その後もき奴等の生命力は、半端ありませんでした。




「ワタクシさーん、お久しブリーフ。」と言わんばかりに、すぐに復活するとです。



 ワタクシのか弱き心も体も限界に近付いておりました。だけど、そんな中でも勤勉な日本人のDNAのせいでしょうか、会社を中抜けして病院へ行ったり、マスクや眼帯で、隠しながらも頑張りました。されど、そんなワタクシをあざ笑うかのように、翌年には、大ボスクラスの奴がやって来てしまいました。ワタクシは手強いそいつを追い出すために、1日おきに会社帰りに苦手な注射を打ちに行くのですが、治る気配はまるでなく、むしろ酷くなるばかり。


 すると、更なる厄介事が増えるのでございます。


 体のとある部分の様子がおかしくなってきたのです。



「のどのじょうじがわるい・・・。」



 ワタクシは喉を擦り、異常を訴え出しました。何て言うか・・・所ではなく、息苦しくて仕方がないのです。



「もしや、注射の副作用か!」



 その日は午前中にも病院へ行って、注射を打って貰っていました。もしかしたら、その事が原因なのでは?ワタクシはビクビクしながらも、会社帰りに再度、同じ病院へと足を運びました。



「息苦しいのですが、薬の副作用でしょうか?」



 ワタクシは、率直にこの件を先生に伝えました。すると、どうでしょう。先生の傍らに立っていたベテラン看護士さんと、先生が見事にピタリとハモったではありませんか。




「「蕁麻疹だから(よ)。」」




?????


 


 その意味が分らずワタクシが黙っていると、ベテラン看護士さんは続けました。



「苦しくなったら、救急車を呼ぶのよ。」



 そこで正気に戻りました。



 ゲゲゲのゲ!



 ワタクシ、改めてき奴等の新たな一面を知りました。彼らがより本気を出すと、人様の体の内側=呼吸気管をき奴等自身で塞いでしまうのだとか。



 恐るべし蕁麻疹。



「何てこった、き奴等にどんどん付け込まれる・・・。」



 ワタクシは、愕然としました。


 ところがどっこい、どうもこの症状はき奴等の仕業ではないようです。と言うのも、あれから数日経って、蕁麻疹は体から綺麗に消えたのに、喉の圧迫感が全く消えないのでございます。


 それにしても、この喉も厄介至極。四六時中、飲み物や飴などで潤わせていないと、空気球のようなものがグググッと膨れてくる感じがして気持ちが悪いのです。喉に溜まった空気球は、ゲップみたいに5分おきに出してやらないと、いつまでも居座って辛いのなんの。



「ぬぬぬ、ここで新たな敵が現れるとは・・・。」



 そんなこんなで、仕事中は、お茶をガブガブ飲んで気を紛らわせておりました。こんな時、ずっとお茶を飲んでいられる事務職って良いですわね。ですが、やっぱり辛い。蕁麻疹でもなくポリープ(※耳鼻咽喉科で調べて貰いました)でもないなら、こりゃ何ぞやとパソコンで調べてみると、ストレスで起こる喉の違和感がHit。因みにこの症状の場合、受診する病院はメンタルクリニック。あぁ、あのお気楽少女だったワタクシが、今度はメンタルクリニックでお世話になる日が来るとは・・・、人生何が起こるか分からないものですね。けれど、やはりメンタルクリニックと言う単語に少々躊躇していると、あれよあれよと、もう少しで発狂寸前まで追い詰められてしまいました。



「よし、もうこうなったら行ったるわ。」



 とどうでも良くなったワタクシは、メンタルクリニックの門を叩き壊す勢いで駆け込みました。


 しかしながら、する事と言ったら、洒落乙なおじ様先生と世間話をするくらい。プラス、薬と漢方の処方。正直、効果はあまり得られませんでした。どんずまり決定です。き奴等がいない間くらい、健康体でいさせてくれとプーと頬を膨らませていると、悲しいかな、またゾロゾロとき奴等の侵略行為が開始されてしまいました。



(トホホ、まだ喉も治っていないのに、何が辛くて二重苦を背負わにゃならんのじゃ)



 その頃になると、怒りよりも落胆の方が強かったように思います。



「会社辞めます。」



 その言葉を発したのは、勤続5年目の3月でございました。



 内示が出たのです。次の職場はレストラン。事務職から突然のサービス職。しかも、ホテルの中にある3つのレストランの中で、一番過酷な所でした。いやーん、ちゃんと半年に1回会社に提出するシートには、この健康状態を書いているのに、特大無理ですよ。で、内示見た途端に人事課へ直行し、引き留められましたが辞職宣言いたしました。ついでに、まだ治ってはいませんでしたが、だんだん薬が強くなってきて1日中眠くなってきたので、メンタルクリニックに行くのも止めちゃいました。結局、メンタルクリニックでありがたかった事と言えば、待ち時間にラックに置いてある高級ファッション誌をタダで読めるという事だったのではないのでしょうか・・・。う~ん、まぁ、もう過去の事ですから、忘れましょう。



「これで、き奴等とはおさらばだ。」



 ワタクシは、この時晴れてそう思いました。


 にも関わらず、現在。何のしがらみもなくなった筈なのに、未だにき奴等は現れるのです。それに、のどの調子も変わりません。ああ、ワタクシはこれからどうなってしまうのか?何だかもう、人間バクチみたいですね。それにしても、この歳でお薬手帳が2冊目って信じがたいですな。


 ともあれ、皆様もき奴等が現れたらお気を付け下さい。「何じゃこりゃ。」と、往年のセリフを吐いている間に、サクサクッと集団で襲ってきますわよ。



「早く、健康になりたーーーーーい!!!」



 あれ?でも、ちょっと待てよ。よく考えるとワタクシは、既に29歳ではありませんか。き奴等と付き合ってばかりで、本物の男性とのお付き合いがぽっかり空いている・・・。これは何とも恐ろしい現実。もう良いお年頃をとっくの昔に迎えているじゃあーりませんか。しかも、お家でゴロゴロのプププのプー太郎。こりゃ、家のデブ猫と遊んでいるどころではないですね。


 


 皆々様、耳の穴をかっぽじって、ワタクシの声をお聞き下さい。




「早く、まとも(+な大人)になりたーーーーーい!!!!」




 しかし、この後追い討ちを掛けるように、



「小麦アレルギーですね。」



 と女医に言われるのは、また別のお話なのでした♪


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

早く、健康になりた~いぃぃ!!! 笑う子 @ekoeko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ